英語で「気づく」と言いたいとき、realize、notice、recognizeなど複数の動詞が思い浮かびませんか?
特に「realize」は日本人学習者が混乱しやすい単語の一つです。
realizeはTOEICや日常会話で非常によく使われる重要動詞です。
単なる「気づく」ではなく、「事実や真実を理解する・認識する」という深い理解を伴うニュアンスがあり、noticeやrecognizeとは明確に使い分ける必要があります。
この記事では、realizeのコアイメージから具体的な使い方、類義語との違い、よくある間違いまで、豊富な例文とともに解説します。
「realize that」の使い方や、アメリカ英語とイギリス英語のスペリングの違いも詳しく説明します。
realizeのコアイメージ
realizeの語源は「real(現実の)」に由来します。
コアイメージは「漠然としていたものが現実として明確になる・事実として理解する」です。
このイメージから、realizeには「気づく」「認識する」「実現する」といった意味が生まれました。
重要なのは、単なる表面的な気づきではなく、より深い理解や認識を伴うという点です。
例えば、部屋に誰かがいることに「気づく」のは「notice」ですが、自分が間違っていたことを「理解する」のは「realize」です。
realizeは知的な理解や認識のプロセスを含んでいます。
また、realizeには「実現する」という意味もあり、夢や計画を「現実のものにする」というニュアンスも持っています。
ただし、現代英語では「気づく・認識する」の意味での使用が圧倒的に多いです。
realizeの基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
単語 | realize(米)/ realise(英) |
発音 | /ˈriːəlaɪz/(リーアライズ) |
品詞 | 動詞(他動詞) |
語源 | real(現実の)+ -ize(〜にする) |
TOEIC頻出度 | ★★★★★(非常に高い) |
文法項目 | 詳細 |
---|---|
自動詞用法 | ×(他動詞のみ) |
他動詞用法 | ○(realize + that節 / realize + 名詞) |
受動態 | △(あまり使われない) |
進行形 | ×(状態動詞として使う場合は不可) |
過去形 | realized / realised |
過去分詞 | realized / realised |
現在分詞 | realizing / realising |
※realizeはアメリカ英語のスペリングで、イギリス英語では「realise」と書きます。発音は同じです。
この記事ではアメリカ英語の「realize」を使用しますが、どちらも正しいスペリングです。名詞形は「realization(認識、実現)」です。
発音・アクセントの注意
realizeの発音は /ˈriːəlaɪz/ です。
カタカナで表記すると「リーアライズ」ですが、第1音節の「rea-」にアクセントを置くことが重要です。
発音のポイント:
- 第1音節「rea-」を強く /ˈriː/ と発音(「リー」を長く)
- 第2音節「-al-」は弱く /ə/ で発音(曖昧母音)
- 第3音節「-ize」は /laɪz/ で「ライズ」と明確に
- 全体で3音節:RE-a-lize
よくある発音ミス:
❌ リアライズ(第2音節を強調)
✅ リーアライズ(第1音節を強調)
❌ レアライズ(第1音節が短い)
✅ リーアライズ(第1音節を長く)
日本人学習者は「リアライズ」と言いがちですが、第1音節の「リー」を長く強調することでネイティブらしい発音になります。
また、語尾の「-ize」は「アイズ」とはっきり発音しましょう。
スペリングの違い:
- アメリカ英語:realize /ˈriːəlaɪz/
- イギリス英語:realise /ˈriːəlaɪz/
発音は同じですが、スペリングが異なります。
TOEICではアメリカ英語が基準なので「realize」が使われますが、イギリス英語圏では「realise」が一般的です。
realizeの意味とニュアンス
realizeには大きく分けて2つの主要な意味があります。
現代英語では「気づく・認識する」の意味が圧倒的に多く使われます。
【他動詞】気づく・認識する・理解する
最も基本的で頻出の意味です。「realize that」の形で「〜ということに気づく」という意味になります。
単なる表面的な気づきではなく、事実や真実を深く理解する・認識するというニュアンスがあります。
I realized that I had made a mistake.
私は自分が間違いを犯したことに気づいた。
She didn’t realize how difficult the task would be.
彼女はその作業がどれほど難しいか理解していなかった。
Do you realize what you’ve done?
あなたは自分が何をしたか分かっているのですか?
この意味でのrealizeは、知的な理解や認識のプロセスを含みます。
「知らなかったことを知る」「理解していなかったことを理解する」というニュアンスです。
【他動詞】〜を実現する・現実のものにする
やや古風でフォーマルな用法ですが、「夢や計画、目標などを実現する」という意味でも使われます。
ビジネスや自己啓発の文脈で見られる表現です。
He finally realized his dream of becoming a doctor.
彼はついに医者になるという夢を実現した。
The company realized its goals ahead of schedule.
その会社は予定より早く目標を実現した。
She worked hard to realize her ambitions.
彼女は野望を実現するために懸命に働いた。
この意味では「achieve」や「fulfill」に近いニュアンスです。
ただし、現代英語では「気づく」の意味の方が圧倒的に多く使われます。
【他動詞】(資産などを)現金化する
金融やビジネスの専門的な文脈で、「資産を現金化する」「利益を実現する」という意味でも使われます。
やや専門的な用法です。
The investor realized a profit of $50,000.
その投資家は5万ドルの利益を実現した。
They realized their assets to pay off debts.
彼らは借金を返済するために資産を現金化した。
この意味は一般的な日常会話ではあまり使われませんが、ビジネス英語では重要です。
realizeの使い方
realizeの使い方を文型別に詳しく解説します。
特に「realize that」の構文が最も重要で頻出です。
realize that + 文(〜ということに気づく)
最も一般的で重要な使い方です。「realize that + 主語 + 動詞」の形で「〜ということに気づく」という意味になります。
that節の中には完全な文(主語+動詞)が入ります。
I suddenly realized that I had left my wallet at home.
私は突然、財布を家に忘れてきたことに気づいた。
She realized that she was being followed.
彼女は自分が尾行されていることに気づいた。
They didn’t realize that the meeting had been canceled.
彼らは会議がキャンセルされたことに気づいていなかった。
Did you realize that it’s already midnight?
もう真夜中だということに気づいていましたか?
口語では「that」を省略することもよくあります。
例:I realized I was wrong.(私は自分が間違っていたと気づいた)
realize + 疑問詞節(〜かということに気づく)
「realize how/what/why/when」などの疑問詞節を伴う形も頻出です。
「どれほど〜か」「何を〜か」などに気づく・理解するという意味になります。
I didn’t realize how expensive this city was.
私はこの街がどれほど物価が高いか理解していなかった。
She realized what she needed to do.
彼女は自分が何をすべきかを理解した。
He realized why the project had failed.
彼はそのプロジェクトがなぜ失敗したのかを理解した。
Do you realize how much time we’ve wasted?
私たちがどれだけ時間を無駄にしたか分かっていますか?
疑問詞節を使うことで、程度や理由、方法などについての認識を表現できます。
realize + 名詞(〜に気づく/〜を実現する)
名詞を直接目的語にとる形です。「気づく」の意味では抽象名詞が、「実現する」の意味では夢や目標が来ます。
that節よりも簡潔な表現です。
I realized my mistake immediately.
私はすぐに自分の間違いに気づいた。
She realized the importance of teamwork.
彼女はチームワークの重要性を認識した。
He realized his dream of owning a business.
彼は事業を所有するという夢を実現した。
They realized the potential of the new technology.
彼らは新技術の可能性を認識した。
「realize + 名詞」の形は、特にフォーマルな文書でよく使われます。
否定文・疑問文での使い方
realizeは否定文や疑問文でもよく使われます。
「気づいていない」「理解していない」という状態を表現する際に重要です。
I didn’t realize you were here.
あなたがここにいるとは気づきませんでした。
She doesn’t realize how talented she is.
彼女は自分がどれほど才能があるか理解していない。
Don’t you realize the consequences of your actions?
あなたの行動の結果が分かっていないのですか?
I never realized how much you cared.
あなたがどれだけ気にかけてくれていたか全く気づいていませんでした。
否定文では「理解していなかった」「認識していなかった」という無知の状態を表します。
realizeの句動詞
realizeは基本的に単独で使われることが多く、前置詞と組み合わせた句動詞はほとんどありません。
ただし、いくつかの関連表現があります。
come to realize
意味:徐々に気づく・理解するようになる
ニュアンス:時間をかけて理解に至るプロセスを強調
I came to realize that money isn’t everything.
私はお金がすべてではないということに気づくようになった。
Over time, she came to realize her true feelings.
時間をかけて、彼女は自分の本当の気持ちに気づいた。
begin/start to realize
意味:気づき始める
ニュアンス:認識が始まる瞬間を表す
I’m beginning to realize how difficult this is.
これがどれほど難しいか気づき始めている。
People are starting to realize the importance of sustainability.
人々は持続可能性の重要性に気づき始めている。
realizeは他の動詞ほど句動詞のバリエーションは多くありませんが、「come to realize」は非常によく使われる表現なので覚えておきましょう。
realizeのコロケーション
realizeと一緒によく使われる単語を知ることで、自然な英語表現が身につきます。
以下は実際の会話や文書で頻出する組み合わせです。
コロケーション | 意味 | 例文 |
---|---|---|
suddenly realize | 突然気づく | I suddenly realized the answer. |
gradually realize | 徐々に気づく | She gradually realized the truth. |
fully realize | 完全に理解する | Do you fully realize the risks? |
clearly realize | はっきりと認識する | I clearly realize my responsibility. |
quickly realize | すぐに気づく | He quickly realized his error. |
finally realize | ついに気づく | She finally realized what he meant. |
fail to realize | 気づかない | They failed to realize the danger. |
come to realize | 気づくようになる | I came to realize my mistake. |
begin to realize | 気づき始める | People are beginning to realize the issue. |
realize the importance | 重要性を認識する | We must realize the importance of education. |
これらのコロケーションはTOEICや日常会話で頻出します。
特に副詞(suddenly, gradually, fully)と組み合わせることで、気づき方のニュアンスを細かく表現できます。
また、「realize the importance/significance/value」のような抽象名詞との組み合わせもビジネス英語でよく使われます。
realizeを使った例文(シーン別)
実際の場面でrealizeがどのように使われるか、シーン別に例文を見ていきましょう。
試験でよく出る例文
TOEICや英検などの試験でよく見られるrealizeの使い方です。
I didn’t realize that the deadline had been moved up.
締め切りが前倒しになっていたことに気づきませんでした。
She realized that she had forgotten to submit the report.
彼女はレポートを提出し忘れたことに気づいた。
Do you realize how much this project will cost?
このプロジェクトにどれだけの費用がかかるか分かっていますか?
The company realized significant profits this quarter.
その会社は今四半期に大きな利益を実現した。
He didn’t realize the meeting had already started.
彼は会議がすでに始まっていたことに気づかなかった。
We need to realize the potential of this new market.
私たちはこの新しい市場の可能性を認識する必要がある。
I suddenly realized what the problem was.
私は突然、何が問題なのか気づいた。
日常会話で使う例文
友人や家族との会話で自然に使えるrealizeの表現です。
I just realized it’s your birthday today!
今日があなたの誕生日だって今気づいた!
Did you realize we’ve been friends for ten years?
私たちが友達になって10年になることに気づいてた?
I didn’t realize you were so good at cooking.
あなたが料理がそんなに上手だとは知らなかった。
She realized she was falling in love with him.
彼女は自分が彼に恋をしていることに気づいた。
I realize now that I was wrong.
今になって自分が間違っていたと分かる。
Do you realize how late it is?
もうこんな時間だって気づいてる?
I never realized how hard parenting could be.
子育てがこんなに大変だとは思ってもみなかった。
ビジネス文書・メールで使う例文
職場のメールや正式な文書で使える丁寧な表現です。
We realize that this may cause some inconvenience.
これにより若干のご不便をおかけする可能性があることを認識しております。
I realize the urgency of this matter and will address it immediately.
この件の緊急性を認識しており、直ちに対処いたします。
The management realizes the need for improved communication.
経営陣はコミュニケーション改善の必要性を認識しています。
We have realized significant cost savings through this initiative.
この取り組みを通じて大幅なコスト削減を実現しました。
I didn’t realize the project scope had changed.
プロジェクトの範囲が変更されたことに気づきませんでした。
Please realize that this decision affects all departments.
この決定がすべての部門に影響することをご理解ください。
The team realized their goals ahead of schedule.
チームは予定より早く目標を達成しました。
I realize that additional resources may be required.
追加のリソースが必要になる可能性があることを認識しています。
realizeの類義語・関連語
realizeと似た意味を持つ動詞を理解することで、より正確な使い分けができるようになります。
単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
---|---|---|
notice | 動詞 | 気づく(五感による表面的な気づき) |
recognize | 動詞 | 認識する(以前知っていたものを識別) |
understand | 動詞 | 理解する(意味や理由を把握) |
grasp | 動詞 | 把握する(概念や状況を理解) |
comprehend | 動詞 | 理解する(フォーマル・完全な理解) |
perceive | 動詞 | 知覚する(感覚や直感で気づく) |
discover | 動詞 | 発見する(新しい情報を見つける) |
become aware | 句動詞 | 意識するようになる |
「realize」と似た意味を持つnoticeの意味と使い方や、認識することを表すrecognizeの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
realizeとよく混同される類義語との違いを、具体的な例文とともに解説します。
これらの使い分けはTOEICでも頻出します。
realize vs notice
realize(気づく・認識する)
→ 知的な理解を伴う気づき。事実や真実を深く認識する。頭で理解する。
notice(気づく)
→ 五感による表面的な気づき。目や耳で情報をキャッチする。
比較例文
I realized that I had been making the same mistake for years.
私は何年も同じ間違いを犯し続けていたことに気づいた。
→ 知的な理解・認識(深い気づき)
I noticed a strange smell in the room.
私は部屋で変な匂いに気づいた。
→ 五感による気づき(嗅覚で感じた)
She realized that her priorities had changed.
彼女は自分の優先順位が変わったことに気づいた。
→ 内面的な変化の認識
She noticed that the door was open.
彼女はドアが開いていることに気づいた。
→ 視覚による気づき
使い分けのポイント
- realizeは知的・抽象的な認識に使う
- noticeは感覚的・具体的な気づきに使う
- realizeは内面的な理解、noticeは外部の変化の認識
- realizeは「that節」とよく使われ、noticeは「名詞」や「-ing」とよく使われる
TOEICでは、文脈が知的な理解を求めているか、感覚的な気づきを求めているかで判断します。
realize vs recognize
realize(気づく・認識する)
→ 新しい理解や認識に至る。今まで知らなかったことを知る。
recognize(認識する・識別する)
→ 以前知っていたものを識別する。見覚えがある・聞き覚えがある。
比較例文
I realized that I needed to change my approach.
私は自分のアプローチを変える必要があることに気づいた。
→ 新しい理解に至った
I recognized him from the photo.
私は写真から彼だと分かった。
→ 以前見たことがある人を識別した
She realized the importance of time management.
彼女は時間管理の重要性を認識した。
→ 新たに理解した
She recognized the song immediately.
彼女はすぐにその曲を識別した。
→ 聞いたことがある曲だと分かった
使い分けのポイント
- realizeは新しい理解・認識(今まで知らなかったことを知る)
- recognizeは既知のものの識別(以前知っていたものを思い出す)
- realizeは「that節」をとることが多い
- recognizeは「人・物」を直接目的語にとることが多い
- realizeは内的な認識、recognizeは外的な識別
ただし、recognizeにも「認識する・理解する」という意味があり、その場合はrealizeに近くなります。
例:I recognize the importance of this issue.(この問題の重要性を認識している)
realize vs understand
realize(気づく・認識する)
→ 気づきの瞬間・認識に至るプロセスを強調。「分かった!」という瞬間。
understand(理解する)
→ 理解している状態を表す。意味や理由を把握している。
比較例文
I suddenly realized why she was upset.
私は突然、彼女がなぜ怒っているのか気づいた。
→ 気づきの瞬間を表す(それまで分からなかった)
I understand why she was upset.
私は彼女がなぜ怒っているのか理解している。
→ 理解している状態を表す(すでに分かっている)
He realized that his plan wouldn’t work.
彼は自分の計画がうまくいかないことに気づいた。
→ 新たに認識した
He understands that his plan won’t work.
彼は自分の計画がうまくいかないことを理解している。
→ すでに理解している
使い分けのポイント
- realizeは「気づく瞬間」や「認識の変化」を表す
- understandは「理解している状態」を表す
- realizeは過去形でよく使われる(気づいた瞬間を表す)
- understandは現在形でもよく使われる(現在の理解状態)
- realizeは「突然」「やっと」などの副詞と相性が良い
会話では「I realize…」(今気づいた)と「I understand…」(理解している)は微妙に異なるニュアンスを持ちます。
試験・ビジネス頻出度
realizeは英語試験とビジネスシーンの両方で非常に重要な動詞です。
その頻出度と使われ方を詳しく見ていきましょう。
TOEIC
頻出度:★★★★★(非常に高い)
TOEICでは全パートでrealizeが頻繁に登場します。
特にPart 3(会話問題)、Part 4(説明文問題)、Part 7(読解問題)での出現率が非常に高いです。
よく出題される文脈
- ミスや問題に気づく場面(realize a mistake, realize the problem)
- 締め切りや予定の認識(didn’t realize the deadline)
- 状況の理解(realize how difficult/important)
- 目標の達成(realize one’s goals)
- ビジネス上の認識(realize the potential, realize the need)
TOEIC頻出フレーズ
I didn’t realize the meeting had been rescheduled.
会議が予定変更されたことに気づきませんでした。
She realized that she had forgotten to attach the file.
彼女はファイルを添付し忘れたことに気づいた。
Do you realize how much this will cost?
これにどれだけの費用がかかるか分かっていますか?
The company realized significant savings through automation.
その会社は自動化により大幅なコスト削減を実現した。
TOEICでは「realize that」の構文が最も頻出します。
Part 5(文法問題)では、realizeとnotice/recognizeの使い分けを問う問題もよく出題されます。
英検
頻出級:準2級〜1級
英検では準2級から本格的に出題され、2級以降は必須の動詞となります。
特にライティングとスピーキングで使いこなせると表現力が向上します。
級別の使用例
準2級〜2級レベル:
基本的な「気づく」の意味で使用
I realized that I had made a mistake.
私は間違いを犯したことに気づいた。
準1級〜1級レベル:
より複雑な文脈や抽象的な認識での使用
People are beginning to realize the severity of climate change.
人々は気候変動の深刻さを認識し始めている。
英検のエッセイでは、「realize the importance of」「come to realize that」などの表現を使うと論理的な文章になります。
ビジネス英語
頻出度:★★★★★(必須レベル)
realizeはビジネス英語で最も重要な動詞の一つです。
会議、プレゼンテーション、メール、報告書など、あらゆる場面で使われます。
ビジネスシーン別の使用例
会議・プレゼンテーション:
We need to realize that the market is changing rapidly.
市場が急速に変化していることを認識する必要があります。
I realize this proposal may seem ambitious, but it’s achievable.
この提案は野心的に見えるかもしれませんが、実現可能だと認識しています。
報告書・分析:
The analysis helped us realize the root cause of the issue.
その分析により問題の根本原因を認識することができました。
We realized significant cost reductions this quarter.
今四半期に大幅なコスト削減を実現しました。
メール・文書:
I realize that this may cause some inconvenience.
これにより若干のご不便をおかけする可能性があることを認識しております。
Please realize that timely communication is essential.
タイムリーなコミュニケーションが不可欠であることをご理解ください。
謝罪・説明:
I realize I should have informed you earlier.
もっと早くお知らせすべきだったと認識しております。
We realize the impact this decision will have on your team.
この決定があなたのチームに与える影響を認識しています。
ビジネスメールでの定型表現:
- I realize that… (〜であることを認識しております)
- We realize the importance of… (〜の重要性を認識しております)
- Please realize that… (〜であることをご理解ください)
- As you may realize… (ご承知のとおり)
ネイティブがよく使う自然な表現
ネイティブスピーカーが日常的に使うrealizeの表現を紹介します。
これらをマスターすると、より自然な英語が話せるようになります。
日常会話での定番フレーズ
I just realized…
今気づいたんだけど…
→ 突然の気づきを伝える最も一般的な表現
Do you realize…?
分かってる?気づいてる?
→ 相手の認識を確認する表現
I didn’t realize that.
それは知らなかった。
→ 新しい情報を知ったときの返答
Now I realize…
今になって分かる…
→ 後になって理解したことを表す
You don’t realize how…
あなたはどれだけ〜か分かっていない…
→ 相手の無理解を指摘する表現
強調や感情を込めた表現
I suddenly realized…
突然気づいた…
→ 急な気づきの瞬間を強調
I finally realized…
ついに気づいた…
→ 長い時間をかけて理解したことを表す
I can’t believe I didn’t realize…
気づかなかったなんて信じられない…
→ 自分の無知に驚く表現
It took me a while to realize…
気づくのに時間がかかった…
→ 理解に時間がかかったことを認める
Little did I realize…
〜だとは思いもしなかった…
→ やや文語的で、予想外だったことを強調
ビジネスでの自然な表現
As you realize…
ご承知のとおり…
→ 相手がすでに知っている前提で話す
I fully realize that…
〜であることを十分認識しております…
→ 完全な理解を示す丁寧な表現
We need to realize our potential.
私たちは潜在能力を実現する必要がある。
→ 目標達成の文脈での表現
Let me realize the situation.
状況を把握させてください。
→ やや不自然。通常は「Let me understand」の方が自然
口語的な短縮表現
Didn’t realize.
気づかなかった。
→ 主語を省略した口語表現
Just realized.
今気づいた。
→ 非常にカジュアルな省略形
Should’ve realized.
気づくべきだった。
→ 後悔を表す口語表現
realizeのよくある間違い
日本人学習者がrealizeを使う際によくする間違いと、その訂正方法を解説します。
これらのポイントを押さえることで、より正確な英語が使えるようになります。
間違い1:進行形の誤用
❌ I am realizing that I made a mistake.
✅ I realize that I made a mistake.
解説:realizeは状態動詞なので、通常進行形にしません。
気づいた瞬間は現在形または過去形で表現します。
❌ She is realizing the truth now.
✅ She realizes the truth now.
または She is beginning to realize the truth.
解説:「今まさに気づいている」という進行中のプロセスを強調したい場合は「begin/start to realize」を使います。
間違い2:noticeとの混同
❌ I realized a strange smell in the room.
✅ I noticed a strange smell in the room.
解説:五感による気づきは「notice」を使います。
「realize」は知的な理解や認識に使います。
❌ Did you notice that we’ve been working too hard?
✅ Did you realize that we’ve been working too hard?
解説:状況の理解や認識は「realize」が適切です。
「notice」は表面的な気づきに使います。
間違い3:受動態の不自然な使用
❌ The mistake was realized by me.
✅ I realized the mistake.
解説:realizeは通常受動態にしません。能動態の方が自然です。
受動態が使われることもありますが、非常に稀です。
間違い4:前置詞の誤用
❌ I realized about my mistake.
✅ I realized my mistake.
解説:realizeの後に前置詞「about」は不要です。
名詞を直接目的語にとります。
❌ She realized for the problem.
✅ She realized the problem.
解説:realizeの後に「for」も不要です。
間違い5:that節の誤り
❌ I realize what I am wrong.
✅ I realize that I am wrong.
または I realize what is wrong.
解説:「realize that + 完全な文」または「realize + 疑問詞節」の形を使います。
「realize what I am wrong」は文法的に誤りです。
間違い6:スペリングの混同
❌ I realise this problem.(アメリカ英語の文脈で)
✅ I realize this problem.
解説:アメリカ英語では「realize」、イギリス英語では「realise」です。
TOEICではアメリカ英語が基準なので「realize」を使います。
間違い7:意味の取り違え
❌ I want to realize my dream.(単に夢を持っている)
✅ I want to achieve my dream.
または I want to realize my dream.(夢を実現したい)
解説:「realize」は「実現する」という意味もありますが、現代英語では「気づく」の意味が一般的です。
「夢を叶える」と言いたい場合は「achieve」の方が自然なことが多いです。
realizeの理解度チェック
これまで学んだ内容を確認するための練習問題です。
実際に手を動かして解いてみましょう。
穴埋め問題(5問)
1. I ______ that I had left my keys at home.
(私は鍵を家に忘れてきたことに気づいた)
2. She didn’t ______ how difficult the task would be.
(彼女はその作業がどれほど難しいか理解していなかった)
3. Do you ______ what you’ve done?
(あなたは自分が何をしたか分かっているのですか?)
4. The company ______ significant profits last year.
(その会社は昨年大きな利益を実現した)
5. I came to ______ the importance of teamwork.
(私はチームワークの重要性に気づくようになった)
選択肢問題(5問)
1. I ______ a strange noise coming from the engine.
a) realized
b) noticed
c) recognized
d) understood
2. She suddenly ______ that she was late for the meeting.
a) noticed
b) realized
c) recognized
d) observed
3. I didn’t ______ you were here.
a) realize
b) am realizing
c) have realized
d) realizing
4. He ______ his mistake immediately.
a) realized
b) noticed
c) both a and b
d) neither a nor b
5. The team worked hard to ______ their goals.
a) realize
b) notice
c) recognize
d) understand
解答
穴埋め問題の解答:
1. realized
解説:過去の出来事なので過去形。「気づいた」という知的な認識を表します。
2. realize
解説:「didn’t + 原形」の形。状況の理解・認識を表します。
3. realize
解説:疑問文で「Do you + 原形」。相手の認識を確認する表現です。
4. realized
解説:過去形。「実現する」の意味で使われています。
5. realize
解説:「come to + 原形」の形で「〜するようになる」。
選択肢問題の解答:
1. b) noticed
解説:音という聴覚による気づきなので「notice」が適切です。「realize」は知的な認識に使います。
2. b) realized
解説:遅刻という事実の認識なので「realize」が適切です。状況の理解を表します。
3. a) realize
解説:「didn’t + 原形」の形。realizeは状態動詞なので進行形にしません。
4. a) realized
解説:間違いという抽象的な概念の認識なので「realize」が最適です。「notice」も文法的には可能ですが、「realize」の方が自然です。
5. a) realize
解説:目標を「実現する」という意味で「realize」を使います。「achieve」も正解ですが、選択肢にないため「realize」が正解です。
realizeのコーパス実例
実際のメディアや文献でrealizeがどのように使われているか、実例を見ていきましょう。
※以下は典型的な使用例を示すために作成した例文です。
新聞記事:The New York Times
Many investors didn’t realize the risks until it was too late.
多くの投資家は手遅れになるまでリスクを認識していなかった。
解説:ニュース記事での典型的な使い方。
過去の事実の認識について報道する際に「realize」がよく使われます。
Scientists are beginning to realize the full impact of climate change.
科学者たちは気候変動の全体的な影響を認識し始めている。
解説:「begin to realize」で徐々に理解が深まっていく様子を表現。
科学や研究の文脈でよく見られます。
The company realized record profits in the fourth quarter.
その会社は第4四半期に記録的な利益を実現した。
解説:ビジネス記事での「実現する」の意味での使用。
利益や目標の達成を報道する際の表現です。
日常会話:映画のセリフ
“I just realized I forgot my wallet at home!”
「財布を家に忘れてきたって今気づいた!」
解説:日常会話での最も一般的な表現。
「just realized」は突然の気づきを表す定番フレーズです。
“Do you realize how much I’ve sacrificed for you?”
「私があなたのためにどれだけ犠牲にしてきたか分かっているの?」
解説:感情的な場面での使用。
相手の無理解を責める際の表現です。
“I never realized you felt that way.”
「あなたがそう感じていたなんて全然気づかなかった」
解説:他人の気持ちに気づかなかったことを表す。
人間関係の会話でよく使われます。
ビジネススピーチ:TED Talk
We must realize that innovation requires taking risks.
イノベーションにはリスクを取ることが必要だと認識しなければなりません。
解説:重要な認識を促す際の表現。
スピーチやプレゼンテーションでよく使われます。
It took years for me to realize that failure is part of success.
失敗は成功の一部だと気づくのに何年もかかりました。
解説:個人的な気づきの体験を語る表現。
TED Talkのような自己啓発的なスピーチの定番です。
The key is to realize your potential before it’s too late.
重要なのは、手遅れになる前に自分の潜在能力を実現することです。
解説:「realize one’s potential」は「潜在能力を実現する」という意味。
motivationalなスピーチでよく使われるフレーズです。
realizeに関するよくある質問
例:I realized that I had been wrong.(自分が間違っていたことに気づいた)
noticeは五感による表面的な気づきで、目や耳で情報をキャッチすることを表します。
例:I noticed a strange smell.(変な匂いに気づいた)
realizeは抽象的・内面的な認識、noticeは具体的・外部的な気づきに使います。
realize:アメリカ英語のスペリング
realise:イギリス英語のスペリング
TOEICではアメリカ英語が基準なので「realize」が使われます。イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなどでは「realise」が一般的です。どちらを使っても間違いではありませんが、一貫性を保つことが重要です。
❌ I am realizing that I was wrong.
✅ I realize that I was wrong.(現在の認識)
✅ I realized that I was wrong.(過去の気づき)
ただし、「気づきのプロセス」を強調したい場合は「begin/start to realize」を使います。
例:I’m beginning to realize how difficult this is.(これがどれほど難しいか気づき始めている)
例:He realized his dream of becoming a doctor.(彼は医者になるという夢を実現した)
ただし、現代英語では「気づく・認識する」の意味での使用が圧倒的に多いです。「夢を叶える」と言いたい場合は「achieve」や「fulfill」の方が一般的なこともあります。
例:He achieved his goal.(彼は目標を達成した)
✅ I realized that I was wrong.(フォーマル)
✅ I realized I was wrong.(カジュアル)
どちらも文法的に正しく、意味も同じです。会話では「that」を省略する方が自然です。ただし、文章やフォーマルな場面では「that」を入れる方が丁寧な印象を与えます。
例:I realized that I needed help.(助けが必要だと気づいた)
recognizeは以前知っていたものを識別することを表します(見覚えがある・聞き覚えがある)。
例:I recognized him from the photo.(写真から彼だと分かった)
realizeは新たな気づき、recognizeは既知のものの識別という違いがあります。ただし、recognizeにも「認識する・理解する」という意味があり、その場合はrealizeに近くなります。
Part 3/4(リスニング):
会話や説明文で「didn’t realize」「realized that」などの表現
例:”I didn’t realize the meeting had been rescheduled.”
Part 5(文法問題):
realize/notice/recognizeの使い分け問題
例:She _____ that she had made an error. → 答え:realized
Part 7(読解):
ビジネス文書での「realize the importance」「realize significant savings」などの表現
特に「realize that」の構文と、類義語との使い分けが重要です。
時間をかけて理解に至るプロセスを強調する表現です。
例:I came to realize that money isn’t everything.(お金がすべてではないということに気づくようになった)
単に「realized」と言うよりも、長い時間や経験を通じて理解が深まったというニュアンスが強くなります。人生の教訓や重要な気づきについて語る際によく使われます。
まとめ
- コアイメージは「漠然としていたものが現実として明確になる・事実として理解する」
- 主な意味は「気づく・認識する」で、知的な理解を伴う深い気づきを表す
- realizeは知的認識、noticeは五感の気づき、recognizeは既知のものの識別
- 「realize that + 文」の構文が最も頻出で重要
- TOEICやビジネス英語で超頻出、特に状況認識や問題の理解を表す際に必須
- 状態動詞なので通常進行形にしない(I realize / I realized を使う)
- アメリカ英語は「realize」、イギリス英語は「realise」だが発音は同じ
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、realizeの使い方が自然に身につきます。
特に「realize that」の構文と類義語との使い分けを重点的に練習しましょう。
英単語を効率よく覚えられるおすすめ本
英語学習の基本は、まず語彙力をしっかり身につけること。
ここでは、効率よく英単語を覚えて、長く使える力に変えていけるおすすめの本をご紹介します。



