must とhave toのニュアンスの違いを理解できていますでしょうか?
この記事ではmust とhave toの使い方について解説していきます。
チェックしたい重要ポイントは以下の4つです。
・mustはhave toより強いニュアンスを持つ
・have toには過去形がある
・mustは過去形にすることはできるが、意味が変わる
・mustとhave toは、否定形にすると意味が大きく変わる
この4点を押さえた上で、詳しく解説していきます。
mustが使われるのはどんなとき?
mustは、規則や強い指示、ルールを表す場合に使われます。
You must wear a helmet when you ride a bike in Australia.
オーストラリアでは、自転車に乗るときヘルメットをかぶらなければいけない。
You must stay at home during the lockdown.
ロックダウン中は絶対に家にいなくてはいけません。
また、「絶対~だ!」と、何かを強調したいときにも使われます。
Chef in this restaurant used to work at 5 star hotel, his food must be delicious.
このレストランのシェフは前に5つ星ホテルで働いていたから、彼の料理はおいしいに違いないですね。
I got a dog last week, you must come to see it!
先週犬を飼い始めたの、絶対に見に来てね。
must とhave toの現在形の場合の使い方
mustとhave toは、共に主語+ must/have to+動詞の原型」で文を作ります。
共に「~しなくてはいけない/せざるを得ない」という意味を持ちますが、ニュアンスが若干異なります。
・You must go to school today.
・You have to go to school today.
どちらも「あなたは今日学校へ行かなくてはいけません。」と訳されますが、mustのほうは話し手の意見や主張が強く、命令や強制している印象を持ちます。
一方でhave toは一般的な理由や客観的な意見から「(テストなどがあるから)今日は学校に行かなくてはいけない」という意味になります。
「勉強したほうが良いよ」というニュアンスでmustを使ってしまうと相手の気を悪くする可能性もあるので気をつけましょう。
主語がIの場合はmustを使っても問題ありません。
must とhave toの過去形の場合の使い方
助動詞のmustには「しなければならなかった」という過去形がなく、have toには過去形があるので、「~しなければならなかった」と過去形で話すときは、必然的にhave toを使います。
I couldn’t make it to your party because I had to study.
勉強をしなくてはならなかったので、パーティーには行けなかった。
助動詞mustを過去形にすると、「~に違いない」という意味になります。
You must have been tired after work.
あなたは仕事の後で、疲れていたに違いない。
must とhave toの否定形の場合の使い方
最後に抑えておきたいポイントは、mustとhave toは否定文になると意味が大きく異なる点です。
肯定文の場合は微妙なニュアンスの違いでしたが、否定文になると訳し方が異なります。
ポイントは、「must not=してはいけない」「don’t (doesn’t) have to= しなくても良い」ということです。
・You must not enter.
入ってはいけません。
・You don’t have to enter.
入らなくても良いです。
というように、否定形のMustは、Don’tと似た意味を持ちます。
mustを使えない例
さらに分かりやすいように、mustを使えない例を紹介します。
She cannot come to the party tonight, because she has to work.
こちらは「彼女は今日働かないといけないからパーティーに来れない」という意味ですが、“働かないといけない”のは話し手の意見ではないので、mustは使えません。
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まとめ
“must”は話し手の強い意志や規則を示すときに使い、“have to”は客観的な理由から必要性を表します。
さらに、mustには過去形がなく、過去の必要性は“had to”で表現します。
否定形では意味が大きく異なり、must not=してはいけない、don’t have to=しなくても良い となる点に注意しましょう。