忙しくて手が離せないは英語で何て言う?

本シリーズの記事では、「これって英語で何て言う?」をテーマに、口からなかなかスムーズに出てこないような語彙や表現を取り上げていきます。

さて、皆さんはこんな経験はありませんか。何かの作業中で手が離せなかったり忙しくてそれどころではなかったりして、相手に一言ご自分の忙しさを伝えたいといったようなケースです。

もちろん「I‘m busy.」といったような簡単な一言でも相手には伝わりますが、もっとスマートでネイティブライクな表現が存在するのも確かです。今回はそんな忙しい時に使える便利な英語表現をいくつかご紹介したいと思います。

それでは早速いってみましょう。

be tide up (with ~)

tieは「縛る、結ぶ」という意味です。
何かに縛られたり結ばれたりして身動きが取れないような状況を比喩的に表現したのが「be tied up」です。
忙しくて手が離せないような状況を相手に伝えることができます。

I’m a bit tied up right now.
今は少し手が離せません。

Emilia is tied up in a meeting.
エミリアは会議中で手が離せません。

I was tied up with an unexpected visitor.
急な来客対応で手が離せませんでした。

「be in the middle of something」

直訳すると「何かをしている真最中だ」、そこから「取り込み中である」となり、手が離せない状況時にバッチリ合う表現が「be in the middle of something」です。
明確な理由を明示せずに相手に忙しい状況を伝えることができるので、とても便利な表現となります。

Lisa, do you think you could help me to find my missing key?
リサ、なくしてしまった鍵を見つけるのを手伝ってくれるかい?

Sorry, I’m in the middle of something.
ごめんなさい、今取り込み中なのよ。

「full」を使った表現

以下でご紹介する表現はどちらも「full」を使った表現です。
fullには「満ちた」「いっぱいの」という意味があります。
この意味からも連想できるように、両手がいっぱいの状態やふさがっている状態、いわゆる手が離せない状態を伝えられる表現です。
一つずつ見ていきましょう。

「One‘s hands are full.」

こちらはSVCの第2文型です。
後ろに「with+名詞」や「Ving(動名詞)」を持ってくると、実際どんな理由で手が離せないのかという情報を付け加えることができます。
例文を見ていきましょう。

My son‘s hands are full with his studying for exams.
息子は受験勉強で大忙しです。

I think my hands will be full taking care of my mother this summer.
今夏は母の介護で手一杯になりそうです。

「have my hands full」

こちらはSVOCの第5文型です。
「have O(人や物)C(形容詞)」で、「OをCの状態にする」という意味を成します。よって、「手一杯の状態になる」と訳せます。

She’ll have her hands full at work during Golden Week this year.
今年のゴールデンウィークは、彼女は仕事で手一杯でしょう。

Sorry, I have my hands full at the moment.
ごめんなさい、今手が離せないのです。

My friend has her hands full taking care of her puppies most recently.
友人はここ最近子犬の世話で手一杯です。

話は少し変わりますが、英語を学習し続けているとアメリカ英語とイギリス英語には違いがあることに気付かれる学習者さんは多いのではないでしょうか。
上でご紹介した表現はイギリスでよく聞く英語。アメリカ英語では下の例文のように「have」よりも「get」を使った現在完了形で表す方がメジャーです。

Sorry, I’ve got my hands full at the moment.
ごめんなさい、今手が離せないのです。

「be swamped(with~)」

「swamp」は名詞に「沼、沼地」動詞に「水没させる、水浸しにさせる」などの意味があります。
受動態「be swamped(with~)」の形で、沼地にはまるほど身動きがとれないような忙しい状況をうまく相手に伝えることができます。
withの後には名詞が来ますが、この表現は仕事で忙殺されている状況を言い表すため、work「仕事」、e-mails「メール」、projects「プロジェクト」、calls「電話」など、withの後は仕事関連の言葉が続きます。

I’ll be swamped with the project that I’m working on all day tomorrow.
今手掛けているプロジェクトで明日は一日中忙しいのです。

She‘s been swamped with work these past three weeks.
彼女はこの3週間仕事で忙殺されています。

まとめ

本記事では「忙しくて手が離せない」「手一杯である」などの便利な表現をいくつかご紹介しました。
もちろんシンプルに「I’m so busy.」「I’m very busy.」と伝えることもできますが、受け取り方は様々です。
できれば理由を述べて、本記事でご紹介したようなスマートな言い方を身につけられるとよいですね。

英語表現は実にバリエーション豊かです。
たくさんの表現を学んで、積極的に使っていきましょう。