「そういえば」「~と言えば」は英語で何て言う?

今回は「そういえば」「~と言えば」にあたる英語表現について考察していきます。

会話のキャッチボールでよく出てくる言い回しなので、定型表現として覚えてしまうと会話にリズムも出てきます。

それでは今回も早速いってみましょう。

相手の発言を受けての「そういえば」

「speaking of ~」~と言えば

「Speaking of ~」は「~と言えば(そういえば)」という意味をもち、会話中に出てきた言葉や事柄に関連する何か新しい話題を展開する際に便利な表現です。

例えば、AさんとBさんが学校のテストについて会話をしているとします。

A:The exam was very difficult, wasn’t it?
B:Yeah, that’s true. Speaking of exams, are you going to take the next TOEIC test?
A:試験難しくなかった?
B:確かに、ほんとその通りだね。試験と言えば、次のTOEIC試験は受験する予定?

もう一つの例を見ていきましょう。AさんとBさんが年末年始の過ごし方について会話しているとしましょう。

A:I visited my parents in Hokkaido this year and spent New Year’s holiday with them.
B:Speaking of Hokkaido, how is the snow quality there this year? I ‘m thinking about going skiing in Hokkaido.
A:今年は北海道に帰省して、年末年始を一緒に過ごしました。
B:北海道と言えば、今年の雪質はどうですか?実は北海道へスキーに行こうと考えています。

どちらも「Speaking of ~」を用いて、相手の言った発言の一部を引用し新たな話題へと展開していっているのがお分かり頂けると思います。

「speaking of which」そういえば

こちらも前述の「speaking of~」と意味は一緒で、会話中に出てきた事柄に関連して新しい話題を提供したい場合などに使える便利なフレーズです。

「speaking of~」だと具体的なワードに触れてから話を展開していますが、「speaking of which」の場合、具体的なワードに言及せずに、それを非制限用法の関係代名詞「which」で受けていますね。

ちなみに関係代名詞の非制限用法とは、先行詞となる対象物に対し補足的に説明を加えていくといった文法事項です。

例文を見ていきましょう。

Daniel called me last night and talked with him for the first time in ages. Speaking of which, he got married to Jane!
ダニエルから昨夜電話がかかってきて久しぶりに色々話したわ。そういえば、彼ジェーンと結婚したんですって!

上の例文の場合、話し手がダニエルのことを話している途中、ふいに結婚したという事実を思い出した場面なので、whichの先行詞は前述の文章全体といったところでしょうか。

「come to think of it」考えてみると(そういえば)

「come to think of it」は「When I come to think of it」の省略表現で、意味は「考えてみると」「そういえば」となります。

「come to~」は「~するようになる」think of~は「~のことを考える」、つまり「come to think of it」は「それについて考えるようになるとき→考えてみると(そういえば)」と解釈できます。

会話の途中で何か思い出したり気づいたりしたことなどを言うときに使うフレーズです。下の例文で上司と部下の会話文を見てみましょう。

A:Is there anything I can do for you for the project tomorrow?
B:Yeah, come to think of it, I need to make copies of the documents. I appreciate your help.
A:明日のプロジェクトで何か手伝えることはありますか?
B:はい、そういえば、資料をコピーする必要があります。大変助かります。

次の例文でティーンズの会話を見てみましょう。

A:My mom told me off for making a mess in the kitchen this morning.
B:Oh, that’s too bad. Come to think of it, I might have lost my mom’s bike key I borrowed. I’m sure she’ll get angry at me.
A:今朝キッチンをめちゃめちゃにしたってママからきつく叱られたのよね。
B:あら、それは残念だったね。考えてみたら、ママから借りていた自転車の鍵なくしちゃったかも。きっと怒られるわ。

考えてみると、会話中に色々と思いつくことは多いですね。

ふと思い出したときの「そういえば」は「I just remembered that S V」

「remember」には「思い出す」という意味があり、そこに「just」をはさむことで、今思い出したということを強調できます。「that S V」はthat節、つまり「remember」の目的語、ですので、「I just remembered that節」という形で、that節以下のことを「今思い出したんだけど」→「そういえば…」と表すことができます。例文を見ていきましょう。

I just remembered that I haven’t exercised at all recently.
そういえば最近ちっとも運動していないな。

I just remembered that we haven’t seen each other in a while.
そういえば私たちしばらく会っていないね。

ふと思い出したことがあれば、ぜひ「I just remembered that S V」の型に当てはめて使ってみてください。

汎用性の高い「by the way」ところで(そういえば)

「by the way」はおなじみの「ところで」という意味ですね。話題を転換する際に使える表現として捉えている方は多いのではないかと思います。

「by the way」の本来の意味はこのような感じです。名詞「way」には「行く道」という意味があり、前置詞「by」には「~のそばに、~のわきに」という意味があります。
「(話の)道のわきに」→「少し脇道にそれるが」というのが「by the way」の示す本来の意味となります。
よって、不意の思いついきなどでメイントピックから少し話がそれるときにはぴったりの英語表現であるといえるでしょう。

下記の例文を見ると、少し脇道にそれている感が解りますね。

By the way, do you know where my ruby necklace is?
そういえば、私のルビーのネックレスがどこにあるか知っている?

Oh, by the way, I saw Michael in Paris during my trip.
あっ、そういえば、旅の途中マイケルに会ったんだよ。

「by the way」は途中で話題を変えるときだけでなく、本論から少し話がそれるときにも使える汎用性の高い頻出フレーズです。e-mailやSNSなどでも略語「BTW」として出てくることもあります。略語として使われているほど、よく使われている表現であるであると言えるでしょう。

まとめ

本記事では「そういえば」「~と言えば」を英語でどのように表現するのかについて解説しました。
一口に「そういえば」といっても、文脈によって適切な表現は変わります。上記で挙げたフレーズをマスターすれば、会話の幅も広がること間違いなしですね。