英語学習者なら誰もが一度は目にする単語「increase」。
TOEICや英検などの試験ではもちろん、ビジネスメールやニュース記事でも頻出の超重要動詞です。
「増加する」「増やす」という基本的な意味だけでなく、「by」や「to」との使い分け、名詞としての使い方、そして似た単語「raise」「rise」「grow」との違いを正確に理解しておくことが重要です。
この記事では、英語初心者〜中級者にも分かりやすく、実例・文型・コロケーションまで体系的に解説します。
英語の基礎力を底上げし、試験にも強くなりたい方に最適な内容です。
increaseのコアイメージ
increaseの語源はラテン語「increscere」(内側で育つ)に由来します。
コアイメージは「数量・程度が徐々に大きくなる」。
この「徐々に」というニュアンスが重要で、急激な変化ではなく、時間をかけて伸びていく感覚を含みます。
数量・割合・価格・人口など、客観的に測定できるものによく使われます。
increaseの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
単語 | increase |
発音 | /ɪnˈkriːs/(インクリース) |
品詞 | 動詞・名詞 |
項目 | 形 | 発音(IPA+カタカナ) |
---|---|---|
原形 | increase | /ɪnˈkriːs/(インクリース) |
三人称単数現在形 | increases | /ɪnˈkriːsɪz/(インクリースィズ) |
過去形 | increased | /ɪnˈkriːst/(インクリースト) |
過去分詞形 | increased | /ɪnˈkriːst/(インクリースト) |
現在分詞形 | increasing | /ɪnˈkriːsɪŋ/(インクリースィング) |
※名詞の場合は発音が /ˈɪnkriːs/(第1音節強勢)になります。
動詞とはアクセント位置が異なる点に注意しましょう。
発音・アクセントの注意
increaseの動詞形は /ɪnˈkriːs/(インクリース)で、第2音節「crease」にアクセントがあります。
一方、名詞形は /ˈɪnkriːs/(インクリース)で、第1音節にアクセントが置かれます。
この違いはTOEICリスニングや英検リスニングで頻出です。
特にリエゾンが起きる場合、「to increase it」は「トゥインクリースィット」と滑らかに発音されます。
また、弱形では /ɪnkrɪs/ に近く発音されることもあります。
三人称単数現在形 increases は /ɪnˈkriːsɪz/ と発音し、語尾の -es は /ɪz/ と濁ります。
過去形・過去分詞形 increased は /ɪnˈkriːst/ で、語尾の -ed は /t/ と無声音になります。
現在分詞形 increasing は /ɪnˈkriːsɪŋ/ で、「インクリースィング」のように発音します。
increaseの意味とニュアンス
increaseは「数・量・程度などが増える」「〜を増やす」という意味を持ち、自動詞・他動詞の両方で使用できます。
「成長する」「発展する」といったポジティブな変化を表す場面でよく使われます。
数や量が増える(自動詞)
increaseが自動詞として使われる場合、主語自体が変化の主体になります。
この場合、「〜が増える」という意味になります。
売上、人口、価格、需要など、測定可能なものが自然に、あるいは何らかの要因によって増える状況を表します。
客観的な数値変化を示すため、ビジネスレポートや経済ニュースで頻繁に使われます。
Sales increased by 15% last quarter.
売上は前四半期に15%増加した。
The population has increased rapidly.
人口が急速に増加した。
Energy consumption is increasing every year.
エネルギー消費量は毎年増えている。
The temperature increased slightly in the afternoon.
午後には気温がわずかに上昇した。
数や量を増やす(他動詞)
increaseが他動詞として使われる場合、「〜を増やす」「〜を拡大する」という意味になります。
対象物(目的語)を直接取る点が特徴です。
企業が生産量を増やす、政府が予算を増額する、個人が努力を強化するなど、主体的な行動を表します。
ビジネス文書やプレゼンテーションで「改善・拡大の計画」を述べる際によく使われます。
We need to increase our efforts.
努力を強化する必要がある。
The company plans to increase production capacity.
その会社は生産能力を拡大する計画だ。
They increased the price of the product.
彼らは商品の価格を上げた。
We should increase our marketing budget next year.
来年はマーケティング予算を増やすべきだ。
increaseの使い方
increaseは非常に汎用性の高い動詞で、主に「by」「to」「in」などと共に使われます。
以下では代表的な文型を整理します。
increase by + 数値・割合
「どれだけ増えたか」を表すときに使います。
byの後には数値・割合・増加分が続きます。
TOEICでは最も頻出の使い方です。
「by」の代わりに「to」を使うと意味が変わるため、混同しないよう注意が必要です。
「by 20%」は「20%分増えた」、「to 20%」は「20%に達した」という違いです。
Profits increased by $2 million this year.
利益は今年200万ドル増加した。
The number of users increased by 30%.
ユーザー数は30%増加した。
Production costs increased by 15% due to rising material prices.
原材料価格の上昇により、生産コストが15%増加した。
Our market share increased by 5 percentage points.
当社の市場シェアは5ポイント増加した。
increase to + 数値・到達点
「最終的にいくつになったか」を表します。
目的地・到達点のイメージです。
増加の結果としての具体的な数値を伝える際に使い、ビジネス報告やニュース記事で頻出です。
「from A to B」の形で「AからBに増えた」という変化の幅を示すこともできます。
The population increased to 10 million.
人口は1,000万人に増えた。
Sales increased to $5 million last year.
売上は昨年500万ドルに達した。
The workforce increased to 500 employees.
従業員数は500人に増えた。
Interest rates increased to 5% last quarter.
金利は前四半期に5%に上昇した。
increase in + 名詞(名詞的用法)
名詞のincreaseとともに使い、「〜の増加」を意味します。
「an increase in sales」「a sharp increase in demand」のように、何が増加したのかを明確にします。
文書やレポートの見出し、要約文でよく見られる表現です。
形容詞(significant、sharp、gradualなど)を加えて増加の程度を修飾することが多いです。
There was a sharp increase in demand.
需要が急激に増加した。
We saw an increase in customer satisfaction.
顧客満足度の上昇が見られた。
The report shows a gradual increase in average temperature.
報告書は平均気温の緩やかな上昇を示している。
A substantial increase in revenue is expected next year.
来年は収益の大幅な増加が見込まれている。
increase + 副詞
副詞を伴うことで、増加の速度、程度、様子を詳しく表現できます。
rapidly(急速に)、significantly(著しく)、steadily(着実に)、dramatically(劇的に)、slightly(わずかに)などがよく使われます。
ニュアンスを正確に伝えたい場合や、文章に変化を持たせたい場合に効果的です。
副詞の選択によって文章の印象が大きく変わるため、状況に応じて使い分けましょう。
Unemployment rates increased sharply during the recession.
不況期に失業率が急激に上昇した。
The company’s stock price increased dramatically after the announcement.
発表後、同社の株価が劇的に上昇した。
Energy consumption has increased gradually over the years.
エネルギー消費量は年々徐々に増加している。
Website traffic increased substantially after the marketing campaign.
マーケティングキャンペーン後、ウェブサイトのトラフィックが大幅に増加した。
increaseの句動詞
increaseには主要な句動詞はほとんど存在しません。
これは、increase自体が完結した意味を持ち、前置詞や副詞を加えなくても十分に機能するためです。
ただし、「increase up」という表現が口語で稀に使われることがあります。
これは「さらに増やす・積み上げる」というニュアンスを強調する非標準的な表現ですが、正式な文書やビジネスシーンでは推奨されません。
標準的な英語では単に「increase」を使うのが適切です。
代わりに、increaseは「by」「to」「in」などの前置詞と組み合わせて使うことで、多様な意味を表現します。
これらの組み合わせについては「increaseの使い方」のセクションで詳しく解説しています。
increaseのコロケーション
コロケーション | 意味・使い方の補足 |
---|---|
increase sales | 売上を増やす(ビジネスで頻出) |
increase productivity | 生産性を向上させる |
increase awareness | 認識・意識を高める |
increase revenue | 収益を増やす |
increase efficiency | 効率を向上させる |
increase capacity | 容量・収容力を増やす |
increase demand | 需要を増やす |
increase prices | 価格を上げる |
コロケーションを覚えると、自然な英語表現が身につきます。
特に「increase sales」「increase awareness」などはビジネス英語で非常によく使われます。
increaseを使った例文(シーン別)
ここでは、上で紹介したコロケーションを実際の文章に落とし込み、試験・日常会話・ビジネス文書の3つのシーンで使い方を確認します。
試験でよく出る例文
The company increased its workforce by 50 employees.
その会社は従業員を50人増やした。
Air pollution has increased significantly in urban areas.
都市部では大気汚染が著しく増加している。
The government plans to increase taxes next year.
政府は来年増税する計画だ。
日常会話で使う例文
The rent has increased again this year.
家賃が今年もまた上がった。
My stress level increases when I’m busy.
忙しいとストレスレベルが上がる。
He’s trying to increase his English vocabulary.
彼は英語の語彙力を増やそうとしている。
ビジネス文書・メールで使う例文
We aim to increase productivity through automation.
自動化によって生産性を向上させることを目指しています。
Our company has increased its market share.
当社は市場シェアを拡大しました。
Please increase the order quantity by 10%.
注文数量を10%増やしてください。
increaseの類義語・関連語
単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
---|---|---|
raise | 動詞 | 意図的に上げる・引き上げる(他動詞のみ) |
rise | 動詞 | 自然に上がる・上昇する(自動詞のみ) |
grow | 動詞 | 成長する・育つ(自然な増加) |
expand | 動詞 | 拡大する・広げる(範囲や規模) |
boost | 動詞 | 急激に押し上げる・活性化させる |
enhance | 動詞 | 質を高める・向上させる |
multiply | 動詞 | 倍増する・何倍にもなる |
「increase」と似た意味を持つraiseの意味と使い方や、自然な成長を表すgrowの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
increase vs raise
increaseは自動詞・他動詞両方に使える一方、raiseは他動詞のみです。
「Sales increased.(売上が増えた)」は自然ですが、「Sales raised.」は誤りです。
「raise」は「誰かが意図的に上げる」行為を表し、「raise prices(価格を上げる)」などに使われます。
increaseは客観的な数値の増加を表し、「Sales increased(売上が増えた)」のように主語自体が増える場合に使います。
給料に関しては「raise salary」が圧倒的に自然で、「increase salary」も間違いではありませんがやや不自然です。
価格については両方使えますが、「raise prices」は意図的な値上げ、「prices increased」は市場要因による上昇というニュアンスの違いがあります。
increase vs rise
riseは自動詞専用で、「自然に上昇する」ことを意味します。
increaseはより数量的で、ビジネス文脈に適しています。
increaseは自動詞・他動詞の両方で使える万能型、riseは自動詞のみという違いがあります。
意味的にはほぼ同じですが、riseは「上方向への移動」というイメージが強く、太陽が昇る、煙が立ち上る、地位が上がるなど、物理的・抽象的な上昇に使われます。
例:
The temperature rose suddenly.(気温が急に上がった)
The temperature increased gradually.(気温が徐々に上がった)
「The sun rises(太陽が昇る)」とは言いますが「The sun increases」とは言いません。
逆に「Sales increased by 20%」とは言いますが、「Sales rose by 20%」も可能です。
ビジネス文脈では両方使えますが、increaseの方がフォーマルで正確な印象を与えます。
試験・ビジネス頻出度
TOEIC
increaseはTOEIC・英検ともに頻出度が非常に高い単語です。
TOEICでは「by」「to」「in」の前置詞の使い分けが問われる文法問題や、メール・報告文の文脈でよく登場します。
特にTOEICでは全パートで出題されます。
Part 5の文法問題では「increase by」と「increase to」の使い分け、動詞形の選択(increased/increasing/to increase)が頻繁に問われます。
Part 6、Part 7の長文では、ビジネスレポート、経済記事、社内メモなどでincreaseを含む文章が必ず登場します。
リスニングのPart 3、Part 4では、売上報告や業績発表の場面で「sales increased」「increase production」などの表現が頻出します。
英検
英検では準2級以上で本格的に出題され、2級・準1級のライティングでは「増加・向上」を表現する際の必須語彙です。
特に「increase awareness(意識を高める)」「increase efficiency(効率を上げる)」などのコロケーションを使えると得点が上がります。
ビジネス英語
ビジネスシーンでは、報告書、プレゼンテーション、メール、会議資料のすべてで最重要動詞の一つです。
「We need to increase sales by 15%(売上を15%増やす必要がある)」「There was a significant increase in demand(需要が大幅に増加した)」のような表現は日常的に使われます。
契約文では「increase in price(価格上昇)」「right to increase fees(料金を引き上げる権利)」などの定型句が頻出します。
特にビジネスメールでは、具体的な数値と共に使うことで説得力が増します。
「We aim to increase customer satisfaction through improved service(サービス向上により顧客満足度を高めることを目指します)」のように、目標と手段をセットで示すのが効果的です。
ネイティブがよく使う自然な表現
ネイティブスピーカーは、文脈に応じてincreaseを柔軟に使い分けます。
ここでは会話・メール・報告書など、実際のコミュニケーションでよく使われる自然な表現を紹介します。
We’re seeing a steady increase in demand for our products.
当社製品の需要が着実に伸びているのが見えています。
Let’s increase our efforts to meet the deadline.
締め切りに間に合うよう努力を強化しましょう。
There’s been a dramatic increase in online sales this month.
今月はオンライン販売が劇的に増加しました。
We should increase our budget allocation for marketing.
マーケティングへの予算配分を増やすべきです。
Customer complaints have increased slightly, so we need to address this.
顧客からのクレームがわずかに増えているので、対処する必要があります。
The recent policy change led to a sharp increase in applications.
最近の方針変更により、応募が急増しました。
increaseのよくある間違い
increaseを使う際によく見られる誤用パターンと、その訂正方法を確認しましょう。
❌ The price was increased to 20%.
✅ The price increased by 20%.
解説:「to」は到達点を、「by」は増加率を表します。
20%は増加率なので「by」を使います。
「increased to $120(120ドルに値上がりした)」なら正しいです。
また、「was increased to 20%」という受動態も文法的に誤りです。
❌ Sales are increasing to 15% every month.
✅ Sales are increasing by 15% every month.
解説:毎月15%というのは増加率なので「by」が正しいです。
「to」を使うと「15%に到達する」という意味になり、文脈に合いません。
継続的な増加率を示す場合は常に「by」を使います。
❌ We need to increase up our production.
✅ We need to increase our production.
解説:increaseは完結した動詞なので、「up」は不要です。
「increase up」は非標準的な口語表現で、正式な文書では使いません。
シンプルに「increase」だけで「増やす」という意味を完全に表現できます。
increaseの理解度チェック
穴埋め問題(5問)
1. Sales ______ by 25% in the last quarter.
(売上は前四半期に25%増加した)
2. The company plans to ______ its production capacity.
(その会社は生産能力を拡大する計画だ)
3. There has been a significant ______ in customer complaints.
(顧客からのクレームが大幅に増加した)
4. We need to ______ our marketing budget by $50,000.
(マーケティング予算を5万ドル増やす必要がある)
5. The price ______ to $100 per unit last month.
(価格は先月1個あたり100ドルに上昇した)
選択肢問題(5問)
1. The population has ______ dramatically over the past 20 years.
(人口は過去20年間で劇的に増加した)
a) increased
b) increased to
c) increased of
2. We aim to ______ customer satisfaction through better service.
(より良いサービスを通じて顧客満足度を高めることを目指している)
a) increase
b) rise
c) raise
3. Profits ______ $3 million this year.
(利益は今年300万ドル増加した)
a) increased by
b) increased
c) increased at
4. There was a sharp ______ in oil prices.
(原油価格が急騰した)
a) increasing
b) increase
c) increased
5. The company ______ its workforce significantly.
(その会社は従業員数を大幅に増やした)
a) increased
b) rose
c) grew
解答まとめ
穴埋め問題:
1) increased
2) increase
3) increase
4) increase
5) increased
選択肢問題:
1) a
2) a
3) a
4) b
5) a
increaseのコーパス実例
新聞記事:The New York Times
Global oil prices increased sharply following the announcement of production cuts by major oil-producing nations.
主要産油国による減産発表を受けて、世界の原油価格が急騰した。
解説:
経済ニュースでのincreaseの典型的な使用例です。
「increased sharply」は価格変動を表す定型表現で、「following」で原因を示す構造もニュース記事の標準パターンです。
ビジネス英語やTOEICでも頻出の文型です。
学術論文:Nature
The study revealed that greenhouse gas emissions have increased by 40% since pre-industrial times, contributing significantly to global climate change.
この研究により、温室効果ガス排出量が産業革命以前と比べて40%増加し、地球温暖化に大きく寄与していることが明らかになった。
解説:
学術論文では「increase by + 具体的数値」の形で客観的なデータを示します。
「since」で基準時点を、「contributing to」で結果を示す構造は、科学論文の典型的な書き方です。
現在完了形との組み合わせも学術的文章の特徴です。
ビジネススピーチ:TED Talk
We’ve seen our user base increase from 10,000 to over 1 million in just two years, proving that people are hungry for authentic connections.
わずか2年でユーザーベースが1万人から100万人以上に増加したことを目の当たりにし、人々が本物のつながりを求めていることが証明されました。
解説:
スピーチでは「increase from A to B」の形で劇的な変化を示し、聴衆にインパクトを与えます。
「We’ve seen」という表現で実体験を強調し、「proving that」で意味づけする構造はプレゼンテーションの効果的なテクニックです。
increaseに関するよくある質問
increaseは自動詞・他動詞両方で使える一方、raiseは他動詞のみです。
increaseは客観的な数値の増加を表し、「Sales increased(売上が増えた)」のように主語自体が増える場合に使います。
raiseは意図的に何かを引き上げる行為を表し、「raise prices(価格を上げる)」「raise salary(給料を上げる)」のように使います。
給料に関しては「raise salary」が一般的で、「increase salary」も間違いではありませんが、raiseの方が自然な表現です。
はい、動詞と名詞で発音(アクセント位置)が異なります。
動詞の場合は /ɪnˈkriːs/ で第2音節「CREASE」にアクセント、名詞の場合は /ˈɪnkriːs/ で第1音節「IN」にアクセントです。
この発音パターンは decrease(減る・減少)、record(記録する・記録)、permit(許可する・許可証)なども同様です。
TOEICのリスニング問題でもこの違いが問われることがあるので、必ず区別して覚えましょう。
「increase by」は増加量や増加率を表し、「どれだけ増えたか」を示します。
例:「Sales increased by 20%(売上が20%増えた)」「increased by $1 million(100万ドル増えた)」
「increase to」は到達点を表し、「最終的にいくつになったか」を示します。
例:「Sales increased to $5 million(売上が500万ドルに達した)」「increased to 500 units(500個に増えた)」
TOEICではこの違いを問う問題が頻出なので、しっかり区別しましょう。
はい、他動詞のincreaseは受動態で使えます。
「be increased」の形で「増やされる・引き上げられる」という意味になります。
例:「Prices were increased by 10%(価格が10%引き上げられた)」「The budget was increased(予算が増額された)」
ただし、自動詞として「increase」を使う方が自然な場合も多いです。
「Prices increased by 10%」の方が一般的で、受動態は誰かが意図的に増やした場合に使う傾向があります。
increaseは即座の数値的変化を表すのに対し、growは時間をかけた有機的な成長を表します。
increaseは売上・価格・生産量など測定可能な数値の増加に使い、客観的・統計的なニュアンスです。
growは生物の成長から派生した語で、ビジネスの発展・市場の拡大など、自然で持続的な成長を表します。
例:「Sales increased by 20%(売上が20%増えた)」vs「The business is growing steadily(ビジネスが着実に成長している)」
数値の変化ならincrease、発展プロセスならgrowが適切です。
ビジネスメールでは、具体的な数値や根拠と共に使うと説得力が増します。
「We need to increase sales(売上を増やす必要があります)」だけでなく、「We aim to increase sales by 15% through expanded marketing efforts(マーケティング強化により売上を15%増やすことを目指します)」のように具体性を持たせましょう。
また、「increase productivity(生産性向上)」「increase efficiency(効率化)」「increase customer satisfaction(顧客満足度向上)」などのコロケーションを使うとプロフェッショナルな印象になります。
価格や費用の増加を伝える場合は、理由も併記すると理解が得られやすくなります。
increaseの反対語はdecreaseです。
decreaseも動詞と名詞の両方で使え、発音パターンもincreaseと同じです。
動詞:/dɪˈkriːs/(第2音節にアクセント)、名詞:/ˈdiːkriːs/(第1音節にアクセント)
例:「Sales decreased by 10%(売上が10%減少した)」「There was a decrease in demand(需要が減少した)」
その他、reduce(減らす)、drop(下がる)、fall(落ちる)、decline(低下する)なども状況に応じて使われます。
まとめ
- コアイメージは「測定可能なものが徐々に大きくなる」
- よく使う文型は「increase by(増加量)」「increase to(到達点)」
- 動詞と名詞で発音(アクセント位置)が異なる点に注意
- TOEICやビジネス文書での頻出度は非常に高い
- raiseは他動詞のみ、increaseは自他両用という違いがある
- 句動詞はほとんど存在しない
- 類義語との使い分けを理解することが重要
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、increaseの使い方が自然に身につきます。
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