mustとhave to,needの使い分け

“must”のコアイメージ

前のUnitで助動詞‘must’を学びました。
少し復習をしていきましょう。

‘must’のコアイメージ『強い圧力』でした。
何かをしなくてはならないと自身が強く感じていたり、法律やルール、取り決めなどのためやらなければならないことになっていたり、強く相手に物事を勧めたりする時に用いる助動詞が’must’の特徴です。

I must finish doing the dishes by the end of the day…otherwise my wife will get mad. I promised with her.
(今日中に皿洗い終わらせないと…じゃないと嫁が怒る。約束したんだ。)

You mustn’t park here.
(ここは駐禁ですよ。)

You must buy this game! It’s awesome!
(このゲーム絶対買った方が良いって、最高だぞ!)

“have to”の使い方と意味

助動詞’must’と大変似た意味であると学校で習ったかと思いますが、’have to’には『…しなければならない』という意味しかなく、助動詞’must’と異なり幅のあるコアイメージを持っていません。

‘have to’には何か外的要因があるためしなくてはならない、という意味合いが強いです。
自分がしたいからというよりも、嫌だけどやらないとまずいからなあという『義務感』を表します。
そのため言い方や前後の文脈次第では、とても後ろ向きなニュアンスを含むことがあります。

I have to finish this task within a few days.
(この仕事を2、3日で終わらせないと。)

You don’t have to do that.
(別にやらなくても良いよ?)

Do I really have to eat this? I hate mushrooms…
(これ本当に食べないといけないの?キノコ大嫌いなんだけど…)

Ah…I have to clean my desk, finish the monthly report, and have a meeting with my boss…This is so stressful!
(あー、机片づけないといけないし、マンスリーレポート終わらせないとだし、上司と打ち合わせもあるし…ストレス溜まるなあ!)

I had to evacuate my house because of flooding.
(洪水のため避難しなくてはいけなかった。)

“must”と”have to”, ”need”の使い分け

‘have to’ は外的要因による『義務感』を意味し、‘must’のコアイメージは『強い圧力』でした。
この二つととても似た表現が他にもあります。

’need’です。

動詞で使えば『…を必要とする、いる』という意味である’need’は’need to do’の形を取ることで’have to’や’must’と似たような意味で使用可能です。
以下の例文を見ていきましょう。

①I must practice the piano.
②I have to practice the piano.
③I need to practice the piano.
(私はピアノ練習しなくてはならない/する必要がある)

どの文もかなり意味合いは近いのですが、強いて使い分けるのであれば、
①は’must’があるため『強い圧力』を感じます。’need to’より若干強く聞こえます。
誰かに練習しているように言われているのかもしれませんし、自分でやろうと固く決心しているのかもしれません。

②は’have to’があるため、しなければならない理由は自分ではないのだろうな、という風に聞こえます。
例えば、お母さんに言われているとか、近々発表会があるとか、何か外的な要因によってそういった気持ちが湧いているようなニュアンスを感じさせます。

③は’need to’があるため比較的フラットなニュアンスです。強制されているわけでもなければ、義務感を生じさせるような外的要因はないのでしょう。
何かのゴールや目標を達成するために自分の意思や考えに基づいて、(ピアノを練習しないとな)と単に必要なことを述べるときに用いられます。

以上のようなニュアンスの差があるため、否定文にすると意味合いが大きく異なる点には注意が必要です。

④I mustn’t practice the piano.
(私はピアノの練習をしてはならない。)

⑤I don’t have to practice the piano.
(私はピアノの練習をしなくても良い。)

⑥I don’t need to practice the piano.
(※I needn’t practice the piano. でも可。上の表現のほうが一般的。)
(私はピアノの練習をする必要がない。)

『強い圧力』をイメージさせる④は強い禁止を示し、外的要因からくる『義務感』を意味する⑤は『…しなくても良い』と義務がないことを表します。
自分はその必要性を感じていない、とフラットに意思を示しているのが⑥です。

どの表現も、根本的なコアイメージを持っているだけで、頭の中でいちいち和訳したり思い出したりせずともニュアンスを掴みやすくなることでしょう。
相手の言わんとしていることを想像、理解する一助となるため、コアイメージを持って様々な例文を用いて学習していきましょう。

まとめ

  • 助動詞’must’のコアイメージは『強い圧力』。
  • ‘have to’は外的要因からくる『義務感』。
  • ‘need to’は主に自身の意志、考えから導かれる『必要性』。

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