「思いつく」「思い浮かぶ」は英語で何て言う?

これって英語でなんて言う?「思いつく」「思い浮かぶ」
皆さんは過去にこんな経験はありませんか?

「この言葉、英語でなんて言うの?」

「この表現、英語でどんな風に言えるの?」

本シリーズの記事では、これって英語でなんて言う?をテーマに、口からなかなかスムーズに出てこないような語彙や表現を取り上げていく予定です。

今回はいろいろな表現方法が考えられる「思いつく」「思い浮かぶ」について、掘り下げていきたいと思います。

「come up with」と「think of」

「思いつく」「思い浮かぶ」の英語表現は数多く存在しますが、「come up with」「think of」はなかでも代表的な表現だといえます。
主語の位置に人、目的語の位置に頭に浮かんだことが来ます。

両方とも同じようなシチュエーションで使えますが、細かいことをいえば若干のニュアンスの違いがあるため、その違いを見ていきましょう。

まず「come up with」についてですが、「come up」(起こる・生じる)に「共に」というコアイメージのある前置詞「with」がくっつき、「~を思いつく・思い浮かぶ」という意味になります。(案やアイディアなど)何かが頭の中にポンッと現れるイメージを思い浮かべてください。

「think of」は、「think」(思う・考える)に前置詞「of」がくっついています。

「所属」や「所有」の「of」としてよく知られているところですが、その他にも「分離」のイメージがあります。
「think of」でいえば、考える過程で思いついたことを分離し、取り出すようなイメージを思い描いていただくと分かりやすいのではないかと思います。

両者の違いをあえて述べるならば、「come up with」が結果に焦点を充てているのに対し、「think of」は考えるプロセスに焦点を充てているところです。
では具体的に例文を見ていきましょう。

例文1

His proposal was awesome, wasn’t it? Can you think of any other ideas?
彼の提案は最高でしたね。他にアイディアは考えつきますか?

It was really great, but I can’t come up with anything.
本当によかったです。しかし私には何も思い浮かびません。

上記の例文から、微妙なニュアンスの違いをあぶりだせます。話し手の意識がどこを向いているのかが分かりますね。

とはいえ、「come up with」と「think of」はほぼ同義で使われているため、例文②のように入れ替えて使うことができます。
アイディアや案などが思い浮かんだときにぴったりの表現なので、実生活でもどんどん使っていきましょう。

例文2

I just came up with a great idea. / I just thought of a great idea.
ちょうどいいアイディアを思いついた。

I just came up with a good name for our puppy. / I just thought of a good name for our puppy.
子犬につけるいい名前が思い浮かんだよ。

I just came up with a good example. / I just thought of a good example.
ちょうどいい例を思いついたよ。

I can’t come up with anything. / I can’t think of anything.
何も思いつかないよ。

その他の表現

「come up with」と「think of」以外ではどうでしょうか。
以下のような表現も「思いつく」「思い浮かぶ」の同義語として分類されるので、定型表現としていくつか覚えてしまうと便利です。

  • pop into one’s head/mind
  • come to mind
  • spring to mind
  • come to (someone)
  • dawn on (someone)
  • occur to (someone)

これらのイディオムと「come up with」「think of」との相違は、文章構造にあります。
後者では文章構造が真逆となり、頭に思い浮かんだそのこと自体が主語の位置にくるのが特徴です。

一つずつ例文を見ていきましょう。

「pop into one’s head/mind」

Can you jot down the first word that pops into your mind?
最初に頭に浮かんだ言葉をメモしてくれますか?

「come to mind」

Can you think of any good songs for her birthday?
彼女の誕生日に歌うのにいい曲で何か思いつかない?

The music we sang together in our school days just came to mind.
学生時代にいっしょに歌った曲が思い浮かんだよ。

「spring to mind」

Do you know a trustworthy business partner?
信頼できるビジネスパートナーを知っていますか。

No one sprang to mind right now.
今のところ誰も思い浮かびません。

「come to (someone)」

I totally forgot the title of the movie. I hope it’ll come to me later.
映画のタイトルをすっかり忘れてしまいました。後で思い出せるといいのですが。

「dawn on (someone)」

It just dawned on me that I had never asked anyone out.
自分からデートに誘ったことがないことにふと気づきました。

「occur to (someone)」

It occurred to her that she might have put her purse somewhere at the lobby.
彼女はロビーのどこかに財布を置いてきてしまったかもしれないことに気づきました。

まとめ

本記事では「思いつく・思い浮かぶ」の代表的な表現「come up with」と「think of」を筆頭に、その他の表現として「pop into one’s head/mind」「come to mind」「spring to mind」「come to (someone)」「dawn on (someone)」「occur to (someone)」をご紹介しました。

英語はリズムが大切です。
頭に浮かんだことが口から出てきた際には、その他の表現で挙げたいずれかをつなげると会話の流れがスムーズにいきます。

日常会話で非常によく使うフレーズなので、そのまま覚えてしまいましょう。