allowは英語の基本動詞の一つで、「許可する」「可能にする」という意味を持ちます。
日常会話からビジネス文書、TOEICなどの試験まで幅広く使われる重要な動詞です。
この記事では、allowのコアイメージから具体的な使い方、混同されやすいpermitやletとの違いまで、実践的な例文とともに詳しく解説します。
初心者の方でも理解しやすいよう、シーン別の例文や練習問題も豊富に用意しました。
allowのコアイメージ
allowの語源は古フランス語の「alouer」(承認する、割り当てる)に由来します。
コアイメージは「制約や障害を取り除いて、何かが起こることを可能にする」です。
単に「許す」だけでなく、「条件や状況が何かを可能にする」というニュアンスも含んでいます。
このコアイメージを理解すると、allowの様々な用法が自然に理解できるようになります。
allowの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
単語 | allow |
発音 | /əˈlaʊ/(アラウ) |
品詞 | 動詞(他動詞) |
語源 | 古フランス語 alouer(承認する) |
レベル | 英検3級〜、TOEIC頻出 |
変化形 | 形 |
---|---|
三人称単数現在 | allows |
過去形 | allowed |
過去分詞 | allowed |
現在分詞 | allowing |
allowは規則動詞で、過去形・過去分詞ともに-edを付けるだけのシンプルな変化をします。
発音・アクセントの注意
allowの発音は /əˈlaʊ/(アラウ)で、第2音節の「laʊ」にアクセントが置かれます。
日本人学習者は「アロー」と発音しがちですが、正しくは「アラウ」です。
特に注意すべきポイントは以下の3つです。
第1音節は弱く曖昧母音 /ə/ で発音します。「ア」とはっきり発音せず、軽く「ア」と言う程度です。
第2音節の /laʊ/ は二重母音で、「ラウ」と発音します。「ロー」にならないよう注意しましょう。
アクセントは第2音節の「laʊ」にしっかり置くことで、ネイティブらしい発音になります。
「アラウ」と発音する際、「ラ」の部分を強く長めに発音するイメージです。
allowの意味とニュアンス
allowには主に3つの意味があり、それぞれ微妙にニュアンスが異なります。
〜を許可する・認める
最も基本的な意味で、人が何かをすることを許可する場合に使います。
公式な許可から日常的な許しまで幅広く使える表現です。
My parents don’t allow me to stay out late.
両親は私が遅くまで外出することを許してくれません。
Smoking is not allowed in this building.
この建物内では喫煙は許可されていません。
The teacher allowed us to use dictionaries during the test.
先生は試験中に辞書を使うことを許可してくれました。
〜を可能にする・余地を与える
状況や条件が何かを可能にするという意味で使われます。
主語が人ではなく、物事や状況になることが多いのが特徴です。
This app allows you to edit photos easily.
このアプリを使うと写真を簡単に編集できます。
The new schedule allows for more flexibility.
新しいスケジュールはより柔軟性を持たせています。
The large windows allow natural light to enter the room.
大きな窓が部屋に自然光を取り込むことを可能にしています。
〜を与える・割り当てる
時間、お金、スペースなどを割り当てる・提供するという意味でも使われます。
フォーマルな文脈やビジネスシーンで頻出します。
Please allow three business days for delivery.
配達には営業日で3日間をお見込みください。
The company allows each employee a budget of $500 for training.
会社は各従業員にトレーニングのための予算として500ドルを割り当てています。
We should allow enough time for questions at the end.
最後に質問のための十分な時間を取っておくべきです。
allowの使い方
allowは主に3つの文型で使われます。それぞれの使い方を詳しく見ていきましょう。
allow + 人 + to do(人が〜することを許可する)
最も一般的な文型で、「allow + 目的語(人)+ to + 動詞の原形」の形を取ります。
TOEICや英検でも頻出の重要構文です。
The manager allowed me to leave early today.
マネージャーは今日早退することを許可してくれました。
This ticket allows you to enter the museum twice.
このチケットで博物館に2回入場できます。
We are not allowed to use our phones during class.
私たちは授業中に携帯電話を使うことが許されていません。
The new policy allows employees to work from home.
新しい方針により、従業員は在宅勤務ができるようになりました。
allow + 名詞(〜を許可する)
名詞を直接目的語に取る形で、シンプルで使いやすい文型です。
特に受動態「be allowed」の形でよく使われます。
The venue doesn’t allow outside food.
その会場は外部からの食べ物の持ち込みを許可していません。
No pets are allowed in this apartment.
このアパートではペットの飼育は許可されていません。
The school allows casual dress on Fridays.
学校は金曜日にカジュアルな服装を認めています。
Photography is allowed in most areas of the museum.
博物館のほとんどのエリアで写真撮影が許可されています。
allow for + 名詞(〜を考慮に入れる・余地を持たせる)
「allow for」の形で、何かを考慮する、余裕を持たせるという意味になります。
計画や準備について話す際によく使われる表現です。
We need to allow for possible delays.
起こりうる遅延を考慮に入れる必要があります。
The budget allows for unexpected expenses.
予算には予期しない出費が含まれています。
You should allow for at least 30 minutes of travel time.
少なくとも30分の移動時間を見込んでおくべきです。
The design allows for future expansion.
その設計は将来の拡張を可能にしています。
allowの句動詞
allowを使った句動詞は限られていますが、「allow for」が最も重要です。
allow for
「〜を考慮する、見込む、余地を持たせる」という意味で使われます。
計画、予算、時間配分などについて話す際に頻出する表現です。
The timeline allows for some flexibility.
そのスケジュールにはある程度の柔軟性があります。
We must allow for inflation when planning the budget.
予算を計画する際にはインフレを考慮しなければなりません。
The estimate allows for material costs and labor.
その見積もりには材料費と人件費が含まれています。
Allow for extra time during rush hour.
ラッシュアワー中は余分な時間を見込んでおきましょう。
allowのコロケーション
コロケーション | 意味 | 例文 |
---|---|---|
allow access to | 〜へのアクセスを許可する | This pass allows access to all facilities. |
allow time for | 〜のための時間を取る | Please allow time for security checks. |
not allow | 許可しない | The rules do not allow exceptions. |
allow someone to do | 人が〜することを許可する | They allowed us to park here. |
allow for the possibility | 可能性を考慮する | We must allow for the possibility of rain. |
allow freedom | 自由を与える | The system allows greater freedom. |
allow flexibility | 柔軟性を持たせる | This approach allows more flexibility. |
これらのコロケーションは自然な英語表現として頻繁に使われます。
特にビジネス英語やTOEICでは、これらの組み合わせで出題されることが多いので覚えておきましょう。
allowを使った例文(シーン別)
試験でよく出る例文
Participants are not allowed to bring electronic devices into the exam room.
参加者は電子機器を試験会場に持ち込むことが許可されていません。
The company policy allows employees up to five days of sick leave per year.
会社の方針では、従業員は年間最大5日間の病気休暇を取得できます。
Please allow 24 hours for processing your application.
申請の処理には24時間をお見込みください。
Students are allowed to use calculators during the mathematics test.
生徒は数学のテスト中に計算機を使用することが許可されています。
The new system allows for more efficient data management.
新しいシステムにより、より効率的なデータ管理が可能になります。
日常会話で使う例文
My parents don’t allow me to go out on weeknights.
両親は平日の夜に外出することを許してくれません。
Does this restaurant allow dogs on the patio?
このレストランはテラス席に犬を連れて行けますか。
I’ll allow you one more chance, but that’s it.
もう一度だけチャンスをあげるけど、それで最後よ。
Can you allow me five minutes to finish this?
これを終わらせるのに5分もらえますか。
They don’t allow swimming in this lake.
この湖では泳ぐことが許可されていません。
ビジネス文書・メールで使う例文
Our flexible work policy allows employees to adjust their schedules as needed.
当社の柔軟な勤務方針により、従業員は必要に応じてスケジュールを調整できます。
Please allow three to five business days for shipment.
発送には営業日で3〜5日をお見込みください。
This software allows users to collaborate in real time.
このソフトウェアにより、ユーザーはリアルタイムで共同作業ができます。
We regret that we cannot allow refunds after 30 days.
誠に申し訳ございませんが、30日経過後の返金はお受けできません。
The new budget allows for a 10% increase in marketing expenses.
新しい予算では、マーケティング費用を10%増額できます。
Our terms and conditions do not allow unauthorized reproduction of materials.
当社の利用規約では、資料の無断複製は認められていません。
allowの類義語・関連語
単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
---|---|---|
permit | 動詞 | 公式な許可(allowよりフォーマル) |
let | 動詞 | カジュアルな許可(allowより口語的) |
authorize | 動詞 | 正式に権限を与える(最もフォーマル) |
enable | 動詞 | 可能にする・能力を与える |
approve | 動詞 | 承認する・賛成する |
tolerate | 動詞 | 容認する・我慢する |
「allow」と似た意味を持つpermitの意味と使い方や、カジュアルな許可を表すletの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
allow vs permit
allowとpermitは両方とも「許可する」という意味ですが、フォーマル度と使用場面が異なります。
allowは日常会話からビジネスまで幅広く使える汎用的な表現です。
一方、permitはより公式で法的な許可を表す際に使われ、書き言葉やフォーマルな文脈で好まれます。
The school allows students to use laptops in class.
学校は生徒が授業中にノートパソコンを使うことを許可しています。
Smoking is not permitted in any part of the building.
建物のいかなる場所でも喫煙は許可されていません。
文法的な違いとして、permitは「permit + 人 + to do」の形だけでなく、「permit + 動名詞」の形も取れます。
一方、allowは基本的に「allow + 人 + to do」の形を取ります。
The rules do not permit smoking.
規則は喫煙を許可していません。
The rules do not allow smoking.
規則は喫煙を許可していません。
allow vs let
allowとletは両方とも「許可する」という意味ですが、カジュアル度と文法構造が大きく異なります。
letは非常にカジュアルで日常会話で頻繁に使われます。
文法的に、letは「let + 人 + 動詞の原形」(to不要)の形を取るのが特徴です。
My mom lets me stay up late on weekends.
母は週末に夜更かしすることを許してくれます。
My mom allows me to stay up late on weekends.
母は週末に夜更かしすることを許可してくれます。
letは主に口語で使われ、親しい関係での許可を表します。
allowはフォーマルな場面でも使えるため、ビジネス文書や公式な文脈ではallowを選びましょう。
また、受動態の場合、letは「be let to do」ではなく「be allowed to do」の形になることにも注意が必要です。
We are allowed to leave early on Fridays.
私たちは金曜日に早退することが許可されています。
試験・ビジネス頻出度
allowは各種英語試験とビジネスシーンで非常に高い頻出度を誇る重要動詞です。
TOEICでは、特にPart 5(文法問題)とPart 7(読解問題)で頻繁に出題されます。
「allow + 人 + to do」の文型や、受動態「be allowed to do」の形での出題が多く見られます。
また、ビジネス文書やポリシーに関する問題で「allow for」の用法もよく問われます。
英検では準2級以上で出題され、特に2級以上では必須の語彙となります。
ライティングセクションでルールや規則について説明する際に使える便利な表現です。
ビジネス英語では、allowは社内規定、利用規約、契約書、メールなどあらゆる場面で使用されます。
特に以下のような表現は頻出です。
「Please allow 〜 for delivery」(配達に〜をお見込みください)
「The policy allows employees to 〜」(方針により従業員は〜できます)
「We cannot allow 〜」(〜をお受けできません)
「This feature allows you to 〜」(この機能により〜できます)
また、プレゼンテーションや会議で「Allow me to explain」(説明させてください)という丁寧な表現もよく使われます。
ネイティブがよく使う自然な表現
ネイティブスピーカーはallowを使った様々な自然な表現を日常的に使っています。
Allow me.
お手伝いさせてください。(ドアを開けるときなど)
Allow me to introduce myself.
自己紹介をさせてください。
If time allows.
時間が許せば。
Weather permitting. / If weather allows.
天候が良ければ。
Let me explain, if you’ll allow.
よろしければ説明させてください。
I’m not allowed to say.
言うことが許されていません。(秘密を守るとき)
That’s not allowed.
それは許可されていません。
Allow yourself some time to relax.
リラックスする時間を自分に与えましょう。
Don’t allow yourself to be pressured.
プレッシャーを受けないようにしなさい。
Allow for the unexpected.
予期しないことに備えましょう。
これらの表現は会話の流れの中で自然に使われるため、覚えておくと英語がより自然に聞こえます。
allowのよくある間違い
allowを使う際によく見られる間違いとその修正方法を確認しましょう。
❌ My parents don’t allow me go out late.
✅ My parents don’t allow me to go out late.
解説:allowの後は必ず「to + 動詞の原形」が必要です。
letと混同して「to」を省略しないよう注意しましょう。
❌ Please allow me introduce myself.
✅ Please allow me to introduce myself.
解説:「allow + 人 + to do」の形を守る必要があります。
「to」の省略は文法的に誤りです。
❌ Smoking is not allowing in this area.
✅ Smoking is not allowed in this area.
解説:受動態は「be allowed」の形になります。
「be allowing」は現在進行形で、意味が異なります。
❌ The rules allow to use phones.
✅ The rules allow us to use phones.
解説:allowの後には目的語(人)が必要です。
「allow + to do」だけでは不完全な文になります。
❌ We must allow about the traffic.
✅ We must allow for the traffic.
解説:「考慮する」という意味では「allow for」を使います。
前置詞「for」を忘れないようにしましょう。
❌ The system allows you accessing the files.
✅ The system allows you to access the files.
解説:allowの後は「to + 動詞の原形」です。
動名詞(-ing形)を使わないよう注意しましょう。
❌ I will allow you going there.
✅ I will allow you to go there.
解説:permitは動名詞を取れますが、allowは「to + 動詞の原形」のみです。
この違いをしっかり覚えましょう。
❌ Please allow time to security check.
✅ Please allow time for security check.
解説:「〜のための時間」は「time for」です。
「allow time for」で「〜のための時間を取る」という意味になります。
allowの理解度チェック
学んだ内容を確認するために、以下の練習問題に挑戦してみましょう。
穴埋め問題(5問)
1. The company ______ employees to work remotely twice a week.
(会社は従業員が週に2回リモートワークすることを許可しています)
2. Photography is not ______ inside the museum.
(博物館内では写真撮影は許可されていません)
3. Please ______ 2-3 business days for delivery.
(配達には営業日で2〜3日をお見込みください)
4. We need to allow ______ unexpected delays.
(予期しない遅延を考慮する必要があります)
5. The new software ______ users to edit documents collaboratively.
(新しいソフトウェアにより、ユーザーは共同で文書を編集できます)
選択肢問題(5問)
1. My parents don’t ______ me ______ stay out after midnight.
a) allow / for
b) allow / to
c) allow / –
d) let / for
2. Visitors are not ______ to take pictures in this area.
a) allowing
b) allow
c) allowed
d) to allow
3. The budget allows ______ a 15% increase in expenses.
a) to
b) for
c) about
d) with
4. This pass ______ you ______ enter all facilities.
a) allows / –
b) allows / for
c) allows / to
d) allow / to
5. We should ______ enough time ______ questions.
a) allow / to
b) allow / for
c) allow / about
d) allows / for
解答
【穴埋め問題】
1. allows
2. allowed
3. allow
4. for
5. allows
【選択肢問題】
1. b) allow / to
解説:「allow + 人 + to do」の形です。
2. c) allowed
解説:受動態「be allowed to do」の形です。
3. b) for
解説:「allow for」で「〜を考慮する」という意味です。
4. c) allows / to
解説:「allow + 人 + to do」の形で、主語が三人称単数なのでallowsになります。
5. b) allow / for
解説:「allow time for」で「〜のための時間を取る」という意味です。
allowのコーパス実例
実際の英語使用例を見ることで、allowの自然な使い方をより深く理解できます。
新聞記事:The New York Times
The new legislation allows companies to deduct up to 50% of their research and development costs.
新しい法律により、企業は研究開発費の最大50%を控除できるようになります。
Public health officials are not allowing large gatherings until further notice.
公衆衛生当局は、さらなる通知があるまで大規模な集会を許可していません。
The agreement allows for renegotiation after five years.
この合意により、5年後に再交渉が可能になります。
日常会話:映画のセリフ
“I can’t allow you to do this. It’s too dangerous.”
「君にこれをさせるわけにはいかない。危険すぎる」
“My schedule doesn’t allow me much free time these days.”
「最近、スケジュールがタイトで自由な時間がほとんど取れないんだ」
“Allow me to help you with that.”
「お手伝いさせてください」
ビジネススピーチ:TED Talk
Technology allows us to connect with people across the globe instantly.
テクノロジーにより、私たちは世界中の人々と瞬時につながることができます。
We must allow ourselves to fail if we want to innovate.
革新を起こしたいなら、失敗することを自分に許さなければなりません。
This approach allows for greater creativity and collaboration.
このアプローチにより、より大きな創造性と協力が可能になります。
allowに関するよくある質問
まとめ
- コアイメージは「制約を取り除いて、何かが起こることを可能にする」
- 主な意味は「許可する」「可能にする」「割り当てる」の3つ
- 基本文型は「allow + 人 + to do」で、toを省略しないよう注意
- 「allow for」は「〜を考慮する、見込む」という重要な表現
- permitはallowよりフォーマル、letはallowよりカジュアル
- TOEICやビジネス英語で頻出の必須動詞
- 受動態は「be allowed to do」の形を使う
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、allowの使い方が自然に身につきます。
英単語を効率よく覚えられるおすすめ本
英語学習の基本は、まず語彙力をしっかり身につけること。
ここでは、効率よく英単語を覚えて、長く使える力に変えていけるおすすめの本をご紹介します。



