「何かを作る」と言いたいとき、makeとcreateのどちらを使うべきか迷ったことはありませんか?
実はcreateは単なる「作る」ではなく、「無から有を生み出す」「新しい価値を創造する」というニュアンスを持つ重要動詞です。
TOEICのPart 5やPart 7で頻繁に登場し、ビジネス文書でも”create opportunities”(機会を創出する)、”create value”(価値を創造する)といった形で必須の表現となっています。
この記事では、createの正しい発音から文型、コロケーション、よくある間違いまで、初心者から上級者まで役立つ情報を網羅的に解説します。
createのコアイメージ
createの語源はラテン語の”creare”(生み出す、成長させる)に由来します。
コアイメージは「何もない状態から新しいものを生み出す創造的プロセス」です。
単なる物理的な製作ではなく、独創性や創造性を伴う行為を指すのが特徴です。
createの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
単語 | create |
発音 | /kriˈeɪt/(クリエイト) |
品詞 | 動詞 |
動詞の場合(活用・変化)
項目 | 形 | 発音(IPA+カタカナ) |
---|---|---|
原形 | create | /kriˈeɪt/(クリエイト) |
三人称単数現在形 | creates | /kriˈeɪts/(クリエイツ) |
過去形 | created | /kriˈeɪtɪd/(クリエイティド) |
過去分詞形 | created | /kriˈeɪtɪd/(クリエイティド) |
現在分詞形 | creating | /kriˈeɪtɪŋ/(クリエイティング) |
発音・アクセントの注意
createの発音で最も重要なのは、第2音節の「ei」にアクセントを置くことです。
/kriˈeɪt/のように、「エイ」の部分を強く長めに発音します。
日本人学習者は「クリエート」と平坦に読みがちですが、「クリエイト」と強調すると自然です。
また、-ateで終わる動詞は、形容詞や名詞になると発音が変わる場合があるので注意が必要です(例:create /kriˈeɪt/ → creative /kriˈeɪtɪv/)。
createの意味とニュアンス
新しいものを創造する・生み出す
最も基本的な意味で、芸術作品、アイデア、システムなど「無から有を生み出す」場合に使います。
makeよりも独創性や創造性を強調するニュアンスがあります。
The artist created a masterpiece that shocked the world.
その芸術家は世界を驚かせる傑作を創造した。
Scientists have created a new material stronger than steel.
科学者たちは鋼鉄よりも強い新素材を生み出した。
原因・状況を引き起こす
ある状況や問題を「引き起こす」「作り出す」という意味でも使われます。
この用法では、意図的でない結果を生む場合もあります。
The policy created confusion among employees.
その方針は従業員の間に混乱を引き起こした。
His absence created an opportunity for others to step up.
彼の不在は他者が活躍する機会を生み出した。
役職・地位を新設する
組織内で新しい役職や部門を「設置する」「創設する」という意味です。
ビジネス文書や公式発表でよく見られます。
The company created a new position for digital marketing.
その会社はデジタルマーケティングのための新しい役職を創設した。
They created a task force to address the crisis.
彼らは危機に対処するためのタスクフォースを設置した。
印象・イメージを作り上げる
特定の印象やイメージを「作り出す」「醸し出す」という意味でも使います。
デザインやブランディングの文脈で頻出です。
The interior design creates a warm, welcoming atmosphere.
その内装デザインは温かく歓迎的な雰囲気を作り出している。
Her speech created a positive impression on the audience.
彼女のスピーチは聴衆に好印象を与えた。
createの使い方
create + 名詞(目的語)
最も基本的な文型で、何を創造するかを直接目的語で示します。
フォーマル度は中程度で、ビジネスから学術まで幅広く使えます。
誤用例:create + 人(×)→ 人を目的語に取ることはできません。
We need to create innovative solutions for climate change.
私たちは気候変動のための革新的な解決策を創出する必要がある。
The chef created a unique fusion of Japanese and French cuisine.
そのシェフは和仏料理のユニークな融合を創造した。
create + for + 人/目的
「誰のために」「何のために」創造するかを示す文型です。
ビジネス提案やプロジェクト説明でよく使われます。
注意点:create to someone(×)は誤りです。
The program was created for underprivileged children.
そのプログラムは恵まれない子供たちのために創設された。
We create value for our shareholders through innovation.
私たちはイノベーションを通じて株主に価値を創造します。
be created (受動態)
「創造される」「設立される」という受動態の形です。
歴史的事実や組織の成立を説明する際に頻出します。
TOEICのPart 7でよく見られる表現です。
This company was created in 1995 by two university students.
この会社は1995年に2人の大学生によって創設された。
A special committee was created to investigate the matter.
その問題を調査するための特別委員会が設置された。
create + the opportunity/possibility to do
「〜する機会/可能性を創出する」という文型です。
ビジネスプレゼンや提案書で効果的な表現です。
フォーマル度が高く、説得力を持たせたい場面で有効です。
This partnership creates the opportunity to expand into new markets.
この提携は新市場へ拡大する機会を創出する。
Technology has created the possibility to work from anywhere.
テクノロジーはどこからでも働ける可能性を生み出した。
createの句動詞まとめ
createには主要な句動詞はほとんど存在しません。
動詞そのものが完結した意味を持つため、前置詞や副詞を伴う句動詞の形はあまり発達していません。
代わりに、”create out of”(〜から作り出す)や”create from”(〜から創造する)といった前置詞句との組み合わせが使われます。
She created a beautiful sculpture out of recycled materials.
彼女はリサイクル素材から美しい彫刻を創り出した。
The artist creates abstract paintings from natural landscapes.
その芸術家は自然風景から抽象画を創造する。
createのコロケーション
コロケーション | 意味・使い方の補足 |
---|---|
create value | 価値を創造する(ビジネスで頻出) |
create opportunities | 機会を創出する |
create jobs | 雇用を創出する |
create awareness | 認知度を高める・意識を喚起する |
create an account | アカウントを作成する(IT用語) |
create an impression | 印象を与える |
create a strategy | 戦略を立てる |
createを使った例文(シーン別)
試験でよく出る例文
The government’s new policy created thousands of jobs.
政府の新政策は数千の雇用を創出した。
This software was created to simplify business operations.
このソフトウェアはビジネス運営を簡素化するために開発された。
They are creating a plan to reduce carbon emissions.
彼らは炭素排出削減のための計画を策定している。
日常会話で使う例文
I’m trying to create a healthy work-life balance.
私は健全なワークライフバランスを作ろうとしている。
Can you help me create a playlist for the party?
パーティー用のプレイリストを作るの手伝ってくれる?
His joke created an awkward silence in the room.
彼のジョークは部屋に気まずい沈黙を生み出した。
ビジネス文書・メールで使う例文
We aim to create sustainable value for all stakeholders.
私たちは全てのステークホルダーに持続可能な価値を創造することを目指します。
Please create an account to access our premium services.
プレミアムサービスにアクセスするにはアカウントを作成してください。
The merger will create significant synergies between both companies.
その合併は両社間に大きなシナジーを生み出すでしょう。
createの類義語・関連語
単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
---|---|---|
make | 動詞 | より一般的な「作る」。物理的な制作にも使える |
generate | 動詞 | 「生成する」。エネルギーや利益など数値的なものに使う |
produce | 動詞 | 「生産する」。大量生産や結果を出すニュアンス |
establish | 動詞 | 「設立する」。組織や制度を確立する |
develop | 動詞 | 「開発する」。段階的に作り上げるプロセスを強調 |
invent | 動詞 | 「発明する」。全く新しいものを考案する |
build | 動詞 | 「構築する」。物理的・抽象的な建設を表す |
「create」と似たニュアンスを持つmakeの意味と使い方や、生産・提供場面でよく登場するproduceの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
create vs make
create は独創性や新しい価値を生み出すときに使われます。
一方、make は日常的・物理的な「作る」動作全般に使われます。
- ✅ create a masterpiece(傑作を創造する)
- ✅ make dinner(夕食を作る)
create vs generate
create は人の意図や創造性を伴う「意図的な創造活動」。
generate は「自動的・機械的に発生させる」ニュアンスがあります。
- ✅ create a business plan(ビジネス計画を立てる)
- ✅ generate revenue(収益を生み出す)
create vs produce
create は「無から有を生み出す」創造的なニュアンス。
produce は「既存のリソースから何かを生み出す」生産的な意味合いが強いです。
- ✅ create a new concept(新しい概念を生み出す)
- ✅ produce goods(商品を生産する)
試験・ビジネス頻出度
TOEIC
createはTOEICで非常に頻出する重要動詞です。
Part 5では動詞の形(create/creates/created/creating)を選ぶ問題や、類義語との使い分け(create vs. make vs. produce)を問う問題が出題されます。
Part 7では、ビジネス文書、プレスリリース、社内メモなどで”create opportunities”(機会を創出する)、”create value”(価値を創造する)、”create jobs”(雇用を創出する)といったコロケーションが頻繁に登場します。
特に企業の新製品発表、組織変更、雇用創出などの文脈で使われます。
英検
英検では準2級レベルから出題され、2級以上では受動態”was created”を使った会社設立年や製品開発時期を説明する文章がよく見られます。
ビジネス英語
ビジネスメールでは、”Please create an account”(アカウントを作成してください)のようなIT関連の指示や、”We create value for our customers”(私たちは顧客に価値を創造します)のような企業理念の表現で必須です。
契約書では”created by”(〜によって創設された)、”date created”(作成日)などの表現が定型句として使われます。
ネイティブがよく使う自然な表現
会話での表現
Let’s create some memories tonight!
今夜は思い出を作ろう!
You’re creating unnecessary drama.
あなたは不要なドラマを作り出している。
ビジネスメールでの表現
We’re excited to create this partnership with your team.
貴チームとのパートナーシップ構築を楽しみにしております。
This initiative will create lasting impact in our community.
この取り組みは私たちのコミュニティに永続的な影響を生み出すでしょう。
プレゼンテーションでの表現
Our goal is to create a seamless customer experience.
私たちの目標はシームレスな顧客体験を創造することです。
Together, we can create positive change.
共に、私たちはポジティブな変化を創り出せます。
createのよくある間違い
❌ I created lunch for my family.
✅ I made lunch for my family.
解説:日常的な料理にはmakeを使います。
createは創造性を伴う場合に使うため、単なる食事の準備には不適切です。
❌ This company creates since 1990.
✅ This company was created in 1990. / This company has been creating products since 1990.
解説:createは状態動詞ではないため、sinceと単純現在形では使えません。
受動態で設立時を示すか、現在完了進行形で継続的な創造活動を表します。
❌ Please create to me a new password.
✅ Please create a new password for me.
解説:createの後には直接目的語が来て、間接目的語は”for”で導きます。
“create to someone”という形は文法的に誤りです。
createの理解度チェック
穴埋め問題(5問)
- The artist ______ a stunning sculpture from recycled materials.
その芸術家はリサイクル素材から見事な彫刻を創造した。 - This new policy will ______ more job opportunities in rural areas.
この新政策は地方でより多くの雇用機会を創出するでしょう。 - The company was ______ in 1985 by two engineers.
その会社は1985年に2人の技術者によって創設された。 - We need to ______ a strategy to increase market share.
私たちは市場シェアを拡大するための戦略を立てる必要がある。 - Social media has ______ new ways for people to connect.
ソーシャルメディアは人々がつながる新しい方法を生み出した。
選択肢問題(5問)
- The merger will ______ significant value for shareholders.
その合併は株主に大きな価値を創造するでしょう。
a) create / b) make / c) do - Please ______ an account to access premium features.
プレミアム機能にアクセスするにはアカウントを作成してください。
a) make / b) create / c) build - His speech ______ a lot of controversy among the audience.
彼のスピーチは聴衆の間で多くの論争を引き起こした。
a) created / b) made / c) did - The designer is ______ a new logo for our brand.
そのデザイナーは私たちのブランドのための新しいロゴを制作している。
a) doing / b) making / c) creating - This technology ______ the possibility to work remotely.
このテクノロジーはリモートで働ける可能性を生み出す。
a) creates / b) makes / c) does
解答まとめ
穴埋め問題:
- created 2) create 3) created 4) create 5) created
選択肢問題:
- a 2) b 3) a 4) c 5) a
createのコーパス実例
ビジネススピーチ:TED Talk
Innovation doesn’t just happen—we must actively create the conditions that allow it to flourish in our organizations.イノベーションは自然に起こるものではありません。
私たちは組織内でそれが繁栄できる条件を積極的に創り出さなければなりません。
解説: TED Talkスタイルのスピーチで、createを使って能動的な創造活動の重要性を強調しています。
“create the conditions”は「条件を整える」という定型表現です。
新聞記事:The New York Times
The new legislation is expected to create over 50,000 jobs in the renewable energy sector within the next five years.新しい法律は今後5年以内に再生可能エネルギー部門で5万以上の雇用を創出すると予想されています。
解説: 政策と雇用創出を結びつける典型的な新聞記事の表現です。
“create jobs”は経済・政治記事で最頻出のコロケーションです。
学術論文:Nature
The research team successfully created a synthetic compound that mimics the properties of natural spider silk.
研究チームは天然のクモの糸の特性を模倣する合成化合物の創造に成功した。
解説: 科学論文では、新しい物質や発見を表現する際にcreateが頻繁に使われます。
ここでは受動態ではなく能動態で、研究者の主体的な創造活動を強調しています。
createに関するよくある質問
createは「新しく創造する」という独創性や創造性を伴うニュアンスがあり、芸術作品、アイデア、システムなど「無から有を生み出す」場合に使います。
一方、makeはより一般的で日常的な「作る」という意味で、料理を作る、予約を取るなど物理的な制作や手配にも使えます。
例えば、”create a masterpiece”(傑作を創造する)は芸術的な創作を指しますが、”make dinner”(夕食を作る)は日常的な調理を指します。
ビジネスでは「create value(価値を創造する)」のように、新しい価値を生み出す文脈でcreateを使うのが適切です。
ビジネスメールでcreateを使う際は、「create value(価値を創造する)」「create opportunities(機会を創出する)」「create a plan(計画を立てる)」などのコロケーションを意識すると自然です。
特に提案書や企画書では、createを使うことで前向きで創造的な印象を与えられます。
ただし、単純な書類作成には”create a report”よりも”prepare a report”の方が適切な場合もあります。
また、”Please create an account”(アカウントを作成してください)のようなIT関連の指示では非常に一般的です。
フォーマル度は中程度で、カジュアルすぎず硬すぎない場面で幅広く使えます。
「アカウントを作成する」は英語で”create an account”と言います。
これはIT・ウェブサービスの分野で最も一般的な表現で、ウェブサイトやアプリへの新規登録を指します。
例:”Please create an account to continue”(続けるにはアカウントを作成してください)。
類似表現として”set up an account”(アカウントを設定する)や”register an account”(アカウントを登録する)もありますが、”create an account”が最も頻繁に使われます。
ビジネスソフトウェアやSNSのサインアップページでは必ずと言っていいほど見かける表現です。
createは「創造する、生み出す」で独創性や意図的な創造活動を強調し、芸術作品、アイデア、システムなど幅広く使えます。
一方、generateは「生成する、発生させる」でエネルギー、利益、データなど数値化できるものや、自動的・機械的に発生するものに使われることが多いです。
例えば、”create a business plan”(ビジネスプランを創造する)は意図的な創造活動ですが、”generate revenue”(収益を生み出す)は結果として発生する収益を指します。
“generate electricity”(電気を発生させる)のように、物理的・化学的プロセスで生じるものにはgenerateが適切です。
TOEICでcreateは主にPart 5(短文穴埋め問題)とPart 7(読解問題)で頻出します。
Part 5では動詞の形(create/creates/created/creating)を選ぶ問題や、類義語との使い分け(create vs. make vs. produce)を問う問題が出ます。
Part 7ではビジネス文書、プレスリリース、社内メモなどで「create opportunities」「create value」「create jobs」といったコロケーションが登場します。
特に企業の新製品発表、組織変更、雇用創出などの文脈で使われます。
受動態の”was created”も頻出で、会社の設立年や製品の開発時期を説明する文章でよく見られます。
スコア600点以上を目指すなら必ず押さえておきたい重要単語です。
「創造的な」は英語で”creative”と言います。
createの形容詞形で、人や作品、アイデアなどが独創性や創造性を持っている様子を表します。
例:”She is a creative designer”(彼女は創造的なデザイナーだ)、”We need creative solutions”(創造的な解決策が必要だ)。
関連語として、”creativity”(創造性・名詞)、”creatively”(創造的に・副詞)、”creator”(創造者・名詞)、”creation”(創造物・名詞)などがあります。
ビジネスシーンでは「creative thinking(創造的思考)」「creative industry(クリエイティブ産業)」などの表現も一般的です。
TOEICや英検でもこれらの派生語は頻出するので、合わせて覚えておくと効果的です。
最も多い間違いは、日常的な物理的作業にcreateを使ってしまうことです。
例えば、”create lunch”は不自然で、正しくは”make lunch”です。
createは創造性や独創性を伴う場合に使います。
また、「問題を作る」も”create a problem”は「問題を引き起こす」という意味になるため、試験問題を作る場合は”make a test”の方が適切です。
さらに、状態を表す用法では使えないため、”The company creates since 1990″は誤りで、”The company was created in 1990″または”The company has been creating products since 1990″が正しい表現です。
前置詞の使い方も注意が必要で、”create for someone”(誰かのために創造する)は正しいですが、”create to someone”は誤りです。
まとめ
- コアイメージは「何もない状態から新しいものを生み出す創造的プロセス」
- よく使う文型はcreate + 名詞、create + for + 人/目的、be created(受動態)など
- 試験頻出度は高め(TOEIC Part 5・7、英検準2級以上)
- ビジネス文書での頻度は高め(特にcreate value, create opportunitiesなど)
- makeとの違いを理解することが重要(createは創造性、makeは実用性)
- 句動詞はほとんど存在しないが、前置詞句との組み合わせは頻出
- 日常的な物理的作業には使わず、創造性を伴う場合に使う
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、createの使い方が自然に身につきます。
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