現在形完璧に理解していますか?
現在形を深く理解している人は、2割程度しかいません。
現在形は、英語の授業で序盤に習い、簡単な文法であると考えられています。
では、He sleeps in bedを日本語で訳すとどうなりますか?
「彼はベッドで眠る」と訳せませんか?
この日本語から、今から彼はベッドに向かって、眠るのかな?と考えてしまいませんか?
しかし、実際このHe sleeps in bedの正しい解釈は、「彼は普段ベッドの上で寝ている」です。
つまり、習慣を表します。
このように、英語の現在形と日本語の現在形とは、イメージが少し異なります。
また、現在形なのに未来を表現することもできます。
このように、奥が深い現在形ですが、
コアの意味である「今を中心として、過去から未来への期間に成り立つ行為や状態を表す」をしっかり押さえるだけで、現在形の持つ4つの用法を簡単に理解することができます。
本記事では、現在形の用法について、混ざって考えやすい現在進行形と合わせて解説していきます。
簡単な文法に見えて、意外に正しく使われていません。違いや用法を理解することで、会話に幅を持たせましょう。
現在形=今ではない
現在形は、現在=今と考えがちですが、実はそうではありません。
現在形のコアの意味は、「今を中心として、過去から未来にわたるある程度の期間に成り立つ行為や状態を表す」です。
つまり、現在形は、過去も未来も含まれます。
I love chocolate. (私は、チョコレートが好きだ)という文ですが、突然その瞬間にチョコレートが好きになった訳ではなく、ひと昔前から好きで、未来もチョコレートが好きということが続くということを表しています。
そのため、現在形=今ではありません。
現在形で表せる4つのこと
現在形では、4つのことを表すことができます。
・一般的なこと
・習慣
・状態
・確定した予定
一般的なこと
一般的なこととは、誰もが同じような認識を持っていることです。
例えば、「人は眠る」とか「植物は水を吸収する」などです。
例①)People sleep.
(人は眠る)
例②)Plants absorb water.
(植物は水を吸収する)
習慣
「私は、毎日ランニングする」や「毎朝、私は牛乳を飲む」といった日頃行っている習慣を表します。
例①)I run every day.
(私は、毎日ランニングする)
例②)I drink milk in the morning.
(毎朝、私は牛乳を飲む)
状態
状態を表す動詞は、Be動詞と状態動詞の2種類があります。
状態とは、「彼は疲れている」や「私は、彼女を愛している」などです。
状態動詞とは、loveやknowなど心理や知覚・感覚などを表す動詞です。
例①)He is tired.
(彼は疲れている。)
例②)I love her.
(私は、彼女を愛している)
確定した予定
未来に確定していることを表すことができます。
この用法は、よく案内放送や予定表などで使われます。
なぜ、未来を表すことができるかは、後ほど詳しく解説します。
例①)Our flight departs at noon.
(私たちの飛行機は、正午に出発します。)
例②)The online-English class starts at 9am.
(その英語のオンラインクラスは9時から始まります。)
現在進行形
動作動詞の現在形は、動作の繰り返しを表すもので、今行っていることを表していません。
動作動詞とは、runやeatなどの1回のアクションを表す動詞です。
なので、今行っていることを表すのに現在進行形を使います。
進行中の動作
現在形と現在進行形を比べてみましょう。
例①)He eats fish every day.
(毎日、彼は魚を食べる。)→現在形
例②)He is eating fish now.
(今、彼は魚を食べている。)→現在進行形
例①では、魚を食べるというアクションを毎日行っている意味になります。
習慣を表していることが分かります。
例②では、現在、魚を食べている途中であるという意味になります。
日常的に食べているかは不明であります。
このように、現在進行形は、進行中の動作を表します。
ある期間続けていること
今まさにしている訳ではないが、ある短い期間繰り返している動作を表すことができます。
分かりやすくいうと、最近のブームを述べているようなニュアンスです。
例①)I am studying Chinese these days.
(最近、中国語を勉強している。)
例②)He is eating vegetable this week.
(今週、彼は野菜を食べている。)
例①では、以前は中国語を勉強していなかったが、きっかけがあり、夢中になって勉強している意味合いです。
例②は、普段は野菜を食べないのに、今週は毎日野菜を食べているというニュアンスになります。
では、現在進行していることと、ある期間続けていることをどうやって見分ければよいのと思うかもしれません。
見分け方は、ある期間を表す言葉、最近(these days, lately)などが文章中にあるかどうかです。
普通は進行形にしない動詞
状態を表す状態動詞は、普通は進行形にしません。
なぜなら、現在形の形でその状態が進行していく意味を含んでいるからです。
例)I know him.
(私は、彼を知っている。)
× I am knowing him.
彼を知っているし、未来も彼を知っているという継続のニュアンスが含まれています。
しかし、以下のような場合は例外で進行形にすることができます。
例外で進行形に出来る場合
状態動詞を、動作を意味する動詞として使う場合
例)We are having lunch now.
(今、私たちは昼食を食べています。)
haveは「持つ」という状態を表す動詞ですが、この文中ではhaveを「食べる」という意味で使っています。
そのため、進行形にすることができます。
一時的な状態を表す場合
例)I am being honest.
(正直だよ。)
I am honestだと、私はいつも正直であることを表します。
一時的に正直であることを表す場合は、例のようにbeing+形容詞の形にする。
進行中の変化を表す場合
例①)The car was stopping in front of my house.
(私の家の前で、その車は停止しようとしていた。)→現在進行形
例②)The car stopped in front of my house.
(私の家の前で、その車は停止した。)→過去形
stop という動詞には、動いている状態から止まる状態へ移る“変化”の意味が含まれています。 その変化の途中に注目したいときは、進行形を使います。
現在形で未来を表す
現在形や現在進行形は現在と付いているにも関わらず、未来を表すことがあります。
日常生活でも頻繁に使われるので、ぜひ押さえておきたいところです。
現在形と現在進行形の違いは確信度
現在形と現在進行形で未来を表す場合は、未来に起こる可能性の度合いに違いがあります。
・現在形 100%
・現在進行形 90%
まずは、現在形の例を見ていきましょう。
例①)I leave Tokyo and go back to our headquarter tomorrow.
(明日、東京を離れて、本社に戻ります。)
例②)This concert starts at 1pm.
(このコンサートは、1時に始まります。)
例①は、部下が上司に報告をしている場面をイメージしてください。
飛行機も手配しており、明日のスケジュールもすでに確定しているニュアンスがあります。
例②は、コンサート会場の案内放送をイメージしてください。 コンサートは、1時からスタートすることが決まっており、自分の都合では変わらないニュアンスです。
なぜ、こういった意味合いになるのでしょう。
現在形の持つ性質「現在から未来に渡り、成り立つ行為や変わらない状態を表す」から、話し手の中では、未来のことでも事実扱いできるくらい100%確実だという認識があるからです。
次は、現在進行形を見てみましょう。
例③)I am sending the documents tomorrow.
(明日、その書類を送ります。)
例④)We are visiting the customer tomorrow.
(明日、その顧客を訪問します。)
例③は、書類を作成しており、明日には書類の準備が終わり、送ることができるというニュアンスです。
例④では、顧客訪問する準備と心構えが出来ているイメージです。
現在進行形で未来を表せる理由としては、現在進行して行っていることが、未来へつながっているイメージがあるからです。
その未来の予定に向けて、あれこれしている感じです。
現在形ほど、確実性は高くない。
しかし、現在進行形で表す未来の確実性も、ほぼ100%に近い。
まとめ
現在形
現在形=今ではありません。
今を中心として、過去から未来にわたるある程度の期間に成り立つ行為や状態を表します。
そんな現在形ですが、4つの用法があります。
- 一般的なこと→一般的な事実や真理を表します。
- 習慣→日頃行っている習慣を表します。
- 状態→状態を表す動詞は、Be動詞と状態動詞の2種類があります。
- 確定した予定→未来に確定していることを表すことができます。
現在進行形
現在進行中の動作とある期間続けていることを表します。
- 現在進行中の動作
- ある期間続けていること
- 普段は、進行形に出来ない動詞にも例外がある
→状態動詞を、動作を意味する動詞として使う場合
→一時的な状態を表す場合
→進行中の変化を表す場合
現在形と現在進行形で未来を表す
現在形で100%の確信度がある予定などを表すことができます。
また、現在進行形でも未来のことを表せます。(現在進行して行っていることが、未来へつながっているイメージ)
現在形と現在進行形で未来を表す場合は、未来に起こる可能性の度合いに違いがあります。
現在形 100%、現在進行形 90%といったイメージです。