DUO3.0の特徴は?
DUO3.0は2000年に初版が発行され、その前身である「DUO1.0」「DUO2.0」を合わせると長い間親しまれてきたロングセラー英単語集であるといえます。
まずは、多くの愛読者がいる最新版「DUO3.0」の特徴をみていきましょう。
「圧倒的情報量の多さ①」複数の重要単語・熟語を1例文内に凝縮
世の中には実に多くの英語の単語帳が市販されています。「システム英単語」や「ターゲット1900」のように、一つの単語に焦点を当てて覚えていくような単語集とは異なり、「DUO3.0」は例文を暗記して単語や熟語を覚えていくタイプの単語集です。
一つの例文内で複数の重要単語・熟語を学習できるという点が、DUO3.0の特徴の一つです。本書には重要単語1,572語と重要熟語997語を重複することなく560例文に凝縮して掲載。
見出し語の中に重要な単語・熟語を網羅しているだけではなく、関連語・派生語、同意語・反意語なども同時に学ぶことができます。これらの語を含めると、トータルの掲載語数はなんと7,866語にもなります。たった560例文でこれだけの量の語彙を吸収できてしまう優れた参考書であることに間違いありません。
「圧倒的情報量の多さ②」DUO3.0内で全てが解決
DUO3.0は、見出し語と関連する語彙を掲載しているだけではありません。
語義については複数の英英辞典をベースに基本語義を作成したものをネイティブがチェックを行っているので、もはや辞書不要と言えるレベルの語義を実現しています。
旧版にはなかった可算・不可算名詞、アメリカ・イギリス英語、フォーマル・インフォーマル英語などの情報も明示されているので、一般的な単語帳のように、例文内に出てきた分からない語彙を辞書で新たに調べるといった行為は不要、DUO3.0内で全てが解決できる内容となっています。
DUO3.0の本を使う英語レベルは?
DUO3.0は実に幅広い学習者のレベルに対応した、もはや単語帳の域を卓越した参考書レベルの単語集だと言えるかもしれません。
DUO3.0の掲載語で対応できる語彙レベルは、本書によると以下のようになっています。
大学入試(偏差値) 58~65程度
英検 準1級
TOEIC 600~780点
TOEFL 60~90点 ※iBT方式によるスコア。引用元:「DUO3.0」著者:鈴木陽一 初版発行:2000年 発行所:(株)アイシーピー
本書記載の内容では、上記のようなレベルとなっていますが、TOEICを過去に10回受験をした私が実際使用した感想は、上記TOEICのスコアよりもう少し上のレベルを目指せる内容であると感じました。
一般的な大学入試でDUO3.0を使用されたい場合は、大学受験で必要とされる重要単語をマスターした上で、本書に挑戦して頂きたい内容のレベル感です。
DUO3.0はこんな人におすすめ
以上のことから、「DUO3.0」をおすすめしたい人は以下のとおりです。
- 英検準1級を受験の方
- TOEIC800点台を目指したい方
- 東大や早慶上智などの難関大学受験の方
- 効率よく単語と熟語を覚えたい方
- アカデミックな内容に加え、日常で使用する会話表現も同時に学びたい方
- 1語1例文タイプの単語帳に飽きている方
例文には日常会話表現も出てきます。
時々ボブ、ジェニファーなど特定の人物が登場し、例文も会話が中心となることも。
彼らが繰り広げるストーリー展開がこれまた面白く、続きがどうなるのかと気づけば夢中になって読み込んでいたということもあります。
例文を読み聞きしながら、アメリカンドラマの中で見られるようなリアルなネイティブ人物像が想像でき、英語学習とはまた異なる視点で本書に取り組むことができるのは、飽きずに学習を続けられる理由の一つであると思います。
DUO3.0の正しい勉強方法
以下は本書が推奨する勉強方法に、私が若干アレンジを加えたやり方となります。
例文と日本語訳を一致させる
例文の英文と日本語訳の変換がスムーズにできるようになるまで読み込みます。
復習用CDを最初から聞いてしまうと、情報量過多となってしまう恐れがあるため、この最初の段階ではCDを使いません。
また、見出し語以外の情報をこの段階で逐一インプットしようとしなくて大丈夫です。
あくまでも、本書の見出し例文を意味理解ができるようになるまで、繰り返し読み進めます。
慣れてきたら、日本語を介さずに英文を頭の中でイメージできるように、数巡するようにしましょう。
復習用CDと併せて活用する
例文と日本語訳が一致できるようになったら、CDを活用しましょう。
ここでは日本語訳やスロースピードが省略された「DUO3.0/CD復習用」を使います。
丁寧な録音パターンを収録している「DUO3.0/CD基礎用」もありますが、値段は2倍以上しますし、一定のレベル以上の英語学習者の方は復習用CDで大丈夫です。
復習用CDであれば、560例文を一巡するのに1時間で済みます。
毎日必ず聞くようにし、意味理解だけではなく、できればシャドーイングも行うようにしましょう。
DUO3.0の例文は会話文も例文として取り扱われており、スピーキング対策にもつながります。
なお、実際復習用CDを使ってみたけれど、ナチュラルスピードについていけずに困っているという方にはこんな方法もあります
Music Playerによっては再生速度を変えることができるものも存在します。
私はフリーのVLC media playerを使用していますが、簡単に速度変換ができるので、お持ちの方はぜひお試しください。
見出し語以外の情報まで読み込む
本書には、見出し語以外にも派生語・関連語、同意語・反意語、基本概念の説明やコラムもあり、本書一冊で疑問が解決するように構成されています。
例えばこのページですと、以下のような基本概念の説明があります。
【傾向として、語尾が-icの形容詞は動的(驚き系)、-calは静的(知的・学問的)なイメージを持つものが多い】
fantastic(すばらしい), terrific(すばらしい), dynamic(ダイナミックな), electric(電気で動く)など
logical(論理的な), electrical(電気に関する)など引用元:「DUO3.0」著者:鈴木陽一 初版発行:2000年 発行所:(株)アイシーピー
-icと-calの両方の語尾を持つ単語は混同しがちですが、この説明を読むと納得がいきますね。
次に、-icと-calで混同しやすい形容詞の例をみてみましょう。
形容詞electricとelectrical
electric blanket 「電気毛布」
electrical fault 「電気系統の故障」
electric car 「電気自動車」
electrical engineer 「電気技師」
形容詞historicとhistorical
historic discovery 「歴史的(に重要)な発見」
historical people (歴史の人物)
historic building 「歴史的建造物」
historical drama (歴史ドラマ)
-icと-calといった形容詞の例のように、言葉の概念があらかじめ頭の中にあると、混同しやすい単語も覚えやすいですね。
このような概念に関する知識も多く掲載されているので、最終的には本書に載っている情報は全てインプットするようにしてください。
必ず役立ちます。
聞いただけで意味理解ができるようにする
本書を読みこんだ後は、再度復習用CDを活用。
この段階では聞いただけでその情景が頭に浮かぶくらいまで持っていけるようにします。
音が取れなかった場合は本書で確認し、聞き取れなかったところを何度も聞くように心がけてください。
日数をかけて何巡も繰り返していけば、560例文を完璧に近い状態に持っていくことが可能です。
時間と気合いがいりますが、ここまでできたら、かなりの語彙数を自分のものにすることができたと言ってよいと思います。
DUO3.0を勉強するのにかかる時間の目安
個人差や進めるスピードによっても変わってきますが、先ほどご紹介した4段階の勉強法を行うと、早い人でも3カ月くらいはかかるかと思います。
実際、本書を使用した学習を初めて6カ月の私は、すきま時間を活用するなどゆっくりと自分のペースで進めているため、最終目標である「全ての例文を聞いただけで意味理解ができるようにする」ところまでに至っておりません。
しかしながら、何度もCDを聞いていると、最初の頃は音がつかめなかった箇所も、細部までキャッチできるようになってきました。また、読み込んでいくことで、色々なところがつながっていくような感じで読むことができ、非常に面白みのある単語集だと感じています。
DUO3.0の間違った勉強方法
CDを買っていない・活用していない
DUO3.0には副教材がいくつかありますが、その中でも必須アイテムといえるのが勉強法のところでご紹介した「DUO3.0/CD復習用」です。
CD1枚に小冊子がついています。見出し例文をひたすらナチュラルスピードで読み上げてくれますので、たった一時間で全ての例文を聞くことが可能です。
最初からナチュラルスピードにはついていけないと思われる方は、DUO3.0/CD 基礎用という選択肢もあります。CDは5枚、見出し例文の和訳→英文(スロースピード)→各見出し語→英文(ナチュラルスピード)の順番で音声が流れます。
CDを活用しないと学習効率は半減しますので、必ず購入するようにしてください。
流し読みするだけで終わってしまう
単語帳を購入して陥りがちのパターンの一つに、流し読みをするだけで終わってしまうという事象が考えられます。
一向に単語熟語がインプットできない状態でいるのは、そのためです。
感覚的には、購入したことに満足してしまって一向に使っていない買い物パターンと似ているかもしれません。
本書に限らず言えることですが、単語帳を手に取ったら、気合をいれて「この単語集を自分のものにする」と決意をしてください。
大袈裟ですが、戦いを挑むイメージで大丈夫です。
DUO3.0は45セクションに560の例文が分かれていますので、「今日は1と2を覚える」など決めて取り組んでみましょう。
最終的なゴールは、例文のイメージが自然と頭に浮かぶところまでやり込むです。
DUO3.0は一般的な単語帳よりも読み応えがありますので、ぜひ気合をいれて頑張ってみるようにしてください。
DUO3.0をやり込んだ後に得られる効果は?
DUO3.0を何度もやり込むと、自然に例文を暗記できるようになってくるようになります。
本書には学術的な内容に加え、日常会話表現も扱っています。
各種資格試験でのライティングスキル、リーディングスキルの底上げ、私がおすすめした勉強法を行うことで、リスニングスキル、スピーキングスキル向上も期待できます。
繰り返しやり込むことで、日本語を介さずに英文の情景(イメージ)を頭に浮かべられるようになるはずです。
ゴールに向けて、ぜひ本書を手に取ってみてください。