直接法・仮定法はIfを使って「もし~なら」の文を作るものというイメージがあると思います。
しかし、時制によっていくつものパターンがあり、すごく覚えにくいです。
- If + S + 現在形, S +現在形
- If + S + 動詞の過去形, S + 助動詞過去形 + 動詞の原形
- If + S + 動詞の過去形, S + 助動詞過去形 + have+ 過去分詞形
あなたは、これを丸暗記しようとしていないでしょうか?
丸暗記では、英会話で瞬時に英文を作成しないといけない場合にとても太刀打ちできません。
ですが、実は丸暗記する必要はありません。
なぜなら、なぜこのような形になるか理屈が分かれば簡単に直接法・仮定法の文を作ることができるようになるからです。
本記事では、直接法・仮定法の基礎(どうゆう時に使う?、文の構造、例文)を徹底解説します。
この記事を読み終えると、直接法・仮定法の基礎を完全に網羅することができます。
直接法と仮定法
直接法・仮定法は「もし明日雨が降ったら、部屋でNetflixを見ます。」「もし時間があったら、旅行に行くのに」のように、「もし」を使った文を作る時に使います。
日本語の訳を見ると、条件を示したり、現実とは違うことを述べたりしていることが分かると思います。
上の日本語を英語に訳してみます。
例①)if it rains tomorrow, I will watch Netflix in my room.
(もし明日雨が降ったら、部屋でNetflixを見ます。)
例②)If I had enough time, I would go away on a trip.
(もし時間があったら、旅行に行くのに)
例①は、雨が降る可能性があり、もし雨が降ったらNetflixを見るといった意味になります。
つまり、現実的に起こりうることを述べています。このような場合に使われるのが、直接法です。
例②は、もし時間があれば=実際は時間がない、旅行に行く=実際は旅行に行かないという意味が込められていることが分かります。
つまり、現実とは違うことを述べています。このような場合に使われるのが、仮定法です。
- 直接法→現実のことについて話す時に使う
- 仮定法→現実とは違う、現実味のないことについて話す時に使う
では、直接法・仮定法の文の構造を見ていきましょう。
直接法
直接法の文の構造は、【If + S + 現在形, S +現在形】です。
If節で条件を述べて、主節で主語がどうなるかということを表します。
If節とは、【If+S+現在形】の部分を表します。
主節は、【S+現在形】の部分を表します。
例文を見てみましょう。
例①)If he comes back home before 5 pm, we will go out for dinner.
(彼が5時前に帰ってきたら、夕食を食べに行きます。)
例②)If it is sunny tomorrow, you have to do the laundry.
(明日もし晴れたら、あなたは洗濯しないといけません。)
例①では、If he comes back home before 5 pm(If節)で、条件を表しています。
we will go out for dinner(主節)で主語のアクションを示しています。
例②では、If it is sunny tomorrow(If節) で条件を表し、you have to do the laundry(主節)で主語のアクションを示しています。
仮定法
仮定法は、現実とは違うことを述べる際に使用します。
現実とは異なることを述べる際に、さらに時制を2つに分けることができます。
それは、「現在の非現実」と「過去の非現実」です。
それぞれの時制を使う際に、仮定法過去と仮定法過去完了を使い分けています。
- 現在の非現実=仮定法過去
- 過去の非現実=仮定法過去完了
ポイント!
英語では、あえて時制をずらすことにより人との距離や現実との距離を生み出します。
その為、現在の非現実を表す場合は過去形にします。
過去の非現実を表す場合は、過去の過去形=大過去形にします。
仮定法過去
仮定法過去は、【If + S + 過去形, S +助動詞過去形+動詞の原形】になります。
助動詞の過去形はWould、Could、Mightを意味合いによって使い分けます。
例①)If she were ready, we would go out now.
(彼女が準備できていれば、今出かけるのに。)
例①の現実は以下のようになります。
She is not ready, and we won`t go out now.
(彼女は準備が出来ていない+私たちは今出かけない)
これを非現実の形にするためには、以下のように時制をずらします。
- She is not ready.→If she were ready. (現在形→過去形)
- We won`t go out now.→we would go out now. (助動詞現在形→助動詞過去形)
例②)If I had a girlfriend now, I might not feel lonely.
(今彼女がいれば、孤独を感じないかもしれない。)
例②の現実は以下のようになります。
I don`t have a girlfriend now, and I feel lonely.
(彼女がいない+孤独を感じている)
これを非現実の形にすると
- I don`t have a girlfriend now,→If I had a girlfriend now. (現在形→過去形)
- I feel lonely.→I might not feel lonely. (助動詞現在形→助動詞過去形)
このように、現在の現実とは逆のことを表す場合は、時制を1つずらせば良いということを覚えておきましょう。
仮定法過去完了
仮定法過去完了は、【If + S + 過去完了形, S +助動詞過去形+have+過去分詞】という形になります。
これも、仮定法過去と同じ要領で、時制を1つ前にずらすことを覚えておけば大丈夫です。
例①)If you had told me, I would have picked you up at school.
(教えてくれれば、学校に迎えに行ったのに。)
例①の現実は以下のようになります。
You didn`t tell me, and I wouldn`t pick you up at school.
(あなたは教えてくれず+私は学校へ迎えに行こうとしなかった。)
これを非現実の形にするためには、以下のように時制をずらすだけです。
- You didn`t tell me.→If you had told me. (過去形→大過去)
- I wouldn`t pick you up at school.→I would have picked you up at school. (助動詞過去形→助動詞過去形+have+過去分詞)
例②)If we had left here earlier, we could have arrived the restaurant before 10pm.
(もっと早く出発していれば、10時前にレストランに着くことが出来たのに。)
例②の現実は以下のようになります。
We didn`t leave here early, and we couldn`t arrive the restaurant before 10pm.
(ここを早く出発しなかった+10時前にレストランに着くことができなかった。)
これを非現実の形にすると
- We didn`t leave here early.→If we had left here earlier. (過去形→大過去)
- We couldn`t arrive the restaurant before 10pm.→We could have arrived the restaurant before 10pm. (助動詞過去形→助動詞過去形+have+過去分詞)
仮定法過去完了も仮定法過去と同じ要領で、時制をずらして文章を作ります。
気をつけるポイントは、助動詞の時制をずらす場合は、【助動詞過去形+have+過去分詞】になります。
時制がミックスする場合がある
時制がミックスするとは、If節と主節で表す時制が異なることを意味します。
例文を見てみましょう。
例①)If I had taken the medicine right after lunch,
(もし、ランチの後に薬を飲んでいれば、)
A: I wouldn`t have had stomachache at school.
(学校でお腹痛くならなかっただろう。)
B: I would be fine now.
(今、大丈夫だっただろう。)
C: I would be able to go out for dinner with my friend tonight.
(今夜、友達と外食出来ただろうに。)
If節は、過去のことを表しています。
それに対して、A,B,Cは以下のようにそれぞれ別の時制を表しています。
- A: If I had taken the medicine right after lunch, I wouldn`t have had stomachache at school. (過去+過去)
- B: If I had taken the medicine right after lunch, I would be fine now.(過去+現在)
- C: If I had taken the medicine right after lunch, I would be able to go out for dinner with my friend tonight. (過去+未来)
感覚をつかむために、もう1つ例文を確認していきましょう。
例②)If we hadn`t made up,
(もし、私たち仲直りしていなければ、)
A: I probably would have moved out of here.
(ここを出て行っただろう。)
B: I would be going out with someone else.
(誰か他の人と付き合っているだろう。)
C: I would probably go back to my hometown.
(地元に帰るだろう。)
- A: If we hadn`t made up, I probably would have moved out of here.(過去+過去)
- B: If we hadn`t made up, I would be going out with someone else.(過去+現在)
- C: If we hadn`t made up, I would probably go back to my hometown.(過去+未来)
学校で習うような公式で覚えると、このように時制がミックスする場合に対応できません。
常に、時制をずらして現実を非現実にすることを覚えて置きましょう。
しかし、このミックスパターンは慣れが必要です。
基本である仮定法過去と仮定法過去完了を集中して抑えましょう。
まとめ
「もし~なら」を表す用法は、直接法と仮定法があります。
直接法→現実のことについて話す時に使います。
文の構造
If + S + 現在形, S +現在形
例)if it rains tomorrow, I will watch Netflix in my room.
(もし明日雨が降ったら、部屋でNetflixを見ます。)
If + S + 動詞の過去形, S + 助動詞過去形 + 動詞の原形
If + S + 動詞の過去形, S + 助動詞過去形 + have+ 過去分詞形
例)If I had enough time, I would go away on a trip.
(もし時間があったら、旅行に行くのに)
仮定法には、さらに以下の2つの種類があります。
それぞれ表す時制が違います。
- 仮定法過去=現在の非現実
- 仮定法過去完了=過去の非現実
仮定法過去
例)If she were ready, we would go out now.
(彼女が準備できていれば、今出かけるのに。)
仮定法過去完了
例)If you had told me, I would have picked you up at school. (教えてくれれば、学校に迎えに行ったのに。)
時制をずらすことで、現実から非現実の意味に変えることができます。
If節と主節で表す時制が異なることがあるので、注意が必要です。
例)If I had taken the medicine right after lunch,
(もし、ランチの後に薬を飲んでいれば、)
A: I wouldn`t have had stomachache at school.
(学校でお腹痛くならなかっただろう。)
B: I would be fine now.
(今、大丈夫だっただろう。)
C: I would be able to go out for dinner with my friend tonight.
(今夜、友達と外食出来ただろうに。)
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