受動態って日常生活で使わないから勉強する必要あると考えていませんか?わざわざ受け身の形にしなくとも、物事は伝えることが出来ますよね?
例えば、The product was sent to me by this store.
(その製品は、この店によって送られた。) という文があったとします。
The store sent me this product. と同じ意味なので、わざわざ受動態を使う必要がありません。
しかし、この2つの文では意味合いが異なります。
この2つの文では、文中での重要な意味を持つ単語がそれぞれ違います。
このように、実は使い分けがされている受動態ですが、どういった基準で使い分けされているのでしょうか?
日常生活での受動態の使われ方
日常生活では、主に以下の4つの場合に使われます。
- 話題の中心になっているものを明確にする
- 行為をした人が明確でない
- 主語が長い場合
- 文をフォーマルな印象にするため
話題の中心になっているものを明確にする
話し手によって、話題の主役が変わることがあります。
そういった時に、誰が話の主役なのかを聞き手に明確にするために受動態が使われる場合があります。
以下の2つの文を確認してみましょう。
例①)
A: what is wrong with your face?
(顔どうしたの?)
B: I had an argument with my girlfriend yesterday and was hit in my face (by her).
(昨日、彼女と口論になって、顔叩かれたのだよ。)
例②)
A: It doesn`t look like you are good today. Did something happen to you?
(今日、元気ないね。何かあったの?)
B: I had an argument with my boyfriend yesterday, and I hit his face because I was too angry.
(昨日、彼氏と口論になって、怒りすぎて、彼氏の顔を叩いてしまったのだよ。)
例①だと、文の主人公は彼氏です。
顔を叩かれたのも彼氏なので、受動態の形になっています。
例②は、文の主人公は彼女です。
彼女が、顔を叩いた当事者なので、能動態が使われています。
能動態とは、主語がほかに影響・作用を及ぼす側である文のことを言います。
文中で、いきなり主語が変わると、不自然になります。
また、聞き手を混乱させてしまいます。
なので、話題の中心になっているものによって、受動態を使い分けされています。
行為をした人が明確でない
誰が~したか分からない場合に使用されます。
例)This temple was built about 200 years ago.
(このお寺は約200年前に建てられました。)
この場合、誰がお寺を立てたか分かりません。
なので、能動態の文を作ることが不可能です。
×They built this temple about 200 years ago.
(彼らは、約200年前にこのお寺を建てました。)
彼らって誰?という風になってしまいます。
主語が長い場合
英語では、主語の文が長いと、読みにくく、文がきれいに見えません。
こういった時に受動態を使うことで文をきれいにまとめることができます。
例)The person who is taller than me and I talked to at the café 2 days ago talked to me yesterday.
→I was talked to by the person who is taller than me and I talked to at the café 2 days ago yesterday.
(私より身長が高くて、2日前に話しかけた人に昨日話しかけられた。)
文をフォーマルな印象にするため
受動態を使うことで文にフォーマルな印象を持たせることができます。
理由は、受動態がビジネスライティングに置いて好まれて使われているからです。
受動態を利用すると、「誰が~をする」といった、誰に責任があるかを述べないで済みます。
それと同時に、書き手と読み手の間に距離を作ることができます。
そのため、フォーマルな響きがします。
余談ですが、現在のコミュニケーションでは、内容理解が分かりにくくなるのと、書き手の個性を出す方が良いとされています。
なので、フォーマルな響きがあるからと、受動態をビジネスの場面で多用することはおすすめしません。
受動態の組み立て方
受動態は、【Be+過去分詞】の形を取ります。
以下の例文を見てみましょう。
例)This document is sent by my boss.
(この書類は私の上司によって送られている。)
主語の後に、「Be動詞=is」+「過去分詞=sent」の形が来ていることが分かります。
次は、能動態の文からどのように、組み立てるか確認していきましょう。
【能動態】
My brother repaired my car.
(私の兄は私の車を修理した。)
この文を受動態の形にすると、
【受動態】
My car was repaired by my brother.
(私の車は、私の兄によって修理された。) になります。
By~を文末に入れることによって、「~によって」の部分を入れることができる。
ただし、この「~によって」の部分がある文は少ないです。
なぜなら、強調する場合や重要な情報である場合にのみ使用されるからです。
受動態のさまざまな形
受動態には、基本の形【be+過去分詞】がさまざまな形に変化することによって、助動詞やさまざまな時制と組み合わせることができます。
- 助動詞との組み合わせ
- 進行形
- 完了形
- 否定分
- 疑問文
助動詞との組み合わせ
【助動詞+be+過去分詞】の形で、助動詞と受動態を組み合わせることができます。
例①)This book can be borrowed from the library.
(この本は、図書館から借りることができる。)
例②)This contract will be sent to me tomorrow.
(明日、この契約書は私に送られるだろう。)
進行形
(~されているところです)のように、進行形の意味を表す時は、受動態を進行形の形にします。
進行形の形は、【Be+being+過去分詞】になります。
例①)This condominium is being built now.
(今、このコンドミニアムは建設中です。)
例②)Just moment. This picture is being sent to you now.
(ちょっと待って。今、この画像送られているところです。)
完了形
完了形の意味を受動態で表す時は、Have (has, had) been+過去分詞の形で表します。
例①)This book has been read for a long time by people in this country.
(この本は、長い間この国の人々に読まれています。)
例②)Many people had been injured before the war was stopped by the country.
(その国によって戦争が止められる前に、多くの人がケガをしていた。)
例③)I have been asked out by that woman many times since I met her at the café a week ago.
(1週間前に彼女に会って以来、何回もデートに誘われています。)
否定分
受動態の否定分は、【be+not+過去分詞】で表します。
例①)His name was not found on the list.
(そのリストに彼の名前はのっていなかった。)
助動詞や完了形と組み合わせた受動態の場合は、haveや助動詞の後にnotがきます。
例②)The shipment that I ordered 2 days ago has not been delivered yet.
(2日前に頼んだ貨物がまだ配達されていません。)
例③)The rent must not be paid by cash.
(その家賃は、現金で支払われてはならない。)
疑問文
受動態の疑問文は以下の種類で文の構成が異なります。
- Yes No疑問文
- 疑問詞を使った疑問文
Yes No疑問文のパターン
受動態のYes No疑問文は、Be動詞を文頭に持ってきます。
【be+主語+過去分詞】の形になります。
例①)Was this wine made in France ?
(このワインはフランスで生産されましたか?)
例②)Is this book written by Japanese author ?
(この本は、日本人の著者によって書かれていますか?)
完了形や助動詞+受動態の場合は、
【Have or 助動詞+主語+過去分詞】になります。
例③)Have your order already been sent to Korea ?
(あなたの注文はすでに韓国へ発送されましたか?)
例④)Will this door be repaired tomorrow ?
(このドアは明日修理されますか?)
疑問詞を使った疑問文
疑問詞(When, Who, Whatなど)を使った疑問文の受動態は、以下の3パターンで文の構造が変わります。
- 疑問詞が主語の場合
- 時や場所を尋ねる場合
- 「する側」を尋ねる場合
疑問詞が主語の場合
疑問詞の後に【be+過去分詞】がきます。
例①)Who was invited to the party ?
(誰がそのパーティーに招待されましたか?)
例②)Which desks were sold today ?
(どちらの机が今日売れましたか?)
時や場所を尋ねる場合
疑問詞の後に【be+主語+過去分詞】がきます。
例①)Where was this sake made in ?
(この酒はどこで作られましたか?)
例②)When will the PC been delivered ?
(このパソコンはいつ配達されますか?)
「する側」を尋ねる場合(疑問詞が前置詞の目的語の働きをする場合)
疑問詞の後に【be+主語+過去分詞】がきます。
例①)Who was the café designed by ?
(このカフェは誰によってデザインされましたか?)
疑問詞が前置詞の目的語の働きをする場合も同じような文の構造になります。
文で理解するのは難しいので例文を見てみましょう。
例②)What is this part used for ?
(この部品は何のために使われますか?)
疑問詞=Whatが、前置詞=Forの目的語になっています。
This part is used for a carの場合、Forの目的語は車です。
その目的語をWhatで聞いていることになります。
英語の受動態と日本語表現
日本語の「れる・られる」が、英語で必ずしも受動態になるわけではないので注意が必要です。
日本語の訳にまどわされないように、単語の使い方を理解し、受動態を利用するようにしましょう。
例①)I have been suffering from cancer for a long time.
(長い間、ガンに苦しめられている。)
Suffer fromで「病気で苦しんでいる」という意味になります。
そのため、I have been sufferedのように受動態の形で使用することはできません。
逆に、日本語で「れる・られる」がないのに、英語では受動態を使用する場合もあります。
例②)I was born in New York in 1991.
(1991年にニューヨークに生まれました。)
日本語だと、生まれるという能動態の言葉を使用しています。
しかし、英語ではBornはBear(~を産む)の過去分詞です。英語では、「~によって生まれさせた」という意味合いになります。
心理状態を表す場合も、日本語では能動態ですが、英語では受動態になります。
日常生活でかなり使用する表現ですので、しっかり覚えましょう。
例③)I was shocked at the car accident.
(その車の事故にショックを受けた。)
この文では、ショックな気持ちにさせられたという解釈をすると自然に理解できると思います。
まとめ
受動態は、以下のような場合に使われています
- 話題の中心になっているものを明確にする
- 行為をした人が明確でない
- 主語が長い場合
- 文をフォーマルな印象にするため
受動態は、【Be+過去分詞】の形を取ります
例)This document is sent by my boss.
(この書類は私の上司によって送られている。)
受動態はさまざまな時制と組み合わせることができます
助動詞との組み合わせ【助動詞+be+過去分詞】
例)This book can be borrowed from the library.
(この本は、図書館から借りることができる。)
進行形【Be+being+過去分詞】
例)This condominium is being built now.
(今、このコンドミニアムは建設中です。)
完了形【Have (has, had) been+過去分詞】
例)This book has been read for a long time by people in this country.
(この本は、長い間この国の人々に読まれています。)
否定分
【be+not+過去分詞】
例)His name was not found on the list.
(そのリストに彼の名前はのっていなかった。)
【had+not+been+過去分詞】
例)The shipment that I ordered 2 days ago has not been delivered yet.
(2日前に頼んだ貨物がまだ配達されていません。)
【助動詞+not+be+過去分詞】
例)The rent must not be paid by cash.
(その家賃は、現金で支払われてはならない。)
疑問文
Yes No疑問文
【be+主語+過去分詞】【Have or 助動詞+主語+過去分詞】
例)Was this wine made in France ?
(このワインはフランスで生産されましたか?)
例)Have your order already been sent to Korea ?
(あなたの注文はすでに韓国へ発送されましたか?)
疑問詞を使った疑問文
疑問詞が主語の場合疑問詞の後に【be+過去分詞】
例)Who was invited to the party ?
(誰がそのパーティーに招待されましたか?)
時や場所を尋ねる場合
疑問詞の後に【be+主語+過去分詞】
例)Where was this sake made in ?
(この酒はどこで作られましたか?)
「する側」を尋ねる場合(疑問詞が前置詞の目的語の働きをする場合)
疑問詞の後に【be+主語+過去分詞】
例)Who was the café designed by ?
(このカフェは誰によってデザインされましたか?)
例)What is this part used for ?
(この部品は何のために使われますか?)
英語の受動態と日本語表現
日本語の「れる・られる」が、英語で必ずしも受動態になるわけではないので注意が必要です。
日本語の訳にまどわされないように、単語の使い方を理解し、受動態を利用するようにしましょう。
例)I have been suffering from cancer for a long time.
(長い間、ガンに苦しめられている。)
逆に、日本語で「れる・られる」がないのに、英語では受動態を使用する場合もあります。
例)I was born in New York in 1991.
(1991年にニューヨークに生まれました。)
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