好きになるって英語で何て言う

本シリーズの記事では、「これって英語で何て言う?」をテーマに、口からなかなかスムーズに出てこないような語彙や表現を取り上げていきます。

好きという気持ちを表現する際、「I like ~.」(私は~が好きです。)とシンプルに表すことができますが、「好きになる」「好きになってきた」と言いたい場合、英語でどのように表現するのでしょうか。

実は状況に応じて様々な表現があるので、今回もひとつずつ丁寧にご紹介していきます。

それでは早速いってみましょう。

「come to like ~」で「~を好きになる」

「come to 動詞」の形で「~するようになる」という表現がありますが、これに「like」をつなげて「come to like ~」(=~を好きになる)となります。「come to」の後に続く動詞は、「like」「love」「think」「believe」「know」などの状態動詞を指します。例文を見ていきましょう。

My older sister came to like music class.
私の姉は音楽の授業が好きになりました。

I came to like Japanese sake after I turned 30.
30歳を過ぎてから日本酒が好きになりました。

I didn’t like coriander so much before, but now I’ve come to like it gradually.
以前はそうでもなかったけど、だんだんパクチーが好きになってきました。

「take to ~」で「~を(すぐに)好きになる」

「take to ~」には色々な意味がありますが、その中の一つに「~を好きになる」という意味があります。
知ってまもなくや、さして時間をかけずに好きになる場合に用いられるのが「take to ~」です。
「take to」の後ろに続くのは名詞・動名詞で、内容は「人/場所/考え/行為」など様々です。

Did the students take to the new teacher?
生徒たちは新しい先生を好きになりましたか。

They tried skating and took to it immediately.
彼らはスケートをやってみたところ、すぐに気に入りました。

下の例文のように「take to」は「好きになる」以外に「なつく」と訳すこともできます。

The kitten, our new member of our family, took to us immediately.
新しい家族となった子猫は、私たちにすぐになついてくれました。

「S grow on 人」で「Sを人が(次第に)好きになる」

「S grow on 人」は前述の「come to like ~」「take to ~」とは文章構造が異なり、主語の位置には好きになる対象が入ります。

動詞「grow」には「育つ」「成長する」という意味があります。
人や動植物の成長にはそれなりの年月がかかるように、この表現には「次第に好きになる」という意味合いが含まれます。
好意的な気持ちが時間の経過とともに徐々に育っていくイメージを思い浮かべると分かりやすいです。
それでは例文を見ていきましょう。

He‘s grown on me after dating several times.
何度かデートをしているうちに、彼に惹かれていきました。

The new class slowly started to grow on him.
彼は新しいクラスを徐々に好きになり始めました。

Huh? I thought you didn’t like papaya.
あれっ?パパイヤは嫌いじゃなかったっけ。

Actually, it’s grown on me.
実は、だんだん好きになってきたんだよね。

「it’s grown on me.」に出てくる「it」は好きな対象物を指し、「it’s=it has」 の形(現在完了形)をとっています。「it’s grown on me.」はよく使われる表現なので、このまま覚えてしまいましょう。

また、未来のことに関しても「grow on 人」を使うことができます。

I think it’ll grow on me.
時間が経てばそれを好きになると思います。

「be starting to like~」で 「~を好きになりかけている」

好きになり始めたばかりのときは、「be starting to like ~」を使うとよいでしょう。一般的に気持ちが育ち始めたばかりのときは、上で挙げた3つの表現と比べると「好きの度合い」は小さいものです。もちろん「好きになってきた」と訳すこともできますが、「好きになりつつある」や「好きになりかけている」とした方が微妙なニュアンスが伝わり本来の意味に近いと言うことができます。

I’m starting to like you.
君のことが好きになりつつあるんだ。

My little son is starting to like swimming.
私の小さな息子は水泳を好きになりかけています。

もちろん「like」を「grow on 人」に換えて表すこともできます。
Swimming is starting to grow on my little son.

なお「be starting to like ~」を「be beginning to like~」に変えて、言う表すこともできます。ちなみにネイティブに尋ねたところ、「begin」よりも「start」を使った表現の方がその気持ちに自信があるように聞こえるそうです。

まとめ

本記事では気持ちの変化に焦点を当て、「好きになる」「好きになってきた」を英語でどのように表現するのかについて4つの表現をご紹介しました。

汎用的に使える「come to like ~」、さして時間をかけずに好きになる場合は「take to ~」、時間の経過とともに次第に好きになる場合は「grow on 人」、好きになり始めたばかりの場合は「be starting to like ~」と覚えておくとよいでしょう。

英語学習は、毎日少しずつでもいいから「継続」することが大事です。あなたの英語学習を応援しています。