mayとmightの英語の文法

“may”のコアイメージ

助動詞‘may’も他の助動詞と同じく様々な意味を持ちます。
『許可』『推量』『依頼』『容認』『祈願』…などと文法書に書かれた使い分けを覚えることに意義はありますが、いまいち実践的とは言えません。
まずは’may’のコアイメージとして『天の声』というものを持っておきましょう。
バラエティ番組で登場するナレーターという意味ではなく、天上からの声、つまり神様や王様、上位者からの声や加護、許可というイメージを持っておくと良いです。
このイメージを頭の片隅に置いた状態で様々な例文に触れ、感覚的に意味を掴めるようになるまで練習していきましょう。

‘may’の使用例として、映画スターウォーズで頻繁に出てくる台詞が思いつく人もいるのではないでしょうか。
May the Force be with you.
(フォースとともにあらんことを。)

また、
May you get well soon.
(早く良くなりますように。)

Happy birthday! May you have a wonderful day.
(誕生日おめでとう!良い一日でありますように。)
など、文頭に’may’を置いて文意を強めることで神に祈るようなニュアンスを表現できます。

他にも’may’には上位の存在が相手に何かすることを許す、というニュアンスでも使うことができます。

You may go.
(もう行ってもいいですよ。)

You may have a seat.
(座りなさい。)

上の例文は校長先生が生徒に話しかけているようにも聞こえますね。

Excuse me ma’am, you may not park here.
(こんにちは、ここは駐車禁止ですよ。)
“You may not…”と警告することで、警備員や警察が注意しているようにも聞こえます。

何の気なしに上司や目上の人に使えば誤解を生んでしまう可能性をはらむ表現でもあるわけです。
’may’を使えば’can’を使うよりも丁寧になる、と多くの学習者が何となく覚えて使っているため注意しなくてはなりません。

あくまで’May I…?’を用いた疑問文だけが丁寧に聞こえます。
それは’may’には上位者からの許し、というニュアンスがあるため、相手を持ち上げる尊敬語のように使うことができるためです。

May I ask you a question?
(質問よろしいでしょうか?)

May I have your name please?
(お名前を伺ってもよろしいでしょうか?)

It may rain tomorrow.
(明日は雨降るかもね。)

I may need your help later.
(あとで助けがいるかも。)

I’m not sure but his idea may work.
(確証は持てないが、彼のアイデアでうまくいくかもな。)

また、上の例文のように何かを推量するときにも’may’は用いられます。

“might”のコアイメージ

‘might’は現代において、『…かもしれない』という意味で使われることがほとんどです。

This movie might make you feel sick. It’s pretty violent.
(この映画見ると気を悪くするかも。結構暴力的な表現あるよ。)

It might snow heavily tonight. In that case, I might be able to take a day off tomorrow…
(今夜は大雪が降るかもしれない。その場合は、明日休めたりするのか…?)

‘might’自身に過去を表すニュアンスは存在しないため、『…だったかもしれない』と言いたい時は’might have+過去分詞’を用います。

He might be in the office now.
(彼は今オフィスにいるかもしれない。)

He might have been in the office at 9 pm.
(夜9時に彼はオフィスにいたかもしれない。)

“may”と”might”の使い分け、その他助動詞との使い分け

一般的な英語として、過去形になると距離感が生じると言われています。
それは時間的な距離間であるときもあれば、心理的な距離感であるときもあります。

I eat breakfast.
(私は日頃から朝ご飯を食べます。)

I ate breakfast.
(私は朝ご飯を食べました。)
『時間的な距離間→過去。』

また、前Unitで’can’は『根拠のあるビジョン』、’could’は『あやふやなビジョン』というコアイメージを持ちましょうと学びました。
これは’can’が過去形である’could’になったことで心理的な距離が開き、話し手の自信がなくなったことを表しています。

Can I have this?
(これもらえる?)

Could I have this?
(これをいただけます?)
『心理的な距離感→丁寧。』

It can happen.
(あり得るな。)

It could happen.
(ひょっとしたらそうかもね。)
『心理的な距離感→自信がない。』

‘can’と’could’の関係性は、’may と’might’の場合も同様です。

Joe may be late.
(ジョーは遅刻かも。)

Joe might be late.
(ジョーはひょっとしたら遅れているのかも。)『心理的な距離感→自信がない。』

“may”と”might”を用いた慣用表現

‘may as well’, ‘might as well’という慣用表現があります。
’might as well’の方が日常会話では頻繁に使われる傾向にあるため、ひとまずはこちらで覚えておきましょう。

これは複数のアイデアや選択肢があり、『他に良い案もないし、これでいいんじゃない?これが一番マシじゃない?』と消極的に何かを提案する際に使われる頻出表現です。
’may as well’の方が若干ポジティブなニュアンスで使われることがありますが、基本的にどちらでもほぼほぼ同じ意味として用いられます。

単に
Might as well?
(仕方なくない? それも悪くはないかな?)

とシンプルに使われることもあります。

Ummm, we missed the last train. So… we might as well take a taxi…it is what it is.
(あー、終電逃しちゃった。まあ、タクシー捕まえるしかないな、しょうがない…)

You might as well just dump your money rather than lend it to that guy. He’s hopeless.
(あいつに金を貸すくらいなら捨てた方がまだマシだよ、ほんと。あいつはダメだ。)

I’m not busy now. I may as well go and grab a coffee before the meeting starts.
(今忙しくないし。ミーティング始まる前にコーヒーでも買いにいこうかな。)

まとめ

  • 助動詞’may’のコアイメージは『天の声』。
  • 助動詞’might’は『…かもしれない』
  • 過去形になると時間的、もしくは心理的な距離が生じる。

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