英語で豊かな文を作り、あなたの考えていることを外国人に上手く伝えるようになるにはどうすれば良いか迷っていませんか?
実は、動名詞・不定詞・過去分詞形がそのカギを握っています。
なぜなら、これらは単純な英語の文に多くの情報を肉付けすることができるからです。
しかしながら、動名詞・不定詞・過去分詞形って何?どうやって文中で使っていますか?と聞かれてあなたは即答できますか?
そんなあなたに動名詞・不定詞・過去分詞形を解説したいのですが、全て解説すると頭がパンクしてしまいます。
なので、今回は不定詞の解説をしていきます。
不定詞には大きく分けて3つの用法があります。
それは、名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法です。
では、1つずつ見ていきましょう。
不定詞の名詞的用法
不定詞の名詞的用法とは、すばり「~すること」です。
【to+動詞の原形】で名詞の働きをするものを名詞的用法と言います。
日本語訳すると、「~すること」になるので、これで覚えておきましょう。
この不定詞によって作られた名詞は、補語や主語、目的語として使われます。
1つずつ見ていきましょう。
名詞的用法【主語】
【to+動詞の原形】を文の始めに持ってきます。
それにより、「~することは~です。」といった文を作ることができます。
例①)To watch movies with English subtitle is good for English learners.
(映画を英語字幕で見ることは英語学習者にとって良いことです。)
To watch【to+動詞の原形】で「見ること」と名詞化されています。
その名詞化されたものが主語として使われています。
例②)To work from home is boring to me.
(私にとって在宅勤務は退屈です。)
To workで「働くこと」と名詞化されています。
「家で働くことは退屈です」と不定詞が主語として使われています。
※文法的には合っていますが、実際は主語として使われることはまれで形式主語のIt is ~toの形で主に使われます。
形式主語とは、不定詞やthat節が主語として使われる場合、itを形式的に主語として置くのですが、そのItのことを指します。
例③)To watch movies with English subtitle is good for English learners.
→It is good for English learners to watch movies with English subtitle.
名詞的用法【補語】
名詞+be動詞+【to+動詞の原形】の形になっているものが、不定詞が補語として使われている文です。
補語とは主語を説明するものです。
「主語は~することです。」の「~すること」にあたります。
例①)Our plan is to visit my parents tomorrow.
(私たちの予定は、明日私の両親を訪れることです。)
Our plan(私たちの予定)はto visit(訪れること)と主語の内容を説明しています。
Our plan=to visitの関係になっています。
例②)My hobby is to take pictures.
(私の趣味は写真を取ることです。)
My hobby=to takeの関係になっています。
ネイティブスピーカーの感覚ですが、趣味に対しては不定詞より動名詞を使う方が好ましいそうです。
しかし、文法的には合っていますし、意味が通じないということはありません。
名詞的用法【目的語】
他動詞の後に【to+動詞の原形】がくる形になります。
他動詞とは動詞が目的語に何かしらの作用を与える動詞のことを言います。
の他動詞に必要な目的語として、不定詞が使われます。
例①)I need to see a doctor because I have stomachache now.
(今お腹が痛いので、医者に会う必要があります。)
Needは他動詞で「~が必要です」という意味になります。その何が必要な部分を目的語to seeで説明しています。
「医者に会うことが必要です。」という訳になります。
余談ですが、英語ではI need to go to hospital「病院に行く必要がある」と言うと、かなりの重病であると認識されます。
なぜなら、例えばアメリカの場合、風邪などの軽度の症状の場合は病院ではなく、ホームドクターに会いに行くのが一般的だからです。
例②)He finds it easy to get over 900 on TOEIC.
(彼はTOEICで900点以上取ることは簡単だと思っている。)
目的語説明型(SVOC)の目的語が不定詞の場合は、形式目的語のitを使って真の目的語を後に続けます。
例文の目的語は、to get over 900 on TOEICの部分になります。
He finds to get over 900 on TOEIC easy.というように目的語を使用することはできません。なので、目的語の箇所にitを置いて、真の目的語を後ろに持ってきます。
×He finds to get over 900 on TOEIC easy. →He finds it easy to get over 900 on TOEIC.
不定詞の形容詞的用法
不定詞が直前の名詞を修飾することがある
不定詞が直前の名詞を修飾することがあります。
これを不定詞の形容詞的用法といいます。
不定詞の形容詞的用法は「~するための」と訳すことを覚えておきましょう。
例)I don`t have a key to unlock this door.
(私はこのドアを開けるカギを持っていません。)
不定詞の直前のkeyを「このドアを開けるための」と修飾しています。
名詞を修飾する不定詞は必ず修飾する名詞の後に置かれます。
3つの修飾のされ方
不定詞に就職される名詞には以下の3種類があります。
これは、細かい文法知識になりますので、3種類あるくらいで覚えて置けば大丈夫です。
学校のテストや文法の細かいことを学びたい方向けに解説していきます。
- 修飾される名詞が不定詞の主語
- 修飾される名詞が不定詞の目的語
- 修飾される名詞が前置詞の目的語
修飾される名詞が不定詞の主語
例①)You should find someone to help you a lot.
(あなたをたくさん助けてくれる人を探すべきです。)
to help youは直前の名詞someoneを修飾しており、「助けてくれる人」と訳すことができます。
そして、someoneはhelpの主語の働きをしています。
someone to help you a lotの部分はsome helps you a lotになるイメージです。
例②)He needs something to make himself happy.
(彼は彼自身を幸せにする何かが必要です。)
to make himself happyは直前の名詞somethingを修飾しており、「幸せにするための何か」と訳すことができます。そして、somethingはmakeの主語の働きをしています。
イメージ化すると、something makes him happyになります。
修飾される名詞が不定詞の目的語
修飾される名詞が不定詞の目的語とは何でしょうか?言い換えると、不定詞(to do)・名詞(something)=To do somethingの関係が成り立つことです。
例①)I have a lot of work to do today.
(今日はやる仕事がたくさんあります。)
修飾される名詞はa lot of workで不定詞はto doになります。
「するための仕事」というように名詞を修飾しています。不定詞・名詞=To do a lot of workの関係になっています。
例②)Would you like something to drink?
(何か飲み物はいかがですか?)
修飾される名詞はsomethingで不定詞はto drinkになります。
「飲むための物」と名詞を修飾しています。こちらも不定詞・名詞=To drink somethingの関係になっています。
修飾される名詞が前置詞の目的語
修飾される名詞が前置詞の目的語とは、文末にくる前置詞と修飾される名詞が組み合わせて使われる関係になっているかということです。
例文でイメージしましょう。
例①)Do you have anything to fix this drawing to the wall with?
(壁にこの絵を固定するための物を何か持っていますか?)
修飾される名詞はanything、不定詞はto fixで名詞に使われる前置詞はwithです。修飾される名詞を前置詞の後に持ってくると、【fix this drawing to the wall with anything.】となります。「何かでこの絵を壁に固定する」と文が成り立っています。
例②)I don`t have money to buy a laptop with.
(私はパソコンを買うためのお金を持っていません。)
修飾される名詞はmoney、不定詞はto buyで名詞に使われる前置詞はwithです。
修飾される名詞を前置詞の後に持ってくると、【buy a laptop with money】となります。「お金でこのパソコンを買う」と文が成り立っています。
不定詞の副詞的用法
今まで不定詞が名詞を説明することを解説してきましたが、名詞以外の語句や文全体を説明するパターンもあります。不定詞が副詞のような働きをし、主に以下の4つの意味を表します。
- 目的
- 結果
- 感情の要因
- 判断の根拠
目的
「~するために」と不定詞が主節の目的の意味になります。
例①)My parents work hard to raise us.
(両親は私たちを育てるために一生懸命働いている。)
My parents work hard(両親が一生懸命働く)の目的がto raise us(私たちを育てるため)となっています。
この不定詞は「~するために」と訳されます。
例②)I am going to go to Canada to study English.
(英語を勉強するためにカナダへ行く予定です。)
I am going to go to Canada(カナダに行く予定です)の目的がto study English(英語を勉強するため)になっています。※To 原形の形だけではなく、in order toやso as toといった形になることもある。
これは、目的の意味を強調するために使われます。なので、意味は同じです。
結果
何かをした結果、どうなったかという結果の意味を表します。
例①)We went to the store to find it closed.
(私たちはその店へ行ったが、閉まっていることが分かった。)
We went to the store(私たちはお店へ行った)ことに対しての結果、to find it closed(閉まっていることが分かった。) となっています。不定詞で主節の結果を表しています。
例②)I got some present for my girlfriend, only to lose money.
(私は彼女のためにプレゼントを買ったが、結局、お金を失っただけだった。)
I got some present for my girlfriend(私は彼女のためにプレゼントを買った)ことに対しての結果、only to lose money(お金を失っただけだった)となっています。
結果を表す不定詞の前にonlyを入れて【,only to do】の形にすると「~、しかし結局~しただけのことだった。」という意味になります。
結果を表す用法の場合は、onlyの前に,(コンマ)を忘れずに入れましょう。
また、目的を表す不定詞と混同しないように注意する必要があります。
×I got some present for my girlfriend to lose money.
(私はお金を失うために、彼女のためにプレゼントを買った。)
感情の要因
感情を表す形容詞(happy, sad, excitedなど)に不定詞が付くと、その感情を持った理由を表すことができます。
日常会話で頻繁に使う表現ですので、ぜひ覚えましょう。
例①)I am glad to hear that.
(それを聞いて嬉しいよ。)
感情を表す形容詞(glad)に不定詞to hearが付いています。
【I am glad】で「私は嬉しいです」になり、【to hear that】で「それを聞いて」という風に理由を表しています。
例②)I am surprised to run into you here.
(ここであなたと出会って驚いています。)
感情を表す形容詞(surprise)に不定詞to run intoが付いています。
【I am surprised】で「私は驚いています」になり、【to run into】で「ばったり出会って」という風に理由を表しています。
判断の根拠
話し手の判断を示す言葉や人物評価を表す言葉と結びついて、不定詞がその判断の理由を表すことができます。
判断を示す言葉は、shouldやmustなど助動詞を使った表現で人物評価を表す言葉はniceやsmartなどの形容詞です。
例①)He should be smart to understand this logic.
(この論理を理解するとは、彼は優秀だろう。)
不定詞(to understand this logic)が、話し手がhe should be smart「彼は優秀だろう」と判断した理由を表しています。
例②)She was really rude to say such a thing to the person.
(あの人にあんなことを言うなんて、彼女は本当に失礼だった。)
不定詞(to say such a thing)が、彼女が失礼な理由を表しています。
人物評価を表す形容詞が判断の根拠を表す不定詞と使われる場合、【It is +形容詞+of+人+不定詞】の形にすることができる。
例②)She was rude to say such a thing to the person.=It was rude of her to say such a thing to the person.
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まとめ
不定詞には名詞的用法・形容詞的用法・副詞的用法の3つの用法があります。
名詞的用法
不定詞【to +動詞の原形】で名詞化することができ、「~すること」と訳されます。
これを名詞的用法といい、3種類の使われ方がある。
- 名詞的用法【主語】
主語として使われる。
例)To watch movies with English subtitle is good for English learners.
(映画を英語字幕で見ることは英語学習者にとって良いことです。) - 名詞的用法【補語】
主語を説明する補語として使われる。
例)Our plan is to visit my parents tomorrow.
(私たちの予定は、明日私の両親を訪れることです。) - 名詞的用法【目的語】
他動詞の目的語として使われる。
例)I need to see a doctor because I have stomachache now.
(今お腹が痛いので、医者に会う必要があります。)
形容詞的用法
不定詞の形容詞的用法とは不定詞が直前の名詞を修飾することです。不定詞の形容詞的用法は「~するための」と訳し、3種類の修飾の仕方があります。
- 修飾される名詞が不定詞の主語
修飾される名詞と不定詞が主語と動詞の関係になっています。
例)You should find someone to help you a lot.
(あなたをたくさん助けてくれる人を探すべきです。) - 修飾される名詞が不定詞の目的語
不定詞(to do)・名詞(something)=To do somethingの関係が成り立つことです。
例)I have a lot of work to do today.
(今日はやる仕事がたくさんあります。) - 修飾される名詞が前置詞の目的語
修飾される名詞が前置詞の目的語とは、文末にくる前置詞と修飾される名詞が組み合わせて使われる関係になっているかということです。
例)Do you have anything to fix this drawing to the wall with?
(壁にこの絵を固定するための物を何か持っていますか?)
副詞的用法
不定詞が副詞のような働きをし、名詞以外の語句や文全体を説明します。主に以下の4つの意味を表します。
- 目的「~するために」と不定詞が主節の目的の意味になります。
例)My parents work hard to raise us.
(両親は私たちを育てるために一生懸命働いている。) - 結果何かをした結果、どうなったかという結果の意味を表します。
例)We went to the store to find it closed.
(私たちはその店へ行ったが、閉まっていることが分かった。) - 感情の要因
感情を表す形容詞に不定詞が付くと、その感情を持った理由を表すことができます。
例)I am glad to hear that.
(それを聞いて嬉しいよ。) - 判断の根拠
話し手の判断を示す言葉や人物評価を表す言葉と結びついて、不定詞がその判断の理由を表すことができます。
例)She was rude to say such a thing to the person.
(あの人にあんなことを言うなんて、彼女は本当に失礼だった。)
人物評価を表す形容詞が判断の根拠を表す不定詞と使われる場合、【It is +形容詞+of+人+不定詞】の形にすることができる。
例)It was rude of her to say such a thing to the person.
いかがだったでしょうか?あなたの不定詞への理解が深まったのではないでしょうか?
以前の私は副詞的用法を一括で「~するために」として覚えていました。
なので、結果・感情の要因・判断の根拠を表す使い方を知りませんでした。
学校では、ざっくり不定詞とは「~すること」「~するための」「~するために」といった形で習うところが多いようです。
あなたは、何か新たな発見はありましたか?
頭で理解したら、文章を書いたり、話したりして、アウトプットをすることを忘れずにしてください。
今回の記事で覚えたことを、友達に説明するのも記憶定着の良い方法です。
不定詞は、範囲が広く本記事でカバーしきれていないことがあります。
次回以降にさらに詳しく解説していきます。