直接話法と間接話法
“This is great” John said to them sarcastically.
(「こいつは最高だな」ジョンは彼らへ皮肉気に言った。) ①
“I am hungry…” said Ken.
(「お腹がすいたよ…」とケンは言った。) ②
My parents said “go to bed” to my sister.
(両親は「寝なさい」と妹に言いました。) ③
上記のような文を直接話法 (direct speech)と言います。
日本語の「」にあたる” ”(もしくは’ ’)が共に使われています。
小説等でも多用される直接話法は、誰かが話していた内容をそのまま第三者に伝える際に用いられます。
これらの文を以下のように言い換えることができます。
John told them that was great sarcastically.
(ジョンは、こいつは最高だなと彼らへ皮肉気に言った) ①’
Ken said (that) he was hungry.
(ケンはお腹が空いたと言った。) ②‘
My parents told my sister to go to bed.
(両親は妹に寝るよう言った。) ③‘
①‘~③’のように言い換えた文を間接話法 (reported speech)と言い、口語でも文語でも用いられる表現です。
内容自体は直接話法と同じですが、” “が無くなったため、文の構造に変化が生じています。
以下の二文を見比べて、言い換えのルールを学んでいきましょう。
直接話法
Kevin said, “I am tired”.
間接話法
Kevin said that he was tired.
Kevinが実際に疲れたと言ったのは過去のことなので、that以下に続く文もそれに合わせて過去形に変化しています(時制の一致)。
また、それに併せて主語も変更されています。
様々な間接話法
直接話法から間接話法に言い換える際は、ただthat以下の主語と動詞を変えれば良い…というわけではありません。
細かなルールが多く存在します。
しかし、ただルールを箇条書きにして覚えても、実際の会話ではゆっくりと紙に書き起こしている暇は当然なく、実践的とはとても言えないでしょう。
意識せずとも自然に直せるようにするには、ルールの丸暗記ではなく具体例に多く触れ、口からスラスラと出るようになるまで繰り返し読んでみることです。
My mother said “My bag was stolen when I went outside” to my father.
(母は父に「外に出かけた時に鞄を盗まれた」と言った。)
My mother told my father, “My bag was stolen when I went outside”.
→My mother told my father that her bag was stolen when she went outside.
※say to somebody→tell somebody (that)もしくはsaid (that)に言い換える。
Yesterday, the teacher said, “students can bring juice and snacks to school on the school festival.”
(昨日、先生は「生徒は文化祭にお菓子とジュースを持ってきても良い」と言った。)
→The teacher said the day before that students could bring juice and snacks to school on the school festival.
※can→could, yesterday→ the day beforeに言い換える。
“Do not make any noise”, the man said.
(「音を立てるな」と男は言った。)
→The man said not to make any noise.
※命令文は不定詞を用いて言い換える。
The little boy said to the girl “How old are you?”
(少年は女の子に「何歳なの?」と言った。)
→The little boy asked the girl how old she was.
※疑問文はaskを用いて言い換え、また疑問文の語順を変更する。
Shun asked his co-worker, “Do you have any plans on weekend?”
(駿は同僚に「週末に予定はあるの?」と尋ねた。)
→Shun asked his co-worker if she had any plans on weekend.
※Yes/Noで答える疑問文には、if/whetherを用いて言い換える。
時制の一致の例外
直接話法から間接話法に言い換える際、時制の一致をさせなくても良い場合があります。その事実が今も変わっていない場合です。
My wife said, “I am sick”.
(妻が「具合が悪い」と言った。)
My wife said she was sick.
過去に具合が悪かった。現在に関しては不明。
My wife said she is sick.
現在も具合が悪い。
The teacher explained “The sun is not rotating around the Earth. The Earth is rotating around sun”.
(先生は「太陽は地球の周りを回っていない。地球が太陽の周りを回っているのだ」と説明した。)
The teacher explained that the sun is not rotating around the Earth. The Earth is rotating around sun.
変わらない不変の真理は時制の一致をさせない。
まとめ
- 小説等の文語表現や相手の指示等をそのまま伝えたい時は直接話法を用いる。
- 口語表現では間接話法が一般的に用いられる。
- 直接話法から間接話法に言い換える際、ほとんどの場合において時制の一致や語句の言い換え等が生じる。