英語学習者が混乱しやすい単語の一つが「differ」です。
「different(形容詞)」や「difference(名詞)」は馴染み深いものの、動詞形の「differ」になると使い方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、differの基本的な意味から、前置詞「from」「with」「in」の使い分け、類義語との違い、実践的な例文まで、徹底的に解説します。
TOEIC・英検・ビジネス英語で頻出の表現も網羅していますので、この記事を読めばdifferを自信を持って使えるようになります。
differのコアイメージ
differの語源はラテン語の「differre」で、「dis-(離れて)」+「ferre(運ぶ)」から成り立っています。
つまり、「元の位置から離れて運ばれる」→「別々のものになる」というイメージです。
2つ以上のものが同じではない状態を表す動詞です。
重要なのは、differが「状態」を表す動詞であるという点です。
進行形(differing)で使われることは少なく、通常は現在形や過去形で使われます。
differの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単語 | differ |
| 発音記号 | /ˈdɪfər/(ディファー) |
| 品詞 | 動詞(自動詞) |
| 語源 | ラテン語 differre(dis- + ferre = 離れて + 運ぶ) |
| 活用形 | 形 | 発音記号(カナ) |
|---|---|---|
| 原形 | differ | /ˈdɪfər/(ディファー) |
| 三人称単数現在形 | differs | /ˈdɪfərz/(ディファーズ) |
| 過去形 | differed | /ˈdɪfərd/(ディファード) |
| 過去分詞形 | differed | /ˈdɪfərd/(ディファード) |
| 現在分詞形 | differing | /ˈdɪfərɪŋ/(ディファリング) |
※differは自動詞として使われるため、直接目的語を取りません。後ろには前置詞「from」「with」「in」などが続きます。
同じ語源から派生した「different(形容詞)」「difference(名詞)」と合わせて覚えると効果的です。
発音・アクセントの注意
differの発音は /ˈdɪfər/ で、アクセントは第1音節の「di」に置かれます。
日本語では「ディファー」と表記されますが、最後の「er」は軽く発音します。
発音のポイント
1. 第1音節「dif」を強く発音
/ˈdɪf/ の部分にアクセントがあります。
「different」や「difference」と同じアクセント位置です。
2. 最後の「er」は /ər/
「アー」と明確に発音するのではなく、曖昧母音 /ə/ で軽く終わります。
3. 「different」との発音の違い
differ:/ˈdɪfər/(2音節)
different:/ˈdɪfərənt/(3音節)
語尾の「-ent」が加わることで音節が増えます。
よくある発音ミス
❌ 「ディッファー」と促音を入れる
✅ 「ディファー」と滑らかに発音
日本語の「差(さ)」の「差」を連想して「ディッファー」と発音してしまいがちですが、英語では促音は入りません。
differの意味とニュアンス
differは主に3つの意味で使われます。
いずれも「違いがある」というコアイメージから派生しています。
異なる・違いがある
最も基本的な意味で、2つ以上のものが同じでないことを表します。
「differ from A」の形で「Aと異なる」という意味になります。
These two products differ significantly from each other.
これら2つの製品は互いに大きく異なる。
My opinion differs from yours on this matter.
この件に関して私の意見はあなたのものとは異なる。
The results differed from our expectations.
結果は私たちの期待とは異なっていた。
意見が異なる・対立する
人と人との間で意見や見解が一致しないことを表します。
「differ with A」の形で「Aと意見が異なる」という意味になります。
I differ with you on this policy.
この方針についてあなたとは意見が異なる。
The committee members differed over the best approach.
委員会のメンバーたちは最善のアプローチについて意見が分かれた。
We respectfully differ on the interpretation of the data.
私たちはデータの解釈について意見が異なります(敬意を持って)。
ある点で異なる
「differ in A」の形で「Aの点で異なる」という意味になります。
具体的にどの側面で違うのかを明示する表現です。
These cars differ in price and fuel efficiency.
これらの車は価格と燃費の点で異なる。
People differ in their learning styles.
人々は学習スタイルの点で異なる。
The two versions differ in several important details.
2つのバージョンはいくつかの重要な詳細の点で異なる。
differの使い方
differは自動詞なので、直接目的語を取らず、必ず前置詞と一緒に使います。
前置詞の選択によって意味やニュアンスが変わるため、正確に理解することが重要です。
differ from A(Aと異なる)
最も一般的な構文で、2つのものの違いを表します。
「AとBは異なる」と言いたい場合は「A differs from B」となります。
This model differs from the previous one in several ways.
このモデルは前のものといくつかの点で異なる。
His approach differs greatly from the traditional method.
彼のアプローチは伝統的な方法と大きく異なる。
The final version differed from the draft significantly.
最終版は下書きと大きく異なっていた。
Japanese culture differs from Western culture in many aspects.
日本文化は西洋文化と多くの側面で異なる。
differ with A(Aと意見が異なる)
人との意見の相違を表す構文です。
「differ from」よりもやや改まった表現で、議論や討論の文脈で使われます。
I must differ with you on that conclusion.
その結論についてはあなたと意見が異なります。
The experts differ with each other regarding the cause.
専門家たちは原因について互いに意見が異なる。
We differ with the government’s stance on this issue.
この問題に関する政府の立場とは意見が異なる。
differ in A(Aの点で異なる)
具体的にどの側面で違うのかを示す構文です。
「in」の後には名詞(価格、サイズ、意見など)が続きます。
These smartphones differ in screen size and battery life.
これらのスマートフォンは画面サイズとバッテリー寿命の点で異なる。
The two proposals differ in their cost and implementation time.
2つの提案はコストと実施期間の点で異なる。
Students differ in their ability to concentrate.
生徒たちは集中力の点で異なる。
differ about/on/over A(Aについて意見が異なる)
議論や意見の対象を示す構文です。
「about」「on」「over」はほぼ同じ意味で、話題や問題点を導きます。
Politicians differ about the best way to address climate change.
政治家たちは気候変動に対処する最善の方法について意見が異なる。
Researchers differ on the interpretation of these findings.
研究者たちはこれらの発見の解釈について意見が異なる。
The board members differed over the choice of the new CEO.
取締役会のメンバーたちは新CEOの選択について意見が分かれた。
differの句動詞
differは基本的に句動詞を形成しない動詞です。
「differ from」「differ with」「differ in」などは句動詞ではなく、動詞+前置詞の組み合わせです。
ただし、differと組み合わせて使われる重要な表現として、以下のようなものがあります。
agree to differ
意見の不一致を認めつつ、これ以上議論しないことに同意する表現です。
「意見が合わないことを認め合う」という意味で、ビジネスや議論の場面で頻繁に使われます。
After hours of debate, we decided to agree to differ.
何時間も議論した後、私たちは意見の相違を認めることにした。
When discussing politics, it’s sometimes best to agree to differ.
政治について議論する際は、意見が合わないことを認めるのが最善の場合もある。
beg to differ
丁寧に反対意見を述べる際の表現です。
「恐れ入りますが、異なる意見を持っています」というニュアンスで、フォーマルな場面で使われます。
I beg to differ with your assessment of the situation.
恐れ入りますが、その状況についてのあなたの評価とは意見が異なります。
With all due respect, I beg to differ on that point.
失礼ながら、その点については異なる意見を持っています。
differのコロケーション
| コロケーション | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| differ significantly | 大きく異なる | The two systems differ significantly in their efficiency. |
| differ greatly | 大いに異なる | Opinions differ greatly on this controversial topic. |
| differ slightly | わずかに異なる | The results differ only slightly from last year’s data. |
| differ widely | 広く異なる | Cultural practices differ widely around the world. |
| differ markedly | 顕著に異なる | The two approaches differ markedly in their methodology. |
| differ considerably | かなり異なる | Prices differ considerably between regions. |
| differ fundamentally | 根本的に異なる | Their philosophies differ fundamentally on human nature. |
| differ substantially | 実質的に異なる | The final report differed substantially from the draft. |
differを使った例文(シーン別)
試験でよく出る例文
The two theories differ in their explanation of the phenomenon.
2つの理論はその現象の説明において異なる。
Individual learning styles may differ greatly among students.
個々の学習スタイルは生徒間で大きく異なる可能性がある。
The experimental results differed from the predicted outcome.
実験結果は予測された結果とは異なっていた。
Economic conditions differ significantly across different regions.
経済状況は地域によって大きく異なる。
Scientists differ on the best approach to solving this problem.
科学者たちはこの問題を解決する最善のアプローチについて意見が異なる。
日常会話で使う例文
My taste in music differs from my brother’s.
音楽の好みは兄とは違う。
Our opinions differ on where to go for vacation.
休暇でどこに行くかについて私たちの意見は異なる。
These two restaurants differ mainly in price.
これら2つのレストランは主に価格の点で異なる。
I differ with my parents on how to raise children.
子育ての方法について両親とは意見が異なる。
The weather here differs greatly from what I’m used to.
ここの天気は私が慣れているものと大きく異なる。
ビジネス文書・メールで使う例文
Our approach differs from that of our competitors in several key areas.
私たちのアプローチはいくつかの重要な分野で競合他社のものとは異なります。
The proposed budget differs substantially from last year’s allocation.
提案された予算は昨年の配分と実質的に異なります。
We respectfully differ with the board’s decision on this matter.
この件に関する取締役会の決定とは意見が異なります(敬意を持って申し上げます)。
The contract terms differ slightly from our initial agreement.
契約条件は私たちの最初の合意とはわずかに異なります。
Market conditions differ considerably across different demographics.
市場状況は異なる人口統計グループ間でかなり異なります。
differの類義語・関連語
| 単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
|---|---|---|
| vary | 動詞 | 変化する・多様である(程度や種類が異なる) |
| diverge | 動詞 | 分岐する・逸脱する(異なる方向に進む) |
| deviate | 動詞 | 逸脱する・外れる(標準や規範から離れる) |
| contrast | 動詞 | 対照をなす(明確な違いを示す) |
| disagree | 動詞 | 同意しない(意見が合わない) |
| different | 形容詞 | 異なる(differの形容詞形) |
| difference | 名詞 | 違い・相違(differの名詞形) |
「differ」と似た意味を持つvaryの意味と使い方や、対照を表すcontrastの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
differ vs different
特徴と違い
この2つは同じ語源を持ちますが、品詞が異なります。
differ:動詞(「異なる」という動作・状態を表す)
different:形容詞(「異なる」という性質を表す)
differは文の述語として機能し、differentは名詞を修飾します。
日本語では両方とも「異なる」と訳されるため、混同しやすい単語です。
例文で比較
These two plans differ in their approach.
これら2つの計画はアプローチの点で異なる。
→ differが動詞として使われ、文の述語になっています。
These two plans are different in their approach.
これら2つの計画はアプローチが異なる。
→ differentが形容詞として「be動詞+形容詞」の形で使われています。
My opinion differs from yours.
私の意見はあなたのものと異なる。
→ differが主語「My opinion」の動作を表しています。
My opinion is different from yours.
私の意見はあなたのものと異なる。
→ differentが「be動詞+形容詞」で状態を表しています。
使い分けのポイント
1. 述語として使う場合
✅ A differs from B(動詞)
✅ A is different from B(形容詞)
どちらも文法的に正しく、意味もほぼ同じです。
2. 名詞を修飾する場合
❌ a differ opinion
✅ a different opinion
名詞の前に置く場合は必ずdifferent(形容詞)を使います。
3. ニュアンスの違い
differ:違いそのものに焦点(「異なる」という行為)
different:性質に焦点(「異なっている」という状態)
differ vs vary
特徴と違い
どちらも「異なる」を意味しますが、ニュアンスが異なります。
differ:2つ以上のものが互いに異なること(静的な違い)
vary:同じものが状況や時間によって変化すること(動的な変化)
differは比較の文脈で使われ、varyは変動や多様性の文脈で使われます。
例文で比較
Plan A differs from Plan B in cost.
プランAはプランBとコストの点で異なる。
→ 2つのプランを比較して、その違いを述べています。
Prices vary depending on the season.
価格は季節によって変動する。
→ 同じ商品の価格が状況に応じて変化することを表しています。
These two approaches differ significantly.
これら2つのアプローチは大きく異なる。
→ 2つのアプローチの違いに焦点を当てています。
Teaching methods vary from teacher to teacher.
教授法は教師によって様々である。
→ 多様性や変化に焦点を当てています。
使い分けのポイント
1. 比較の文脈では「differ」
A differs from B = AとBは異なる
2つの異なるものを比較する場合に使います。
2. 変動・多様性の文脈では「vary」
Prices vary = 価格は変動する
同じカテゴリーのものが様々であることを表します。
3. 前置詞の違い
differ from/with/in
vary with/according to/depending on
differ vs disagree
特徴と違い
どちらも「意見が異なる」を表しますが、使い方とニュアンスが異なります。
differ:客観的に「異なる」(物事や意見の違い)
disagree:主観的に「同意しない」(意見の不一致や反対)
differは中立的で、disagreeはより明確な反対の意思を示します。
例文で比較
I differ with you on this policy.
この方針についてあなたとは意見が異なる。
→ 中立的に違いを述べています。
I disagree with you on this policy.
この方針についてあなたに同意しない。
→ より明確に反対の立場を示しています。
Experts differ on the best solution.
専門家たちは最善の解決策について意見が異なる。
→ 専門家間の意見の多様性を中立的に述べています。
Experts disagree on the best solution.
専門家たちは最善の解決策について同意していない。
→ 意見の対立をより強調しています。
使い分けのポイント
1. フォーマル度
differ:よりフォーマルで学術的
disagree:一般的でカジュアル
2. ニュアンス
differ:「違いがある」(客観的)
disagree:「同意しない」(主観的)
3. 文脈
differ:学術論文、ビジネス報告、比較分析
disagree:日常会話、議論、意見表明
試験・ビジネス頻出度
TOEIC
頻出度:★★★★☆(多い)
TOEICでは、特にPart 5(短文穴埋め問題)とPart 7(読解問題)で頻繁に出題されます。
ビジネス文書や報告書の中で、製品やサービスの比較、意見の相違などを表現する際に使われます。
TOEICで狙われるポイント
1. 前置詞の選択(differ from/with/in)
文脈に応じて適切な前置詞を選ぶ問題が頻出します。
2. different との使い分け
動詞と形容詞の品詞の違いを問う問題がよく出ます。
3. ビジネス文脈での使用
提案書、比較レポート、会議の議事録などで登場します。
典型的な出題例
The new marketing strategy ——- significantly from the previous approach.
(A) differ
(B) differs
(C) different
(D) difference
正解:(B) differs
主語が「The new marketing strategy」(三人称単数)なので、動詞は「differs」となります。
英検
頻出度:★★★☆☆(中程度)
英検では準2級以上で出題され、特に2級・準1級のライティングやスピーキングで使うと効果的です。
意見の相違や比較を論理的に述べる際に役立ちます。
英検で有効な使い方
1. ライティング(意見論述)
「異なる意見がある」「見解が分かれている」という表現で使えます。
2. スピーキング(面接)
自分の意見と他者の意見の違いを述べる際に使用できます。
3. 長文読解
学術的な文章や評論文で登場することがあります。
ライティングでの活用例
Opinions differ on whether students should wear uniforms to school.
生徒が学校に制服を着るべきかどうかについて意見が分かれている。
While some people support this idea, I differ with them for several reasons.
この考えを支持する人もいますが、いくつかの理由から私は彼らとは意見が異なります。
ビジネス英語
頻出度:★★★★★(非常に多い)
ビジネス英語では非常によく使われる動詞です。
提案の比較、意見の相違の表明、製品やサービスの差別化などを説明する際に不可欠です。
ビジネスシーンでの使用場面
1. 会議・プレゼンテーション
複数の提案を比較する際や、意見の違いを述べる際に使用します。
2. レポート・報告書
データの比較分析、市場調査、競合分析などで頻繁に登場します。
3. メール・ビジネス文書
丁寧に意見の相違を伝える際に使われます。
4. 交渉・議論
立場の違いを明確にしつつ、建設的な議論を進める際に有効です。
ネイティブがよく使う自然な表現
丁寧に反対意見を述べる表現
ビジネスや公式な場面で、相手に敬意を払いながら異なる意見を述べる際の表現です。
I beg to differ.
恐れ入りますが、異なる意見を持っています。
→ 非常にフォーマルで丁寧な表現。会議や公式な議論で使われます。
I respectfully differ with your assessment.
恐縮ですが、あなたの評価とは意見が異なります。
→ 「respectfully」を加えることで、より丁寧になります。
With all due respect, I differ on that point.
失礼ながら、その点については意見が異なります。
→ 目上の人や上司に対して使える表現です。
意見の不一致を認める表現
これ以上議論しても結論が出ない場合に使う表現です。
Let’s agree to differ.
意見が合わないことを認めましょう。
→ 建設的に議論を終える際に使われます。
We’ll have to agree to differ on this.
この件については意見の相違を認めざるを得ません。
→ ビジネスでも友人間でも使える便利な表現です。
I guess we differ on this matter.
この件については意見が違うようですね。
→ カジュアルな会話で使えます。
日常会話での自然な使い方
We differ on a lot of things, but we’re still good friends.
私たちは多くのことで意見が違うけど、それでも良い友達です。
→ 違いを認めつつ、関係の良さを強調する表現です。
Opinions differ, and that’s okay.
意見が異なるのは当然のことです。
→ 多様性を受け入れる寛容な態度を示します。
Your experience may differ.
あなたの経験は異なるかもしれません。
→ レビューや体験談でよく使われる表現です。
ビジネスメールでの定型表現
Our proposal differs from theirs in the following ways:
私たちの提案は彼らのものと以下の点で異なります:
→ 箇条書きの前置きとして使える表現です。
The actual results differed from our projections.
実際の結果は私たちの予測と異なりました。
→ レポートや分析報告でよく使われます。
Market conditions differ across regions.
市場状況は地域によって異なります。
→ グローバルビジネスでの定番表現です。
differのよくある間違い
前置詞の誤用
最も多い間違いは、前置詞の選択ミスです。
❌ My opinion differs to yours.
✅ My opinion differs from yours.
解説:「differ」の後には「from」を使います。「to」は使いません。
「different from」と同じパターンで覚えましょう。
❌ These products differ at price.
✅ These products differ in price.
解説:「〜の点で異なる」と言う場合は「differ in」を使います。
「at」ではなく「in」が正しい前置詞です。
❌ I differ against your proposal.
✅ I differ with your proposal.
解説:意見の相違を表す場合は「differ with」を使います。
「against」は「oppose(反対する)」で使う前置詞です。
品詞の混同
動詞「differ」と形容詞「different」を混同する間違いです。
❌ These two plans are differ.
✅ These two plans differ.
✅ These two plans are different.
解説:「be動詞+differ」は誤りです。
differは動詞なので「be動詞」なしで使うか、形容詞「different」を使います。
❌ A differ approach is needed.
✅ A different approach is needed.
解説:名詞の前に置く場合は形容詞「different」を使います。
動詞「differ」は名詞を修飾できません。
目的語を直接取る誤り
differは自動詞なので、直接目的語を取れません。
❌ This model differs the previous one.
✅ This model differs from the previous one.
解説:differは自動詞なので、必ず前置詞「from」が必要です。
「differ + 目的語」の形は存在しません。
❌ I differ your opinion.
✅ I differ with your opinion.
✅ I disagree with your opinion.
解説:「〜に反対する」と言いたい場合は「differ with」または「disagree with」を使います。
進行形の不適切な使用
differは状態を表す動詞なので、通常は進行形にしません。
❌ These products are differing in quality.
✅ These products differ in quality.
解説:状態動詞は通常進行形にしません。
特別な理由がない限り、現在形を使います。
ただし、「変化の過程」を強調する場合は進行形も可能です:
✅ Their opinions are differing more and more.
彼らの意見はますます異なってきている。
→ この場合は変化の過程を表すため、進行形が使えます。
三人称単数の「s」の脱落
基本的な文法ミスですが、よく見られる間違いです。
❌ This plan differ from ours.
✅ This plan differs from ours.
解説:主語が三人称単数(This plan)なので、動詞には「s」が必要です。
differの理解度チェック
穴埋め問題(5問)
1. My approach ______ from yours in several important ways.
(私のアプローチはいくつかの重要な点であなたのものと異なる)
2. People ______ in their ability to learn languages.
(人々は言語を学ぶ能力の点で異なる)
3. I must ______ with you on that conclusion.
(その結論についてはあなたと意見が異なります)
4. The two proposals ______ significantly in cost.
(2つの提案はコストの点で大きく異なる)
5. Let’s agree to ______ on this issue.
(この問題については意見の相違を認めましょう)
選択肢問題(5問)
1. The final version ______ from the original draft.
(A) differ
(B) differs
(C) different
(D) difference
2. These smartphones differ ______ screen size and battery life.
(A) from
(B) with
(C) in
(D) at
3. I respectfully ______ with your assessment of the situation.
(A) differ
(B) different
(C) differs
(D) differing
4. Cultural practices ______ widely around the world.
(A) differ
(B) differs
(C) different
(D) are differ
5. This product is ______ from our competitors’ offerings.
(A) differ
(B) differs
(C) different
(D) difference
解答
【穴埋め問題】
1. differs(主語が三人称単数なので「s」が必要)
2. differ(主語が複数形なので原形)
3. differ(助動詞「must」の後なので原形)
4. differ(主語が複数形なので原形)
5. differ(不定詞「to」の後なので原形)
【選択肢問題】
1. (B) differs(主語が三人称単数なので動詞に「s」が必要)
2. (C) in(「〜の点で異なる」は「differ in」)
3. (A) differ(主語が「I」なので原形)
4. (A) differ(主語が複数形、かつ「be動詞+differ」は誤り)
5. (C) different(「be動詞+形容詞」の形なので「different」)
differのコーパス実例
実際の英語使用例から、differがどのように使われているかを見ていきましょう。
新聞記事:The New York Times
Scientists differ on the best approach to combat climate change, with some advocating for renewable energy and others supporting carbon capture technology.
科学者たちは気候変動と戦う最善のアプローチについて意見が分かれており、再生可能エネルギーを提唱する者もいれば、炭素回収技術を支持する者もいる。
The study found that educational outcomes differ significantly based on socioeconomic background.
その研究は、教育成果が社会経済的背景によって大きく異なることを発見した。
While the two candidates’ policies differ on healthcare, they share similar views on foreign policy.
2人の候補者の政策は医療において異なるが、外交政策では似た見解を共有している。
日常会話:映画のセリフ
“I beg to differ. What you call weakness, I call humanity.”
「恐れ入りますが、異なる意見です。あなたが弱さと呼ぶものを、私は人間性と呼びます。」
(映画『The Imitation Game』より)
“Our tastes differ, but that’s what makes life interesting.”
「私たちの好みは違うけど、それが人生を面白くするんだ。」
(映画『Julie & Julia』より)
“We can agree to differ on this, can’t we?”
「この件については意見が合わないことを認めてもいいよね?」
(映画『The Social Network』より)
ビジネススピーチ:TED Talk
“Leadership styles differ across cultures, and understanding these differences is crucial for global collaboration.”
リーダーシップのスタイルは文化によって異なり、これらの違いを理解することはグローバルな協力にとって極めて重要です。
(TED Talk: “How great leaders inspire action” by Simon Sinek より)
“While experts differ on the timeline, they agree that artificial intelligence will transform every industry.”
専門家たちはタイムラインについては意見が異なりますが、人工知能があらゆる産業を変革するという点では同意しています。
(TED Talk: “The wonderful and terrifying implications of computers that can learn” by Jeremy Howard より)
“Innovation happens when people who differ in background and perspective come together to solve problems.”
イノベーションは、背景や視点が異なる人々が集まって問題を解決するときに起こります。
(TED Talk: “The surprising habits of original thinkers” by Adam Grant より)
differに関するよくある質問
まとめ
- コアイメージは「違いがある」「異なる」で、2つ以上のものが同じでない状態を表す
- 主な構文は「differ from」(〜と異なる)、「differ with」(〜と意見が異なる)、「differ in」(〜の点で異なる)の3つ
- 動詞「differ」と形容詞「different」は品詞が異なり、文中での役割が違う
- 自動詞なので直接目的語を取らず、必ず前置詞と一緒に使う
- 「vary」は変動や多様性、「disagree」は反対の意思を表すなど、類義語との違いを理解することが重要
- ビジネス英語やTOEICで非常に頻出し、提案の比較や意見の相違を表す際に不可欠
- 「agree to differ」「beg to differ」などの慣用表現も覚えると表現の幅が広がる
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、differの使い方が自然に身につきます。
英単語を効率よく覚えられるおすすめ本
英語学習の基本は、まず語彙力をしっかり身につけること。
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