willとwhallの英語の文法

助動詞‘will’は未来を表す?

「助動詞’will’を用いて未来を表す、これを未来形と呼ぶ。」と多くの人は中学校で習ったかと思います。
確かに未来を表すことはできますが、ネイティブスピーカーが’will’を用いて一番伝えたいことは未来を表すことだけではありません。
過去の文法記事で紹介した通り、未来を表す表現は他にも無数にあり、それぞれ微妙にニュアンスが異なるのです。
コアイメージとして覚えるべきことは、「意志」です。
そもそも’will’単体で意思、決意、願い、遺言という意味でもあります。
‘will’は何かをする、という個人の意思や決意を意味するため、助動詞としても様々な用途で’will’を用いることができます。

“What can I get for you?”
“Ah… I’ll get the steak sandwich and a café latte, please.”
(ご注文は?) (じゃあ…このステーキサンドとカフェオレを下さい。)

※(注文を迷っていたが、店員に声をかけられその場で決めた。)

“Could you teach me how to use the copier?”
“I’ll teach you after the meeting. Sorry, I have to go now.”
(このコピー機の使い方教えてくれませんか?) (会議の後に教えるよ。ごめん、もういかないと。)

※(自分の意思を示し、返事をした。)

“Will you make some rice for me? I’ll be late tonight.”
(お米炊いといてくれる?今夜は遅くなりそうなの。)

(意思を尋ね、相手にお願いをしている。)

‘will’, ’be going to’, 現在形や現在進行形などを用いて未来を表現することができます。
実際、日常会話においては感覚で使い分けているネイティブスピーカーは多いです。
絶対に言い換え不可能な場合もありますが、多くの場合は多少混同しても違和感なく聞こえます。
それほど心配し過ぎず、例文に多く触れて練習をしていきましょう。

助動詞’shall’の使い方

助動詞‘shall’は若干古式ゆかしい、形式張った表現であり、日常会話では主に疑問文で用いられます。
肯定文や否定文では、主に演説やスピーチ、契約書やビジネスメールなどで多用されます。
和訳すると10通り以上になってしまう複雑な表現ですので、コアイメージをまずおさえましょう。
‘shall’のコアイメージは、「予言・運命・義務・命令」であり、人の意志を超越するもの、つまり神による束縛、命令を意味するものでした。

Shall we (go)?
(そろそろ行く?)

※(レストランやカフェでよく用いられます。’go’は省略されることが多いです。)

Unless otherwise directed, the working hours shall be Monday to Friday, 9.00 am to 6.00 pm.
(業務上の指示がない限り、業務時間は月曜から金曜日、午前9時から午後6時までとする。)

I hope we shall reach an agreement on the contract after this discussion.
(この話し合いの後には、契約合意に至ることを心待ちにしております。)

We shall fight on the beaches, we shall fight on the landing grounds, we shall fight in the fields and in the streets, we shall fight in the hills. We shall never surrender!
(海岸で、水際で、平原で、街道で、丘陵で、ありとあらゆる場所で、我々は戦う。我々は決して降伏しない!)

※(元英首相Winston Churchillの演説より一部抜粋。)

まとめ

  • ‘will’ のコアイメージはあくまで「意志」。
  • ‘shall’のコアイメージは人智を超えた「運命」。
  • ‘shall’は固い表現であるため、疑問文を除き日常会話ではあまり使われない。

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