hear ofとhear aboutとhear fromの違いを解説

英語学習の初期で習う「聞く」という動詞に“hear”があります。動詞単体では「~が耳に入る」と自然と聞こえてきた様子を表現できる動詞です。

しかし動詞の後にくる単語によって色々と意味やニュアンスが変わることもあるのです。

今回は“of”と“about”と”from”の3つそれぞれの前置詞が置かれた場合の動詞の意味の変化について解説したいと思います。

それぞれの違いのポイントをまとめると

チェックしたい重要ポイント!

  • “hear of”はある事実を聞いて認知する場合に「~を耳にする」という表現
  • “hear about”はある事実について周辺の事情などを含め「~について詳しく聞く」という表現
  • “hear from”は聞いた物事の出所を示し「~から聞く」とか、近況が知れない人「~から連絡がくる」と示す表現

上記の違いを意識しながら、実際にどのように使われているのか解説を例文と共に見ていきましょう。

hear ofの意味や使い方

“hear of”は人や物事の存在を聞いて認知することを表現できるため、「耳にする」とか「うわさを聞く」というような訳をすることができます。

ここでの“of”は「分離」の意味で使われます。「物事の一部を切り取って(分離して)聞く」というようなニュアンスになり、全容は知らないが、一部耳にしたことがあるような場合に使われます。

そのため「少しも聞いたことがない」という表現をする際によく用いられるので、完了形・疑問文・否定文で使うことが多いです。

他にも「~を聞き入れる」と承知の意味で使われることもあります。

hear ofを使った例文

I have never heard of Michael Bean.
マイケル・ビーンという人物について耳にしたことがない。

Have you heard of the restaurant called “Japan Shokudo”?
“日本食堂”というレストランを聞いたことがありますか?

My father will not hear of me doing such a thing.
父は私がそんなことをするのに承知しないでしょう。

hear aboutの意味や使い方

一方で“hear about”は「~について詳しく聞く」と訳すことができます。

前置詞の“about”は「~に関して」という意味を持つため、聞いた物事の関連情報も含めて知っているようなニュアンスを持ちます。

そのため“hear of”よりもより具体的で詳細な内容まで指す場合が多いです。

hear aboutを使った例文

I have heard a lot about you.
あなたについては詳しく伺っております。

I would like to hear about your new job.
あなたの新しい仕事についてちゃんと聞きたい。

hear fromの意味や使い方

上で紹介した二つが「~を聞く」という表現であるのに対し、”hear from”は「~から聞く」誰から話を聞いたのか情報源を示すことができる表現です。

前置詞の“from”が置かれているため、物事の起点や出所などを示すことができます。

また最近の会ってない人や遠く離れて近況を知らない人などを目的語にとり、「~から連絡がくる」という意味で使うことも多いです。

hear fromを使った例文

I heard from his mother that he passed the exam.
彼の母親から彼が試験に受かったことを聞いた。

Have you heard from Nick recently?
最近ニックから連絡はあった?

hear ofとhear aboutとhear fromの理解度チェック!

3つの使われ方を確認したところで、違いが理解できたか確認してみましょう。
各問題の空欄に入るのはAとBとCのどちらが正しいでしょうか?

理解度チェックの問題

問1
2年前ここで起きたことの詳細について聞いていますか?
Have you heard ____ what happened here two years ago?
A: of
B: about
C: from

問2
空を飛ぶペンギンなんて聞いたことがないよ。
I have never heard ___ a flying penguin.
A: of
B: about
C: from

問3
彼女と別れて以来連絡が来ていない。
I haven’t heard ____ her since we broke up.
A: of
B: about
C: from

問4
彼がこんなめちゃくちゃをするなんて聞き入れられない。
I will not hear ____ him doing such a mess.
A: of
B: about
C: from

問5
あなたのおうわさは伺っております。
I’ve heard so much ____ you.
A: of
B: about
C: from

まとめ

同じ動詞でも後に来る前置詞によって意味が変わってくることは、簡単な動詞の時によくあります。
それぞれのニュアンスの違いを理解するには、その単語を含む会話を聞いたり話したりする回数を増やすことに秘訣があると思います。

「単に耳にしたことがある」と言いたい時は“hear of”を使い、「より具体的に詳細も聞いたことがある」という時には“hear about”を使い、久しぶりに誰からから連絡があった場合には“hear from”を使います。

“hear of”と“hear about”は聞いた物事をどれだけ認知しているかで使い分けますが、“hear from”は明らかに違う意味になるので別のものとして認識しておいてくださいね。