進学や留学、就職、転職などの様々なシーンにおいて、英語力の指標の一つであるTOEICの点数は近年ますます重視されるようになってきていますよね。
またそれに伴って、「昇進にTOEICのスコアが必要なんだけど、どうやって勉強したらいいんだろう?」「高得点を目指すにはどの勉強法を選んだらいいの?」と頭を悩ませている方も増えてきているのではないでしょうか。
そこで今回は、最近人気を集めている『オンライン英会話』を活用したTOEICの勉強法についてご紹介していきたいと思います。
オンライン英会話って本当にTOEICのスコアアップにつながるの?
まずはTOEIC学習の基本を確認してみよう
「オンライン英会話でTOEIC対策を」と聞くと、「TOEIC はリスニングとリーディングの力が問われるテストだから、英会話の勉強は不要では?」と思われる方もいるかもしれませんね。
たしかに「○○までに△△点が必要」と短期間でスコアアップしたい場合には、以下のような手順で英単語や文法、リスニング、リーディングなどの力を満遍なく鍛えていくことに集中する方が効果的です。
- 公式問題集などを購入して何度も繰り返し問題を解き、TOEICの出題形式に慣れる
- 頻出単語の意味や発音、熟語、文法などのインプットを毎日行う
- 時間内にスピーディーに解いていくための戦略を考える
しかし実はここにオンライン英会話をうまく組み入れていくことによって、TOEICのスコアを大幅に上げていくことが可能になってくるのです。
オンライン英会話をおすすめしたいのはこんな人
オンライン英会話がTOEIC対策に有効なコンテンツなのは確かですが、とくに以下のような条件を満たしている方には効果テキメンです。
中級程度の語彙力や文法力が身についている方
TOEICのスコアが500に満たない方の場合、そもそも基礎的な語彙力や文法力が不足している状態です。
その段階でいくら英会話の練習を重ねたとしても、「先生が何を言っているのかわからない」となってしまい、消化不良を起こしてしまうでしょう。
基礎的な単語や文法の知識、発音、文構造への理解があって初めて英会話は成り立ちますし、回を重ねるごとに内容への理解も深まります。
初級学習者の場合、オンライン英会話をする前にまずは「TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ」などの市販の単語集などでしっかりと基礎固めを行うのが無難ですよ。
独学でのリスニング学習の壁にぶつかっている人
通信講座やスクール、または独学で地道にコツコツと試験対策をしている学習者の多くがぶつかるのがリスニングでしょう。
語彙や文法と違い、リスニングは勉強を始めてから実力がついてくるまでに時間がかかります。
「対策本を一生懸命やっているはずなのに、ネイティブの音声が聞き取れるようにならない」「単語集で覚えたはずなのに実際出題されると聞き取れなかった」などの悩みはよく耳にしますが、これらは「ただ音声を聞いているだけ」「インプット重視」の独学での学習者によく見られる問題です。
もちろんそれも大切なことではありますが、同じループでの学習を繰り返しているうちに概念が固定化してしまうことも多々あるでしょう。
英語は言語ですから、話せない表現は聞き取れるはずがありません。
リスニングの壁を突破するポイントは「インプットとアウトプットの両方を重視し、耳と口で学習すること」ですので、積極的にアウトプットする機会が持てるオンライン英会話はまさに打ってつけのコンテンツなのです。
オンライン英会話がTOEIC学習に有効である具体的な理由
ではここからは、「なぜオンライン英会話がTOEICのスコアアップの助けとなるのか」について、その具体的な理由を3つご紹介していきます。
英語の音に対して耳を慣らすことができる
「CDをかけ流しているのになかなかリスニング力がアップしない」「ネイティブの話すスピードについていけない」とリスニングを苦手とする日本人の学習者は多いですよね。
それもそのはず、英語には日本語にはない音がたくさんあるため、日常的にその音を耳にしていない日本人は英語音をきちんと聞き取ることができません。
/l/と/r/の発音の違いが聞き分けられないのも、日本語ではどちらも「ラ行」に分類されているためです。
日本語に存在せず自分でも発音できない音は脳内で雑音として処理されてしまうため、どうしても子音中心の英語の音は耳に入りにくくなってしまっているのです。
しかしこれは、「英語音が聞き取れるように耳のトレーニングをする」ことによって解決することが十分可能です。
そのトレーニングには「発音の仕方を知る」「音声を実際に聞く」「自分で発音してみる」の3要素が不可欠ですので、オンライン英会話のレッスンを通して身に付けていきましょう。
ただ音声を聞き流すだけでなく自分で発音して講師からフィードバックをもらうことで、英語特有のリズム(強弱)、イントネーション、音声変化( “Nice to meet you”は「ミートユー」ではなく「ミーチュー」と発音するなど)などに次第に対応できるようになっていきますよ。
マンツーマンレッスンが手軽に受けられる
オンライン英会話のサービスの料金設定は様々ですが、25分間のレッスンを毎日受けたとしても月々6,000円ほどで済むことが多いです。
通学型の英会話スクールでネイティブ講師とマンツーマンレッスンを受講する場合と比べれば、いつでもどこでもコスパよく、なおかつ毎日アウトプットする機会が持てるのは大きなメリットですよね。
とくにTOEIC対策用の教材や専用コースが用意されていたり、TOEICの受験経験やTESOLの資格(英語を母国語としない学習者向けの英語教授法)を持っている講師を採用しているところを利用したりすれば、以下のようにより実践的で効率的な勉強をしていくことができますよ。
- TOEIC頻出の単語やフレーズを的確に押さえることができる
- 実際の問題の傾向に合った教材で勉強できる(勉強する必要のない分野の語彙や表現を学ぶことを避けられる)
- 模擬テストを受けたり弱点に合わせたレッスンを受けたりするなど、レベルや強化したいポイントに応じたオリジナルカリキュラムを組めることが多い
習慣化しやすいので英語力を総合的に向上させることができる
「TOEICは模試をたくさん解いて出題パターンに慣れることが大切だから、オンライン英会話を学習に取り入れるのは遠回りだ」という意見もありますが、本当にそうでしょうか?
たしかにオンライン英会話では短期的なスコアアップは難しいかもしれません。
TOEIC頻出の英単語やフレーズを繰り返し覚える、スピーディーに解いていくための戦略を身に付けるなどの短期間でのスコアアップを狙った勉強法の方が、効果がすぐに出やすい場合もあるでしょう。
しかし、インターネットに接続できる環境さえあれば、いつどこにいても自分の都合に合わせてレッスンを受講できるのがオンライン英会話最大の強みです。
ビジネス英会話やTOEIC対策講座などのカリキュラムをきちんとこなしていくことで、TOEIC用の知識を増やすだけでなく英語力の底上げをしていくことが期待できます。
具体的には、以下のように日々の学習をブラッシュアップしていくことができるでしょう。
- 自己流の発音のクセを修正してもらうことで正しく発音できるようになり、聞き取れる音が増える
- 「講師の話す英語を聞き取って即座に意味を理解し、自分の知識を駆使してやり取りを続ける」という経験を積んでいくことで、わざわざ日本語を介することなく英語を理解していく思考回路、いわゆる『英語脳』をつくっていくことができる
- 自然な日本語に訳しながら英語を理解する『戻り読み』のクセがついていると英文の理解スピードが遅くなってしまうので、レッスンを通して「聞こえてきた英語を英語の語順のまま頭からスピーディーに理解していく」クセをつけることができる
英語力はインプットするだけで身につくものではありません。
インプットした単語や文法をレッスンにて定期的にアウトプットすることによって、英語力の底上げをしていくことができます。
オンライン英会話であれば直前の予約やキャンセルが可能であったり24時間レッスンが提供されていたりすることが多いため、毎日のルーティーンにレッスンを組み込んで「毎日英語をインプットしながらアウトプットする習慣」を簡単につくることができますよ。
まとめ
短期間でのスコアアップを狙ったTOEICの学習法を紹介している書籍はたしかに沢山ありますし効果も上がりやすいですが、TOEICを何度か受けているうちにぶつかる『スコアの伸びの壁』を突破するには、継続的にアウトプットの機会が得られるオンライン英会話が打開策となることが多々あります。
継続的に利用していく中で、聞き取れる単語やフレーズが増えて英語を聞き取って理解するベースをつくっていくことができますので、ぜひオンライン英会話をうまく活用してTOEICのスコアアップにつなげていってくださいね。