“on”と”onto”はどちらも「~上に」と表現できる前置詞です。
しかしこの2つの使い分けは意外と知られていません。
実はそれぞれの単語には違うニュアンスが存在し、使う場面が違います。
それぞれのニュアンスの違いのポイントをまとめると
- “on”は何かの上に既にある状態を示す
- “onto”は別の場所からに上に移動するという動作を伴い、移動した場所にある状態を示す
上記の違いを意識しながら、実際にどのように使われているのか、詳しい解説を例文と共に見ていきましょう。
onの意味や使い方
“on”は既に何かの上にいる/ある状態示す際に使われる前置詞です。
“on”は「接触・近接」が元々の意味になるので、何かの上にある状態を示す以外にも、付着の意味で「~にくっついて」とか「~を身に着けて」だったり、状態を示して「~中である」など色んな意味で捉えることのできる、幅広く使われる前置詞です。
また“on”は副詞でも使われることもあり、動詞の後に置かれて、動詞が示す動作の詳細を補います。例としては「get on(乗りなさい)」や「hold on(しっかりつかまって)」などがあります。
onを使った例文
I saw a cat jumping on the sofa.
猫がソファの上でジャンプしているのを見た。
The book is on the table.
その本はテーブルの上にある。
There was a famous painting on the wall.
壁に有名な画が掛かっていた。
The dress looks good on you.
そのドレスは君に良く似合っている。
I found out my long-awaited book was on sale on my way to the school.
待望の本が販売中であるのを登校中に見つけた。
Hold on tight! otherwise, you will fall off.
しっかりつかまって! じゃなきゃ落ちるわよ。
ontoの意味や使い方
“onto” は動作を伴って別の場所からに上に移動する場合に使用される前置詞で、何かの動きや変化がある状態の時にその様子を強調できる前置詞です。
もともと「onto」は「on to」と2語で綴られることが正しいとされていて、「onto」は主にアメリカ英語で、「on to」はイギリス英語で使用されます。
動きだけでなく、建物が「~に面している」とか、話題などが「~にむけられている」とか、人のたくらみ(犯罪)に「気づいている」などの場合にも使われます。
ontoを使った例文
I saw a cat jumping onto the sofa.
猫がソファに飛び乗ったのを見た。
She stepped down from the train onto the platform.
彼女は電車からプラットフォームに降り立った。
The riots broke the barricade and ran onto the parliament.
暴動はバリケードを壊し、議会に駆け込んできた。
Scientists believe they are onto something big.
科学者は何か大きなことをしていると信じている。
The beautiful castle looks onto the ocean.
その美しい城は海に面している。
She knew the police would be onto the person.
彼女はその人が警察に感づかれるであろうことを知っていた。
まとめ
“on“と“onto”の違いは前置詞の意味の違いを知っておくと理解しやすくなります。
既に何かの上にある状態を示す時は”on”を使い、別の場所からその上に移動する動きがある状態を示すには”onto”を使います。
同じ例文でも”on”と”onto”が違うだけで、「猫がソファでジャンプしている」のか「猫がソファに飛び乗った」のか、それぞれ意味が変わってきます。
小説などの登場人物の描写にもよく使われるので、是非違いを理解してそれぞれ違う描写をイメージできるようになってくださいね。