英語を学習する中で「offer」という単語を見かけたことがある方は多いでしょう。
この単語は「提供する」「申し出る」といった意味で使われますが、似た意味を持つ「provide」や「give」とどう違うのか、迷ったことはありませんか?
offerはTOEICやビジネス英語で頻繁に登場する重要動詞です。
特に「相手の意思を尊重しながら何かを差し出す」というニュアンスが特徴で、日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使われます。
この記事では、offerのコアイメージから具体的な使い方、類義語との違い、よくある間違いまで、豊富な例文とともに徹底解説します。
TOEIC対策や英会話力アップを目指す方に役立つ内容です。
offerのコアイメージ
offerの語源はラテン語の「offerre(差し出す、提示する)」に由来します。
コアイメージは「相手が受け入れるかどうかを選択できる状態で、何かを差し出す」です。
このイメージから、offerには「申し出る」「提案する」「提供する」といった意味が生まれました。
重要なのは、相手に選択権があるという点です。
例えば、レストランで「Would you like some water?(お水はいかがですか?)」と聞かれるとき、店員は水を「offer」しています。
あなたは「Yes, please.」と受け入れることも、「No, thank you.」と断ることもできます。
この「相手の意思を尊重する」というニュアンスが、offerを他の「与える」系動詞と区別する最大の特徴です。
offerの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
単語 | offer |
発音 | /ˈɒfə(r)/(オファー)米:/ˈɔːfər/ |
品詞 | 動詞・名詞 |
語源 | ラテン語 offerre(差し出す) |
TOEIC頻出度 | ★★★★★(非常に高い) |
文法項目 | 詳細 |
---|---|
自動詞用法 | ○(offer to do:〜することを申し出る) |
他動詞用法 | ○(offer something to someone) |
受動態 | ○(be offered) |
進行形 | ○(is offering) |
過去形 | offered |
過去分詞 | offered |
現在分詞 | offering |
※offerは動詞の他、名詞(申し出、提案、オファー)としても頻繁に使われます。
この記事では動詞用法を中心に解説しますが、名詞用法も重要なので合わせて学習することをおすすめします。
発音・アクセントの注意
offerの発音は /ˈɒfə(r)/(イギリス英語)または /ˈɔːfər/(アメリカ英語)です。
カタカナで表記すると「オファー」ですが、最初の「オ」にアクセントを置くことが重要です。
発音のポイント:
- 第1音節「of-」を強く発音する
- 第2音節「-fer」は弱く、曖昧母音 /ə/ で発音
- 語末の r は、アメリカ英語では発音するが、イギリス英語では弱い
よくある発音ミス:
❌ オッファー(第2音節を強く発音)
✅ オファー(第1音節を強く発音)
日本人学習者は「オッファー」と平坦に発音しがちですが、第1音節を明確に強調することでネイティブらしい発音に近づきます。
名詞としてのofferも同じ発音パターンです。
動詞と名詞で発音が変わる単語(record, produceなど)とは異なるため、混同しないよう注意しましょう。
offerの意味とニュアンス
offerには大きく分けて3つの主要な意味があります。
それぞれのニュアンスと使い分けを見ていきましょう。
〜を申し出る・〜を提供する
最も基本的な意味で、相手が受け入れるかどうかを選べる状態で何かを差し出すことを表します。
物理的なものだけでなく、サービス、助け、情報なども対象になります。
He offered me a cup of coffee.
彼は私にコーヒーを一杯勧めてくれた。
The hotel offers free Wi-Fi to all guests.
そのホテルは全ての宿泊客に無料Wi-Fiを提供している。
She offered her assistance with the project.
彼女はそのプロジェクトで援助を申し出た。
この意味でのofferは、相手に選択肢を与える親切さやホスピタリティを含んでいます。
〜することを申し出る(to不定詞を伴う)
自発的に何かをすることを提案する場合、「offer to do」の形を使います。
これは自動詞用法で、親切心や協力の意志を表します。
I offered to help her with her homework.
私は彼女の宿題を手伝うことを申し出た。
He offered to drive me to the airport.
彼は私を空港まで車で送ることを申し出てくれた。
The company offered to reimburse my travel expenses.
その会社は私の旅費を払い戻すことを申し出た。
「offer to do」は日常会話でもビジネスでも非常によく使われる表現です。
TOEICのリスニングセクションでも頻出します。
(条件・機会などを)与える・提示する
ビジネスや契約の文脈で、条件、価格、機会などを提示する意味でも使われます。
この用法はフォーマルな場面で特に重要です。
The company offered him a competitive salary.
その会社は彼に競争力のある給与を提示した。
They offered $500,000 for the house.
彼らはその家に50万ドルを提示した。
The course offers excellent career opportunities.
そのコースは素晴らしいキャリアの機会を提供する。
この意味では、offerは「正式な提案」というニュアンスが強くなります。
求人広告やビジネス交渉でよく見られる表現です。
offerの使い方
offerは文型によって意味やニュアンスが変わります。
主要な使い方のパターンを整理しましょう。
offer + 物/サービス(第3文型)
最もシンプルな形で、「〜を提供する」という意味です。
目的語には物、サービス、抽象的な概念が来ます。
The restaurant offers vegetarian options.
そのレストランはベジタリアン向けの選択肢を提供している。
This program offers flexible working hours.
このプログラムは柔軟な勤務時間を提供する。
The museum offers guided tours every hour.
その博物館は1時間ごとにガイド付きツアーを提供している。
ビジネスや広告の文脈で非常によく使われる形です。
offer + 人 + 物(第4文型)
「人に物を提供する」という意味で、間接目的語(人)と直接目的語(物)を続けて使います。
この形は日常会話でよく使われます。
He offered me a seat on the train.
彼は電車で私に席を譲ってくれた。
They offered us a discount on bulk orders.
彼らは大量注文に対して私たちに割引を提供してくれた。
She offered him some advice on the matter.
彼女はその件について彼に助言を提供した。
この文型は「offer + 物 + to + 人」に書き換えることもできます。
offer + 物 + to + 人(第3文型+前置詞句)
第4文型の書き換え形で、「物を人に提供する」という意味です。
強調したい要素を前に持ってくることができます。
The company offered the position to several candidates.
その会社は数名の候補者にそのポジションを提示した。
I offered my sincere apologies to the customer.
私はその顧客に心からの謝罪を申し出た。
They offered a generous compensation package to the new CEO.
彼らは新しいCEOに手厚い報酬パッケージを提示した。
フォーマルな文章やビジネス文書ではこの形がよく使われます。
offer to do(to不定詞を伴う)
「〜することを申し出る」という自動詞用法です。
自発的な行動の提案を表す重要なパターンです。
She offered to babysit for us this weekend.
彼女は今週末、私たちのために子守りをすることを申し出てくれた。
The manager offered to meet with us personally.
そのマネージャーは私たちと直接会うことを申し出た。
He offered to pay for dinner.
彼は夕食代を払うことを申し出た。
日常会話で最もよく使われる形の一つです。
TOEICのPart 2やPart 3で頻繁に登場します。
offerの句動詞
offerは単独で使われることが多い動詞ですが、いくつかの重要な句動詞表現があります。
offer up
意味:(神などに)捧げる、提供する
ニュアンス:やや文語的・宗教的
They offered up prayers for the victims.
彼らは犠牲者のために祈りを捧げた。
The committee offered up several proposals for discussion.
委員会は議論のためにいくつかの提案を提出した。
「offer up」は通常のofferよりも「真剣に差し出す」「献上する」というニュアンスが強くなります。
日常会話よりも、フォーマルな文脈や精神的な文脈で使われることが多い表現です。
offerは句動詞よりも単独での使用が一般的なため、基本的な用法をしっかり押さえることが重要です。
offerのコロケーション
offerと一緒によく使われる単語を知ることで、自然な英語表現が身につきます。
以下は実際のビジネスや日常会話で頻出する組み合わせです。
コロケーション | 意味 | 例文 |
---|---|---|
offer assistance | 援助を申し出る | We offer assistance to new employees. |
offer advice | 助言を提供する | She offered valuable advice on the issue. |
offer support | 支援を提供する | The organization offers support to families. |
offer services | サービスを提供する | We offer a wide range of consulting services. |
offer opportunities | 機会を提供する | This position offers great career opportunities. |
offer solutions | 解決策を提示する | The company offers innovative solutions. |
offer compensation | 補償を提供する | They offered compensation for the delay. |
offer congratulations | 祝辞を述べる | I’d like to offer my congratulations. |
offer condolences | 哀悼の意を表す | We offer our deepest condolences. |
offer an explanation | 説明を提供する | He offered no explanation for his absence. |
これらのコロケーションはビジネス英語やTOEICで頻出します。
特に「offer assistance」「offer support」「offer services」は覚えておくと便利です。
また、フォーマルな場面では「offer + 抽象名詞」の形が好まれる傾向があります。
例えば「I apologize」よりも「I offer my apologies」の方がより丁寧な印象を与えます。
offerを使った例文(シーン別)
実際の場面でofferがどのように使われるか、シーン別に例文を見ていきましょう。
試験でよく出る例文
TOEICや英検などの試験でよく見られるofferの使い方です。
The company offers competitive salaries and benefits.
その会社は競争力のある給与と福利厚生を提供している。
He offered to review the report before the deadline.
彼は締め切り前にそのレポートをレビューすることを申し出た。
The training program offers participants valuable skills.
その研修プログラムは参加者に貴重なスキルを提供する。
She was offered a promotion after six months.
彼女は6ヶ月後に昇進を提示された。
Would you like me to offer some suggestions?
私がいくつか提案をしてもよろしいでしょうか?
The university offers scholarships to international students.
その大学は留学生に奨学金を提供している。
They offered him the position of team leader.
彼らは彼にチームリーダーの役職を提示した。
日常会話で使う例文
友人や家族との会話で自然に使えるofferの表現です。
Can I offer you something to drink?
何か飲み物をお出ししましょうか?
Let me offer you a ride home.
家まで車で送らせてください。
She offered to cook dinner for everyone.
彼女はみんなのために夕食を作ることを申し出た。
Thanks for offering to help me move.
引っ越しを手伝うと言ってくれてありがとう。
He offered me a piece of his birthday cake.
彼は誕生日ケーキを一切れ分けてくれた。
They offered us a place to stay for the night.
彼らは私たちに一晩泊まる場所を提供してくれた。
Would you like me to offer some feedback on your presentation?
あなたのプレゼンテーションについてフィードバックをしましょうか?
ビジネス文書・メールで使う例文
職場のメールや正式な文書で使える丁寧な表現です。
We are pleased to offer you the position of Marketing Manager.
マーケティングマネージャーの職をお受けいただければ幸いです。
I would like to offer my sincere apologies for the inconvenience.
ご不便をおかけしたことを心よりお詫び申し上げます。
Our company offers comprehensive training programs for new hires.
当社は新入社員向けに包括的な研修プログラムを提供しております。
We offer flexible payment options to suit your needs.
お客様のニーズに合わせた柔軟な支払いオプションを提供しております。
I am writing to offer my assistance with the upcoming project.
今度のプロジェクトでお手伝いをさせていただきたくご連絡しました。
The supplier has offered to extend the payment deadline.
サプライヤーは支払期限を延長することを申し出ています。
We would like to offer you an exclusive discount on our premium service.
プレミアムサービスについて特別割引をご提供させていただきたいと存じます。
Please let me know if I can offer any further clarification.
さらにご説明が必要でしたら、お知らせください。
offerの類義語・関連語
offerと似た意味を持つ動詞を理解することで、より正確な使い分けができるようになります。
単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
---|---|---|
provide | 動詞 | 必要なものを供給する(義務的・実用的) |
give | 動詞 | 与える(最も一般的・選択肢なし) |
present | 動詞 | 正式に提示する(フォーマル) |
propose | 動詞 | 提案する(アイデアや計画) |
suggest | 動詞 | 提案する(軽い助言) |
tender | 動詞 | 正式に申し出る(ビジネス・法律) |
extend | 動詞 | 差し伸べる(招待や援助) |
volunteer | 動詞 | 自発的に申し出る(無償で) |
「offer」と似た意味を持つprovideの意味と使い方や、最も基本的な「与える」を表すgiveの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
offerとよく混同される類義語との違いを、具体的な例文とともに解説します。
これらの使い分けはTOEICでも頻出します。
offer vs provide
offer(申し出る・提供する)
→ 相手に選択権がある。受け入れるか断るかを選べる。親切心や好意を含む。
provide(供給する・提供する)
→ 必要なものを供給する。義務的・実用的なニュアンス。選択の余地は少ない。
比較例文:
The hotel offers free breakfast to guests.
そのホテルは宿泊客に無料の朝食を提供している。
→ 宿泊客は朝食を取るか取らないか選べる(サービスとしての提供)
The hotel provides towels and toiletries in every room.
そのホテルは各部屋にタオルとトイレタリーを用意している。
→ 基本的な必需品として備えている(義務的な供給)
She offered me some advice on my career.
彼女は私のキャリアについて助言をしてくれた。
→ 親切心から助言を申し出た(受け入れるかは私次第)
The consultant provided detailed analysis of the market.
そのコンサルタントは市場の詳細な分析を提供した。
→ 契約や職務として分析を供給した(義務的)
使い分けのポイント:
- offerは「申し出」のニュアンスがあり、相手の意思を尊重する
- provideは「供給」のニュアンスがあり、必要性や義務を強調する
- offerは好意や親切を含む場面で使われやすい
- provideはビジネスや契約上の供給で使われやすい
TOEICでは「The company _____ excellent benefits to employees.」のような問題で、文脈からofferかprovideかを判断する必要があります。
「excellent benefits」のように魅力的なものを示す場合はofferが、「necessary equipment」のように必需品の場合はprovideが適切です。
offer vs give
offer(申し出る・提供する)
→ 相手が受け取るかどうかを選択できる。申し出のニュアンス。
give(与える)
→ 実際に渡す・与える。選択の余地は基本的にない。最も一般的。
比較例文:
He offered me a gift, but I declined.
彼は私に贈り物を申し出たが、私は断った。
→ 申し出の段階(まだ受け取っていない)
He gave me a gift for my birthday.
彼は私の誕生日に贈り物をくれた。
→ 実際に受け取った(完了した行為)
Can I offer you a seat?
席をお譲りしましょうか?
→ 親切な申し出(相手は断れる)
Please give me your coat; I’ll hang it up.
コートをください。掛けておきます。
→ 実際に渡すことを求めている
The company offered him a raise.
会社は彼に昇給を提示した。
→ まだ交渉の余地がある段階
The company gave him a raise after the review.
会社は評価後に彼に昇給を与えた。
→ 実際に昇給が決定・実施された
使い分けのポイント:
- offerは「申し出る」段階で、相手の意思確認を含む
- giveは「与える」完了した行為で、すでに渡している
- offerは丁寧さや配慮を含む
- giveは中立的で最も一般的な表現
- 「Can I offer you…?」は親切な提案、「Can I give you…?」は単純な申し出
日常会話では、何かを勧めるときは「offer」、実際に手渡すときは「give」を使う傾向があります。
例えば、レストランで「Can I offer you dessert?」(デザートはいかがですか?)と聞かれ、承諾すると、ウェイターが「I’ll give you the menu.」(メニューをお持ちします)と言います。
ビジネスシーンでは、契約や条件を「offer」し、合意後に実際に「give」するという流れが一般的です。
試験・ビジネス頻出度
offerは英語試験とビジネスシーンの両方で非常に重要な動詞です。
その頻出度と使われ方を詳しく見ていきましょう。
TOEIC
頻出度:★★★★★(非常に高い)
TOEICでは全パートでofferが頻繁に登場します。
特にPart 2(応答問題)、Part 3(会話問題)、Part 7(読解問題)での出現率が高いです。
よく出題される文脈
- 求人・採用に関する表現(offer a position, job offer)
- ビジネスサービスの提供(offer services, offer solutions)
- 援助の申し出(offer to help, offer assistance)
- 割引や特典の提供(offer a discount, special offer)
- 会議や面談の提案(offer to meet, offer a consultation)
TOEIC頻出フレーズ
We are pleased to offer you the position.
あなたにそのポジションをお受けいただければ幸いです。
The company offers competitive benefits.
その会社は競争力のある福利厚生を提供している。
Can I offer you any assistance?
何かお手伝いできることはありますか?
This package offers the best value.
このパッケージが最もお得です。
TOEICでは「offer to do」の形も頻出します。
リスニングでは「Would you like me to…?」に対する返答として「Thanks for offering.」がよく使われます。
英検
頻出級:準2級〜1級
英検では準2級から本格的に出題され、2級以降は必須の動詞となります。
特にライティングとスピーキングで使いこなせると表現の幅が広がります。
級別の使用例
準2級〜2級レベル:
基本的な「申し出る」「提供する」の意味で使用
My friend offered to help me with my homework.
友達が宿題を手伝うと言ってくれた。
準1級〜1級レベル:
より抽象的な概念や複雑な文脈での使用
The new policy offers greater flexibility to employees.
新しい方針は従業員により大きな柔軟性を提供する。
ビジネス英語
頻出度:★★★★★(必須レベル)
offerはビジネス英語で最も重要な動詞の一つです。
採用、営業、交渉、カスタマーサービスなど、あらゆる場面で使われます。
ビジネスシーン別の使用例
採用・人事:
We would like to offer you the role of Senior Analyst.
シニアアナリストの役職をお受けいただきたく存じます。
The position offers a salary range of $80,000-$100,000.
そのポジションは8万ドルから10万ドルの給与範囲を提示しています。
営業・マーケティング:
We offer customized solutions for your business needs.
お客様のビジネスニーズに合わせたカスタマイズソリューションを提供しています。
This promotion offers 20% off on all products.
このプロモーションでは全商品が20%オフとなります。
カスタマーサービス:
We sincerely apologize and would like to offer you a full refund.
心よりお詫び申し上げ、全額返金をご提供させていただきます。
Can I offer you an alternative solution?
代替案をご提案してもよろしいでしょうか?
ビジネスメールでの定型表現:
- I am writing to offer… (〜をご提案するためにご連絡しております)
- We are pleased to offer… (〜をご提供できることを嬉しく思います)
- May I offer my assistance with…? (〜についてお手伝いさせていただけますか?)
- Please let me know if I can offer any further support. (さらにサポートが必要でしたらお知らせください)
ネイティブがよく使う自然な表現
ネイティブスピーカーが日常的に使うofferの表現を紹介します。
これらをマスターすると、より自然な英語が話せるようになります。
日常会話での定番フレーズ
Can I offer you a drink?
何か飲み物はいかがですか?
→ ホストが客に飲み物を勧める定番表現
Let me offer you some advice.
ちょっと助言させてください。
→ 親しい間柄でアドバイスする前置き
Thanks for offering, but I’m good.
申し出てくれてありがとう、でも大丈夫です。
→ 申し出を丁寧に断る自然な表現
I’ll offer to do it if no one else will.
誰もやらないなら私がやると申し出るよ。
→ 自発的に名乗り出る意思表示
She’s always offering to help.
彼女はいつも手伝うと言ってくれる。
→ 親切な人柄を表す表現
ビジネスでの自然な表現
I’d like to offer my congratulations on your promotion.
昇進おめでとうございます。
→ フォーマルな祝辞の表現
May I offer a suggestion?
ご提案してもよろしいでしょうか?
→ 会議で意見を述べる前の丁寧な前置き
The job offer came through!
仕事のオファーが通った!
→ 名詞用法での口語表現
They made me an offer I couldn’t refuse.
断れないような好条件を提示された。
→ 非常に魅力的なオファーを受けたときの表現
I’m offering my services as a consultant.
コンサルタントとしてサービスを提供しています。
→ 自己紹介やプロフィールでの表現
感情を含む表現
I appreciate you offering to help.
手伝うと言ってくれて感謝します。
→ 相手の親切に感謝する表現
That’s very kind of you to offer.
そう言っていただけるとは親切ですね。
→ 申し出に対する丁寧な返答
I wish I could offer more support.
もっとサポートできればいいのですが。
→ 力になれないことへの残念な気持ち
Don’t hesitate to offer your opinion.
遠慮なく意見を述べてください。
→ 相手の発言を促す表現
慣用的な表現
offer an olive branch
意味:和解を申し出る、歩み寄る
語源:平和の象徴であるオリーブの枝から
After the argument, he offered an olive branch by apologizing.
口論の後、彼は謝罪することで和解を申し出た。
offer a helping hand
意味:手助けをする、援助の手を差し伸べる
My neighbors offered a helping hand when I moved in.
引っ越したとき、隣人が手助けをしてくれた。
the going rate / what the market offers
意味:市場相場、一般的な条件
The salary they offered was below what the market offers.
彼らが提示した給与は市場相場を下回っていた。
offerのよくある間違い
日本人学習者がofferを使う際によくする間違いと、その訂正方法を解説します。
これらのポイントを押さえることで、より正確な英語が使えるようになります。
間違い1:offerとprovideの混同
❌ The hotel offers towels and soap in the bathroom.
✅ The hotel provides towels and soap in the bathroom.
解説:基本的な備品は「provide(供給する)」を使います。
「offer」は選択可能なサービスに使います。
❌ The school provides free trial lessons to new students.
✅ The school offers free trial lessons to new students.
解説:体験レッスンのような特典は「offer(提供する)」が適切です。
選択の余地がある魅力的なサービスには「offer」を使います。
間違い2:前置詞の誤用
❌ He offered me for help.
✅ He offered to help me.
または He offered me help.
解説:「offer to do」または「offer + 人 + 物」の形を使います。
「offer + 人 + for + 物」という形は誤りです。
❌ They offered a discount for me.
✅ They offered me a discount.
または They offered a discount to me.
解説:「offer + 人 + 物」または「offer + 物 + to + 人」が正しい形です。
間違い3:受動態での誤用
❌ I was offered to work overtime.
✅ I was offered overtime work.
または They offered me overtime work.
解説:受動態では「be offered + 名詞」の形になります。
「to do」は能動態でのみ使います。
❌ The position was offered me.
✅ The position was offered to me.
または I was offered the position.
解説:受動態では「to」が必要です。
間違い4:giveとの混同
❌ He offered me a book yesterday.(実際に渡した場合)
✅ He gave me a book yesterday.
解説:すでに完了した行為には「give」を使います。
「offer」は申し出の段階を表します。
❌ Can you give me your phone number?(初対面で)
✅ May I offer you my phone number?
または Could I have your phone number?
解説:自分の電話番号を渡すときは「offer」の方が丁寧です。
「give」は直接的すぎる印象を与えます。
間違い5:文型の誤り
❌ He offered me to help with the project.
✅ He offered to help me with the project.
解説:「offer to do」の形では間接目的語(me)は入りません。
「to do」の後に目的語を置きます。
❌ The company offered that they would compensate us.
✅ The company offered to compensate us.
解説:「offer」の後にthat節は通常使いません。
「offer to do」の形を使います。
間違い6:名詞との混同
❌ I received an offer to a new job.
✅ I received an offer for a new job.
または I received a job offer.
解説:名詞の「offer」の後は「for」を使います。
「job offer」のように複合名詞にすることもできます。
間違い7:冠詞の誤用
❌ Can I offer you the advice?
✅ Can I offer you some advice?
解説:「advice」は不可算名詞なので「the」ではなく「some」を使います。
特定の助言を指す場合のみ「the」が使えます。
offerの理解度チェック
これまで学んだ内容を確認するための練習問題です。
実際に手を動かして解いてみましょう。
穴埋め問題(5問)
1. The company ______ me a position as a project manager.
(その会社は私にプロジェクトマネージャーのポジションを提示した)
2. She ______ to drive me to the airport tomorrow.
(彼女は明日私を空港まで車で送ると申し出てくれた)
3. This course ______ excellent opportunities for career development.
(このコースはキャリア開発の素晴らしい機会を提供する)
4. May I ______ you something to drink?
(何かお飲み物をお出ししましょうか?)
5. They ______ us a 20% discount on bulk orders.
(彼らは大量注文に対して私たちに20%の割引を提供してくれた)
選択肢問題(5問)
1. The hotel ______ free Wi-Fi to all guests.
a) offers
b) provides
c) gives
d) both a and b
2. He ______ his apologies for being late.
a) offered
b) provided
c) suggested
d) proposed
3. I was ______ the job, but I decided to decline.
a) offer
b) offered
c) offering
d) to offer
4. Can I ______ a suggestion about the project?
a) offer
b) give
c) provide
d) all of the above
5. The training program ______ participants practical skills.
a) offers to
b) offers
c) offer to
d) is offering to
解答
穴埋め問題の解答:
1. offered
解説:過去の出来事なので過去形。「offer + 人 + 物」の文型です。
2. offered
解説:「offer to do(〜することを申し出る)」の形。過去形を使用。
3. offers
解説:一般的事実を表す現在形。主語が三人称単数なので「offers」。
4. offer
解説:「May I offer…?」は丁寧な申し出の定型表現。助動詞の後なので原形。
5. offered
解説:過去の出来事。「offer + 人 + 物」の第4文型です。
選択肢問題の解答:
1. d) both a and b
解説:Wi-Fiは基本サービスでもあり特典でもあるため、どちらも使えます。「offers」の方がやや魅力的なサービスとして強調するニュアンスがあります。
2. a) offered
解説:「offer one’s apologies」は謝罪を申し出る定型表現です。
3. b) offered
解説:受動態「be offered + 物」の形。「私は提示された」という意味。
4. a) offer
解説:提案を申し出る文脈では「offer」が最も自然です。「give」や「provide」も文法的には可能ですが、「offer」が最適。
5. b) offers
解説:一般的事実なので現在形。「offer + 人 + 物」の文型で、主語が三人称単数なので「offers」。「offer to + 動詞」ではないので注意。
offerのコーパス実例
実際のメディアや文献でofferがどのように使われているか、実例を見ていきましょう。
※以下は典型的な使用例を示すために作成した例文です。
新聞記事:The New York Times
The new healthcare plan offers coverage to millions of previously uninsured Americans.
新しい医療保険制度は、これまで保険に入っていなかった数百万人のアメリカ人に保障を提供する。
解説:政策や制度が「提供する」という意味でofferが使われています。
ニュース記事では、サービスや機会を提供する文脈でofferが頻出します。
Tech giants are offering substantial bonuses to attract top talent amid fierce competition.
激しい競争の中、テック大手はトップ人材を獲得するために多額のボーナスを提示している。
解説:ビジネス記事での典型的な使い方。
企業が条件を「提示する」という意味でofferが使われます。
The mayor offered his resignation following the scandal.
市長はスキャンダルを受けて辞任を申し出た。
解説:正式な申し出を表す表現。
「offer one’s resignation」は辞職を申し出るという意味の定型表現です。
日常会話:映画のセリフ
“Can I offer you a ride home? It’s getting late.”
「家まで送りましょうか?遅くなってきましたし」
解説:親切な申し出を表す典型的な日常会話表現。
映画やドラマでよく聞かれるフレーズです。
“Thanks for offering, but I’ll manage on my own.”
「申し出てくれてありがとう、でも自分でなんとかするよ」
解説:申し出を丁寧に断る自然な表現。
「Thanks for offering」は口語でよく使われます。
“Let me offer you some advice: don’t take things too seriously.”
「ちょっと助言させて:物事を深刻に考えすぎないことだよ」
解説:アドバイスをする前置きとして使われる表現。
友人同士の会話でよく登場します。
ビジネススピーチ:TED Talk
Technology offers us unprecedented opportunities to solve global challenges.
テクノロジーは私たちに、地球規模の課題を解決する前例のない機会を提供します。
解説:抽象的な概念(機会)を提供するという意味でのoffer。
プレゼンテーションやスピーチでよく使われる表現です。
I’d like to offer a different perspective on this issue.
この問題について異なる視点を提示したいと思います。
解説:意見や視点を提示する際の丁寧な表現。
学術的な場面やフォーマルなスピーチで頻出します。
Education offers the key to breaking the cycle of poverty.
教育は貧困の連鎖を断ち切る鍵を提供します。
解説:抽象的な「解決策」や「手段」を提供するという比喩的な使い方。
社会問題を論じる際によく使われます。
offerに関するよくある質問
provideは「必要なものを供給する」という意味で、より義務的・実用的なニュアンスです。
例:The hotel offers free breakfast(魅力的な特典として提供)
例:The hotel provides towels(基本的な備品として供給)
例:He offered to help me.(彼は私を手伝うことを申し出た)
offer + 物は「物を提供する」という意味の他動詞用法です。
例:He offered me help.(彼は私に援助を提供した)
どちらも「申し出る」という意味ですが、文型が異なります。「offer to do」の形では人(me)を間に入れられないので注意しましょう。
主な名詞用法:
・job offer(求人オファー、採用通知)
・special offer(特別オファー、特典)
・make an offer(申し出をする、オファーを出す)
・accept/decline an offer(申し出を受ける/断る)
例:I received a job offer from ABC Company.(ABC社から採用通知を受け取った)
例:This is a limited-time special offer.(これは期間限定の特別オファーです)
❌ He offered me to help.(誤り)
✅ He offered to help me.(正しい)
✅ He offered me his help.(正しい)
「offer to do」の形では、人(me)は to do の後に置きます。または「offer + 人 + 物」の形を使いましょう。この混同は日本人学習者によくある間違いなので注意が必要です。
例:We would like to offer you a 10% discount.(10%の割引をご提供したく存じます)
proposeはアイデア、計画、方法などを提案する場合に使います。
例:I would like to propose a new marketing strategy.(新しいマーケティング戦略をご提案したく存じます)
具体的な条件や物を提供する場合はoffer、アイデアや計画を提案する場合はproposeを使うと覚えておきましょう。
Can I offer you…?
→ 自分が提供する行為に焦点。「私が〜をお出ししましょうか?」
例:Can I offer you a cup of coffee?(コーヒーをお出ししましょうか?)
Would you like…?
→ 相手の希望に焦点。「〜はいかがですか?」
例:Would you like a cup of coffee?(コーヒーはいかがですか?)
どちらも丁寧で自然な表現です。「Can I offer you…?」の方がやや丁重な印象を与えます。
Part 2(応答問題):
Q: “Can I offer you any assistance?”
A: “Thanks, but I can manage.”
Part 3/4(会話・説明文):
“The company is offering a special promotion this month.”
Part 5/6(文法・語彙):
“The position _____ competitive benefits.” → 答え:offers
Part 7(読解):
求人広告:”We are pleased to offer you the position…”
特に「offer to do」「offer + 物」「job offer」などの表現は超頻出なので、しっかり押さえておきましょう。
まとめ
- コアイメージは「相手が受け入れるかどうかを選択できる状態で、何かを差し出す」
- 主な意味は「申し出る」「提供する」「提示する」の3つ
- offerは相手の意思を尊重、provideは義務的供給、giveは実際に与える行為
- 「offer to do」は自発的に何かをすることを申し出る重要表現
- TOEICやビジネス英語で超頻出、特に採用・営業・サービス提供の文脈で必須
- 「offer + 人 + 物」と「offer + 物 + to + 人」の両方の文型を使いこなす
- 名詞としても重要(job offer, special offerなど)
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、offerの使い方が自然に身につきます。
特にTOEICやビジネスシーンでの頻出表現を優先的に覚えることをおすすめします。
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