これって英語でなんて言う?「思いつく」「思い浮かぶ」
皆さんは過去にこんな経験はありませんか?
「この言葉、英語でなんて言うの?」
「この表現、英語でどんな風に言えるの?」
本シリーズの記事では、これって英語でなんて言う?をテーマに、口からなかなかスムーズに出てこないような語彙や表現を取り上げていく予定です。
今回はいろいろな表現方法が考えられる「思いつく」「思い浮かぶ」について、掘り下げていきたいと思います。
「come up with」と「think of」
「思いつく」「思い浮かぶ」を表す英語はたくさんありますが、代表的なのが come up with と think of です。
どちらも「人」が主語になり、「思いついたこと」が目的語にきます。
意味はよく似ていますが、ニュアンスには少し違いがあります。
「come up with」
「come up」(生じる)+「with」(一緒に)の組み合わせで、頭の中にポンッと新しいものが生まれるイメージ。
特に「アイデア」「解決策」「言い訳」などを“ひねり出す”ときによく使います。
She came up with a great idea.
(彼女は素晴らしいアイデアを思いついた)
We need to come up with a plan before the deadline.
(締め切り前に計画を立てないといけない)
He came up with an excuse for being late.
(彼は遅刻の言い訳を考え出した)
「think of」
「think」(考える)+「of」(分離・取り出す)。
考えているうちに、頭の中から何かを引っ張り出すイメージです。
「名前を思い出す」「例を挙げる」など、連想や思考のプロセスに焦点があります。
I can’t think of his name.
(彼の名前が思い出せない)
When I think of summer, I think of the beach.
(夏といえば海が思い浮かぶ)
Did you think of any questions to ask the teacher?
(先生に質問すること、何か思いついた?)
ニュアンスの差は残りますが、それぞれ come up with と think of を入れ替えても意味はほぼ同じで伝わります。
実際、ネイティブも両方使います。↓
I just came up with a great idea. / I just thought of a great idea.
ちょうどいいアイディアを思いついた。
I just came up with a good name for our puppy. / I just thought of a good name for our puppy.
子犬につけるいい名前が思い浮かんだよ。
I just came up with a good example. / I just thought of a good example.
ちょうどいい例を思いついたよ。
I can’t come up with anything. / I can’t think of anything.
何も思いつかないよ。
その他の表現
「come up with」と「think of」以外ではどうでしょうか。
以下のような表現も「思いつく」「思い浮かぶ」の同義語として分類されるので、定型表現としていくつか覚えてしまうと便利です。
- pop into one’s head/mind
- come to mind
- spring to mind
- come to (someone)
- dawn on (someone)
- occur to (someone)
これらのイディオムと「come up with」「think of」との相違は、文章構造にあります。
後者では文章構造が真逆となり、頭に思い浮かんだそのこと自体が主語の位置にくるのが特徴です。
一つずつ例文を見ていきましょう。
「pop into one’s head/mind」
意味:パッと頭に浮かぶ
ニュアンス:カジュアル、軽い表現。瞬間的。
Can you jot down the first word that pops into your mind?
最初に頭に浮かんだ言葉をメモしてくれますか?
「come to mind」
意味:思い浮かぶ
ニュアンス:ニュートラル。自然に連想する感じ。フォーマル・カジュアル両方OK。
Does any good song come to mind for her birthday?
彼女の誕生日に合う良い曲って何か思い浮かぶ?
The music we sang together in our school days just came to mind.
学生時代にいっしょに歌った曲が思い浮かんだよ。
「spring to mind」
意味:すぐ頭に浮かぶ
ニュアンス:速さ・生き生き感を強調。口語的。
Do you know a trustworthy business partner?
信頼できるビジネスパートナーを知っていますか。
No one springs to mind right now.
今のところ誰も思い浮かびません。
「come to (someone)」
意味:(記憶・答えが)思い出される
ニュアンス:自然にあとから戻ってくる感じ。
I totally forgot the title of the movie. I hope it’ll come to me later.
映画のタイトルをすっかり忘れてしまいました。後で思い出せるといいのですが。
「dawn on (someone)」
意味:だんだん気づく/ハッと理解する
ニュアンス:光が差すように「理解が降りてくる」イメージ。
It just dawned on me that I had never asked anyone out.
自分からデートに誘ったことがないことにふと気づきました。
「occur to (someone)」
意味:ふと頭に浮かぶ/思いつく
ニュアンス:ややフォーマル。意識せず自然に湧いてくる感じ。
It occurred to her that she might have left her purse in the lobby.
彼女はロビーのどこかに財布を置いてきてしまったかもしれないことに気づきました。
この文法が学べる本はこちら


まとめ
本記事では「思いつく・思い浮かぶ」の代表的な表現「come up with」と「think of」を筆頭に、その他の表現として「pop into one’s head/mind」
「come to mind」
「spring to mind」
「come to (someone)」
「dawn on (someone)」
「occur to (someone)」をご紹介しました。
英語はリズムが大切です。
頭に浮かんだことが口から出てきた際には、その他の表現で挙げたいずれかをつなげると会話の流れがスムーズにいきます。
日常会話で非常によく使うフレーズなので、そのまま覚えてしまいましょう。