repeatは英語学習者が最初に習う「繰り返す」という意味の基本動詞ですが、類義語のreiterateやrecurとの使い分けに迷う方も多いのではないでしょうか。
また、「repeat to do」と「repeat doing」のどちらが正しいのか、前置詞の使い方など、文法的な疑問点も多い単語です。
この記事では、repeatの基本的な意味から発音、類義語との違い、TOEIC・英検での頻出ポイントまで、例文を交えて詳しく解説します。
特に「repeat vs reiterate」「repeat vs recur」の違いは試験でもよく問われるため、しっかり理解しましょう。
repeatのコアイメージ
repeatの語源はラテン語の「repetere」(re- = 再び + petere = 求める)で、「再び求める」「繰り返し行う」という意味から来ています。
コアイメージは「同じことをもう一度行う」です。
このコアイメージから、「言葉を繰り返す」「行動を繰り返す」「パターンが繰り返される」など、さまざまな意味が派生しています。
重要なのは、repeatは「意図的に繰り返す」というニュアンスが強い点です。
動詞としての用法が中心ですが、名詞として「繰り返し」「再放送」という意味でも使われます。
また、音楽用語では「リピート記号」を指すこともあります。
repeatの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 単語 | repeat |
| 発音 | /rɪˈpiːt/(リピート) |
| 品詞 | 動詞・名詞 |
| 語源 | ラテン語 repetere(re- 再び + petere 求める) |
| 活用形 | 形 | 発音記号(カナ) |
|---|---|---|
| 原形 | repeat | /rɪˈpiːt/(リピート) |
| 三人称単数現在形 | repeats | /rɪˈpiːts/(リピーツ) |
| 過去形 | repeated | /rɪˈpiːtɪd/(リピーティド) |
| 過去分詞形 | repeated | /rɪˈpiːtɪd/(リピーティド) |
| 現在分詞形 | repeating | /rɪˈpiːtɪŋ/(リピーティング) |
※repeatは主に動詞として使われますが、名詞(繰り返し、再放送)としての用法もあります。この記事では動詞用法を中心に解説しますが、名詞としての使い方も一部紹介します。
発音・アクセントの注意
repeatの発音は /rɪˈpiːt/ で、第2音節の「peat」にアクセントがあります。
日本語では「リピート」とカタカナ表記されますが、英語では最初の「re」は弱く、短く発音されます。
よくある間違いとして、第1音節の「re」を強く発音してしまうケースがあります。
正しくは「ri-PEAT」のように、後ろを強く発音します。
また、「peat」の部分は /piːt/ と長母音なので、「ピート」とはっきり伸ばすことがポイントです。
「ピット」のように短く発音しないよう注意しましょう。
名詞として使う場合も発音は同じ /rɪˈpiːt/ です。
動詞・名詞で発音が変わる単語(recordなど)とは異なります。
repeatの意味とニュアンス
repeatには大きく分けて3つの主要な意味があります。
それぞれ例文とともに詳しく見ていきましょう。
〜を繰り返す・もう一度言う
最も基本的な意味で、言葉や文章をもう一度言うことを表します。
特に相手に聞こえなかった場合や、強調したい場合に使われます。
Could you repeat that, please?
もう一度言っていただけますか?
The teacher repeated the instructions twice.
先生は指示を2回繰り返した。
Please don’t repeat what I told you.
私が言ったことを他の人に言わないでください。
このニュアンスでは、「同じ内容を再度伝える」という意味が強く、相手の理解を助けるために使われることが多いです。
日常会話でもビジネスシーンでも頻繁に使われます。
〜を繰り返し行う
行動や動作を繰り返すという意味です。
習慣的な行動や、意図的に同じことを何度も行う場合に使います。
He repeated the same mistake again.
彼は同じ間違いをまた繰り返した。
The experiment was repeated several times.
その実験は数回繰り返された。
History tends to repeat itself.
歴史は繰り返される傾向がある。
このニュアンスでは、同じパターンや行動が何度も起こることを表します。
ポジティブな繰り返し(練習など)にもネガティブな繰り返し(失敗など)にも使えます。
(番組などを)再放送する
テレビ番組や映画などを再び放送するという意味です。
主にイギリス英語で使われる表現で、名詞形の「repeat」(再放送)もよく使われます。
They repeated the documentary last night.
彼らは昨夜そのドキュメンタリーを再放送した。
Is this a repeat or a new episode?
これは再放送ですか、それとも新しいエピソードですか?
The channel repeats old shows on weekends.
そのチャンネルは週末に古い番組を再放送する。
アメリカ英語では「rerun」という単語がより一般的ですが、「repeat」もよく理解されます。
メディア業界では両方の用語が使われています。
repeatの使い方
repeatは他動詞としての用法が中心ですが、自動詞としても使われます。
文型や前置詞との組み合わせを詳しく見ていきましょう。
repeat + 目的語(他動詞)
最も基本的な使い方で、「〜を繰り返す」という意味です。
目的語には名詞、代名詞、節(that節やwh節)が来ます。
She repeated my name slowly.
彼女は私の名前をゆっくり繰り返した。
Can you repeat what you just said?
今言ったことをもう一度言ってもらえますか?
The manager repeated that the deadline is Friday.
マネージャーは締め切りが金曜日であることを繰り返し言った。
Don’t repeat the same error.
同じ間違いを繰り返さないでください。
repeat itself(自動詞)
「繰り返される」という意味で、主語が自然に繰り返すことを表します。
特に「history repeats itself」(歴史は繰り返す)は有名な表現です。
This pattern repeats itself every few years.
このパターンは数年ごとに繰り返される。
The cycle repeats itself endlessly.
そのサイクルは終わりなく繰り返される。
The problem will repeat itself unless we take action.
行動を起こさなければ、その問題は再発するでしょう。
repeat after(〜の後について言う)
「〜の後について繰り返す」という意味で、主に教育現場で使われます。
先生の後について生徒が発音練習をする場面などで頻出です。
Please repeat after me: “Thank you very much.”
私の後について言ってください:「ありがとうございます」
The students repeated after the teacher.
生徒たちは先生の後について繰り返した。
Repeat after me slowly.
私の後についてゆっくり繰り返してください。
repeat to(〜に繰り返し言う)
「誰かに対して繰り返し言う」という意味です。
情報を伝える相手を明示したい場合に使います。
She repeated the instructions to everyone.
彼女は全員に指示を繰り返した。
Don’t repeat this to anyone.
これは誰にも言わないでください。
He repeated his complaint to the manager.
彼はマネージャーに苦情を繰り返し言った。
repeatの句動詞
repeatには典型的な句動詞(phrasal verb)はほとんどありませんが、前置詞との重要な組み合わせパターンがいくつか存在します。
ここでは句動詞の他、repeatと一緒によく使われる前置詞表現を解説します。
repeat on(食べ物が)胃にもたれる
これは少し特殊な使い方で、主にイギリス英語で使われます。
食べた物の味が口に戻ってくる、胃にもたれるという意味です。
That garlic is repeating on me.
あのニンニクが胃にもたれている。
Onions tend to repeat on me.
タマネギは私には胃にもたれやすい。
この表現はカジュアルな会話で使われ、フォーマルな場面では避けた方が良いでしょう。
アメリカ英語ではあまり使われず、「burp」(げっぷをする)などの表現が一般的です。
その他の前置詞パターン
「repeat to someone」(誰かに繰り返し言う)、「repeat after someone」(誰かの後について繰り返す)は既に解説しましたが、他にも重要なパターンがあります。
repeat for(〜のために繰り返す)
The teacher repeated the explanation for the new students.
先生は新しい生徒のために説明を繰り返した。
repeat in(〜で繰り返す)
Could you repeat that in simpler terms?
もっと簡単な言葉で繰り返していただけますか?
repeatのコロケーション
| コロケーション | 意味 | 例文 |
|---|---|---|
| repeat a mistake | 間違いを繰り返す | Don’t repeat the same mistake twice. |
| repeat a word | 言葉を繰り返す | She repeated the word several times. |
| repeat a question | 質問を繰り返す | Let me repeat the question for you. |
| repeat an experiment | 実験を繰り返す | We need to repeat the experiment to confirm the results. |
| repeat a process | プロセスを繰り返す | Repeat this process until you get the desired result. |
| repeat offender | 常習犯 | He is a repeat offender with multiple convictions. |
| repeat customer | リピーター、常連客 | We value our repeat customers. |
| repeat performance | 繰り返される出来事、再演 | We hope to avoid a repeat performance of last year’s problems. |
repeatを使った例文(シーン別)
実際の使用場面ごとに、repeatの使い方を見ていきましょう。
試験、日常会話、ビジネスの3つのシーンに分けて解説します。
試験でよく出る例文
The scientist repeated the experiment three times to ensure accuracy.
科学者は正確性を確保するために実験を3回繰り返した。
History has a tendency to repeat itself.
歴史には繰り返される傾向がある。
Please repeat the instructions for those who arrived late.
遅れて到着した人たちのために指示を繰り返してください。
She repeated her request several times, but no one listened.
彼女は何度も要求を繰り返したが、誰も聞いていなかった。
We must not repeat the mistakes of the past.
私たちは過去の過ちを繰り返してはならない。
日常会話で使う例文
Sorry, could you repeat that? I didn’t catch it.
すみません、もう一度言っていただけますか?聞き取れませんでした。
My mom keeps repeating the same story over and over.
母は同じ話を何度も何度も繰り返す。
Don’t repeat this to anyone, okay?
これは誰にも言わないでね、いい?
The TV show is just a repeat from last year.
そのテレビ番組は去年の再放送だ。
Kids love to repeat the same games again and again.
子どもたちは同じゲームを何度も何度も繰り返すのが大好きだ。
ビジネス文書・メールで使う例文
Let me repeat the key points of our discussion.
議論の要点を繰り返させてください。
We cannot afford to repeat last quarter’s performance issues.
前四半期のパフォーマンス問題を繰り返す余裕はありません。
To repeat, the deadline for submissions is March 15th.
繰り返しになりますが、提出期限は3月15日です。
The training will be repeated next month for new employees.
研修は来月、新入社員のために再度実施されます。
Our repeat customers account for 60% of total sales.
リピーターの顧客が総売上の60%を占めています。
repeatの類義語・関連語
| 単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 |
|---|---|---|
| reiterate | 動詞 | 繰り返し述べる(フォーマル・強調) |
| recur | 動詞 | 再発する(自動詞・周期的) |
| duplicate | 動詞 | 複製する(正確に) |
| echo | 動詞 | 繰り返す(意見を反映) |
| replicate | 動詞 | 再現する(科学的) |
| rehearse | 動詞 | 練習する(リハーサル) |
「repeat」と似た意味を持つreiterateの意味と使い方や、繰り返し起こることを表すrecurの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
repeatと混同されやすい単語との違いを詳しく解説します。
特にreiterate、recur、duplicateとの使い分けは試験でもよく問われます。
repeat vs reiterate
特徴と違い
repeatは一般的な「繰り返す」という意味で、日常会話からフォーマルな場面まで幅広く使えます。
一方、reiterateは「繰り返し強調して述べる」という意味で、よりフォーマルな表現です。
repeatは物理的な繰り返し(行動・動作)にも言葉の繰り返しにも使えますが、reiterateは主に「言葉や意見を繰り返し述べる」場合に使います。
また、reiterateには「強調する」「念を押す」というニュアンスが含まれます。
TOEICやビジネス英語では、公式発表や会議などで「重要なポイントを繰り返し強調する」場合にreiterateがよく使われます。
repeatは「もう一度言う」という単純な繰り返しに対し、reiterateは「念のためもう一度強調する」という意図が含まれます。
例文で比較
repeat(一般的な繰り返し)
Could you repeat that? I didn’t hear you.
もう一度言っていただけますか?聞こえませんでした。
reiterate(強調を伴う繰り返し)
Let me reiterate the importance of meeting this deadline.
この締め切りを守ることの重要性を改めて強調させてください。
repeat(行動の繰り返し)
She repeated the exercise five times.
彼女はその運動を5回繰り返した。
reiterate(意見の繰り返し・強調)
The CEO reiterated his commitment to the project.
CEOはそのプロジェクトへの取り組みを改めて表明した。
使い分けのポイント
✅ 日常会話や聞き返す場合 → repeat
✅ フォーマルな場面で重要事項を強調 → reiterate
✅ 行動や動作の繰り返し → repeat
✅ 公式発表や方針の再確認 → reiterate
TOEICのビジネスシーンでは、reiterateが正解になる問題が多いため、文脈をよく読んで判断しましょう。
「もう一度念を押す」「重要性を強調する」という文脈ではreiterateが適切です。
repeat vs recur
特徴と違い
repeatは他動詞として「〜を繰り返す」という意味で、主語が意図的に何かを繰り返す場合に使います。
一方、recurは自動詞で「再発する」「繰り返し起こる」という意味で、主語が自然に・周期的に繰り返される場合に使います。
repeatは人間が主語の場合が多く、「repeat a mistake」(間違いを繰り返す)のように意図的・非意図的な行動の繰り返しを表します。
recurは問題や症状、現象などが主語で、「The problem recurs」(問題が再発する)のように自然発生的な繰り返しを表します。
医療分野では、recurは「(病気が)再発する」という意味でよく使われます。
「recurring dream」(繰り返し見る夢)、「recurring payment」(定期払い)など、周期的・自動的な繰り返しにはrecurを使います。
例文で比較
repeat(意図的な繰り返し)
He keeps repeating the same mistakes.
彼は同じ間違いを繰り返し続けている。
recur(自然発生的な繰り返し)
The problem recurs every few months.
その問題は数か月ごとに再発する。
repeat(行動の繰り返し)
Please repeat the process until it works.
うまくいくまでそのプロセスを繰り返してください。
recur(現象の繰り返し)
This pattern recurs throughout history.
このパターンは歴史を通じて繰り返し現れる。
使い分けのポイント
✅ 人が意図的に行う繰り返し → repeat
✅ 現象や問題が自然に繰り返される → recur
✅ 「〜を繰り返す」(他動詞) → repeat
✅ 「繰り返し起こる」(自動詞) → recur
TOEICでは、「The issue recurs」(問題が再発する)のような自動詞の用法を問う問題が出題されます。
主語が「問題」「症状」「現象」の場合はrecur、主語が「人」の場合はrepeatを選びましょう。
repeat vs duplicate
特徴と違い
repeatは「同じことをもう一度行う」という意味で、完全に同じである必要はありません。
duplicateは「正確に複製する」という意味で、オリジナルと全く同じコピーを作ることを強調します。
repeatは時間的な繰り返し(再度行う)を表すのに対し、duplicateは空間的な複製(コピーを作る)を表します。
例えば、「repeat a test」は「テストをもう一度受ける」ですが、「duplicate a key」は「鍵のコピーを作る」という意味です。
ビジネスでは、duplicateは「書類のコピーを作る」「データを複製する」という意味でよく使われます。
repeatは「プロセスを再度実行する」という意味で使われます。
例文で比較
repeat(時間的繰り返し)
We need to repeat the survey next year.
来年また調査を実施する必要があります。
duplicate(空間的複製)
Please duplicate this document for everyone.
この書類を全員分コピーしてください。
repeat(プロセスの繰り返し)
Repeat the steps until you understand.
理解できるまで手順を繰り返してください。
duplicate(正確な複製)
Can you duplicate this key for me?
この鍵のコピーを作ってもらえますか?
使い分けのポイント
✅ もう一度同じことをする → repeat
✅ 正確なコピーを作る → duplicate
✅ 時間的な繰り返し → repeat
✅ 物理的な複製 → duplicate
IT業界では、「duplicate data」(重複データ)、「duplicate file」(重複ファイル)という表現がよく使われます。
repeatは「再実行」、duplicateは「複製・コピー」と覚えておくと良いでしょう。
試験・ビジネス頻出度
repeatは英語学習の基礎的な動詞であると同時に、各種試験やビジネスシーンで頻繁に登場する重要単語です。
ここでは、TOEIC・英検・ビジネス英語における頻出度と出題傾向を詳しく解説します。
TOEIC
頻出度:★★★★★(非常に多い)
TOEICでは、repeatは全セクションで頻繁に出題される重要単語です。
特にPart 2(応答問題)で「Could you repeat that?」のような聞き返しの表現がよく登場します。
リスニングセクション
Part 2では、相手の発言を聞き取れなかった場合の定番フレーズとして頻出します。
「Pardon?」「Could you say that again?」などと並んで重要な表現です。
Part 3・4では、「repeat customer」(リピーター)、「repeat order」(再注文)などのビジネス用語として登場します。
また、「The training will be repeated」(研修が再実施される)のような受動態の形でもよく出題されます。
リーディングセクション
Part 5・6の文法問題では、「repeat」と「reiterate」の使い分けが頻出テーマです。
フォーマルな文脈で「強調する」という意味の場合は「reiterate」が正解になります。
Part 7の読解問題では、「repeat offender」(常習犯)、「repeat performance」(前回と同様の結果)などのコロケーションが登場します。
また、「avoid repeating mistakes」(過ちを繰り返さない)のような表現もよく見られます。
重要表現
✅ Could you repeat that?(もう一度言っていただけますか)
✅ repeat customer(リピーター)
✅ repeat order(再注文)
✅ repeat the process(プロセスを繰り返す)
✅ avoid repeating(繰り返すのを避ける)
英検
頻出度:★★★★☆(多い)
英検では、3級から登場し、級が上がるにつれて複雑な用法が問われます。
特に準1級・1級では、「repeat」と「reiterate」の違いや、「recur」との使い分けが出題されます。
3級・準2級レベル
基本的な「繰り返す」という意味での使用が中心です。
「Please repeat after me」(私の後について繰り返してください)のような学習場面での表現が頻出します。
また、「repeat a mistake」(間違いを繰り返す)のような日常的な表現も重要です。
リスニング問題では、聞き返しの表現として登場することが多いです。
2級レベル
「History repeats itself」(歴史は繰り返す)のような慣用表現が登場します。
また、「repeat performance」「repeat customer」などのビジネス用語も出題範囲に含まれます。
ライティング問題では、「We should not repeat past mistakes」(過去の過ちを繰り返すべきではない)のような表現が使えると評価が高まります。
準1級・1級レベル
類義語との使い分けが重要になります。
特に「reiterate」(繰り返し強調する)、「recur」(再発する)、「replicate」(再現する)との違いを理解しておく必要があります。
エッセイでは、「The government reiterated its commitment」(政府は取り組みを改めて表明した)のようなフォーマルな表現が求められます。
「repeat」は基礎的すぎるため、文脈に応じて適切な類義語を選ぶ力が評価されます。
ビジネス英語
頻出度:★★★★★(非常に多い)
ビジネスシーンでは、repeatは日常的に使われる基本動詞です。
会議、メール、プレゼンテーション、顧客対応など、あらゆる場面で登場します。
会議・プレゼンテーション
「Let me repeat the key points」(要点を繰り返させてください)は、会議での定番フレーズです。
重要な情報を確実に伝えるために、意図的に繰り返すことは効果的なコミュニケーション手法とされています。
プレゼンでは、「To repeat」(繰り返しになりますが)という表現で重要ポイントを強調します。
ただし、よりフォーマルな場面では「To reiterate」を使う方が適切です。
メール・文書
ビジネスメールでは、「Please do not repeat this information」(この情報を他言しないでください)のような機密保持の文脈で使われます。
また、「We cannot afford to repeat last quarter’s mistakes」(前四半期の失敗を繰り返す余裕はない)のような反省・改善の文脈でも頻出です。
契約書や公式文書では、「repeat offender」(常習的違反者)、「repeat violation」(再違反)などの法律用語として使われます。
顧客対応・営業
「repeat customer」(リピーター)、「repeat business」(リピートビジネス)は営業・マーケティングの重要指標です。
「Our repeat customer rate is 65%」(リピート率は65%です)のように、ビジネス指標としてよく使われます。
電話対応では、「Could you repeat your order?」(ご注文内容を繰り返していただけますか)のような確認表現が日常的に使われます。
正確性を確保するために、重要情報は必ず繰り返し確認することがビジネスマナーとされています。
重要ビジネス表現
✅ repeat customer(リピーター)
✅ repeat order(再注文)
✅ repeat business(リピートビジネス)
✅ avoid repeating mistakes(失敗を繰り返さない)
✅ repeat the key points(要点を繰り返す)
ネイティブがよく使う自然な表現
ネイティブスピーカーは、repeatを使ったさまざまな慣用表現や自然なフレーズを日常的に使います。
ここでは、実際のコミュニケーションで役立つ表現を紹介します。
聞き返す時の表現
ネイティブが最もよく使うrepeatの表現は、相手の発言を聞き取れなかった時の聞き返しです。
丁寧さのレベルに応じて、さまざまなバリエーションがあります。
Sorry, could you repeat that?
すみません、もう一度言っていただけますか?
Can you repeat what you just said?
今言ったことをもう一度言ってもらえますか?
Would you mind repeating that?
もう一度言っていただけませんか?(より丁寧)
Repeat that for me?
もう一回言って?(カジュアル)
電話では、「I’m sorry, the line is bad. Could you repeat that?」(すみません、回線状態が悪いです。もう一度言っていただけますか)のように理由を添えることが多いです。
日常会話での表現
日常会話では、repeatを使った自然な表現がたくさんあります。
特に、同じことが繰り返される状況を表す表現は頻出です。
History repeats itself.
歴史は繰り返す。(有名な慣用句)
Don’t make me repeat myself.
同じことを言わせないで。(やや強い表現)
It’s just a repeat of last time.
前回と同じことの繰り返しだ。
The same thing keeps repeating.
同じことが繰り返し起こる。
I feel like we’re repeating ourselves.
同じ話を繰り返している気がする。
強調・確認の表現
重要なポイントを強調したり、情報を確認したりする場合にもrepeatが使われます。
これらは会議やプレゼンテーションでも役立つ表現です。
Let me repeat that for emphasis.
強調のためにもう一度言わせてください。
I’ll repeat the main points.
要点を繰り返します。
Just to repeat what I said earlier…
先ほど言ったことを繰り返すと…
Let me repeat this clearly.
これをはっきりと繰り返させてください。
To repeat, the deadline is Friday.
繰り返しますが、締め切りは金曜日です。
テレビ・メディアの表現
イギリス英語では、テレビの再放送に関する表現でrepeatがよく使われます。
アメリカ英語では「rerun」が一般的ですが、「repeat」も理解されます。
Is this a repeat?
これは再放送ですか?
It’s just repeats on TV tonight.
今夜のテレビは再放送ばかりだ。
They keep repeating old shows.
古い番組ばかり再放送している。
There’s nothing but repeats this summer.
この夏は再放送しかない。
ビジネスでの自然な表現
ビジネスシーンでは、repeatを使った定番フレーズがいくつかあります。
これらをマスターすると、プロフェッショナルな印象を与えられます。
We can’t afford to repeat that mistake.
その失敗を繰り返す余裕はない。
Our goal is to increase repeat business.
私たちの目標はリピートビジネスを増やすことです。
Thank you for being a repeat customer.
リピーターとしてご利用いただきありがとうございます。
We value our repeat clients.
リピートのお客様を大切にしています。
Let’s not repeat last year’s problems.
昨年の問題を繰り返さないようにしましょう。
repeatのよくある間違い
repeatは基本的な動詞ですが、日本人学習者がよく間違えるポイントがいくつかあります。
ここでは、典型的な誤用パターンとその修正方法を解説します。
文法ミス:to不定詞 vs 動名詞
repeatの後に動詞が続く場合、動名詞(-ing形)を使うのが正しい用法です。
to不定詞は使えないため、注意が必要です。
❌ He repeated to make the same mistake.
✅ He repeated making the same mistake.
解説:repeatの後は動名詞を使います。
「同じ間違いを繰り返した」という意味です。
❌ Please avoid to repeat this error.
✅ Please avoid repeating this error.
解説:avoidの後も動名詞です。
「この誤りを繰り返すのを避けてください」という意味です。
❌ She kept to repeat the same question.
✅ She kept repeating the same question.
解説:keepの後も動名詞を使います。
「彼女は同じ質問を繰り返し続けた」という意味です。
類義語の誤用:repeat vs reiterate
フォーマルな場面で「強調する」という意味を表したい時は、reiterateを使うべきです。
repeatは一般的すぎて、ビジネス文書や公式発表には不適切な場合があります。
❌ The CEO repeated his commitment to the project.
✅ The CEO reiterated his commitment to the project.
解説:公式発表や重要な表明にはreiterateが適切です。
「CEOはプロジェクトへの取り組みを改めて表明した」という意味です。
❌ Let me repeat the importance of this matter.
✅ Let me reiterate the importance of this matter.
解説:重要性を強調する場合はreiterateを使います。
「この件の重要性を改めて強調させてください」という意味です。
❌ The government repeated its policy stance.
✅ The government reiterated its policy stance.
解説:政府の公式見解にはreiterateが適切です。
「政府は政策姿勢を改めて表明した」という意味です。
自動詞 vs 他動詞の混同
repeatは基本的に他動詞なので、目的語が必要です。
「繰り返される」という意味で使う場合は、「repeat itself」または受動態を使います。
❌ History will repeat.
✅ History will repeat itself.
解説:自動詞として使う場合は「itself」が必要です。
「歴史は繰り返すだろう」という意味です。
❌ The pattern repeats.
✅ The pattern repeats itself. / The pattern is repeated.
解説:「パターンが繰り返される」という意味の場合、
「itself」を付けるか受動態にします。
❌ The problem will repeat next year.
✅ The problem will repeat itself next year. / The problem will recur next year.
解説:「問題が再発する」という意味では「recur」も使えます。
recurは自動詞なので「itself」は不要です。
前置詞の誤用
repeatと一緒に使う前置詞は、文脈によって異なります。
特に「repeat to」と「repeat for」の使い分けに注意しましょう。
❌ Please repeat this for everyone.
✅ Please repeat this to everyone.
解説:「誰かに向かって繰り返す」場合は「to」を使います。
「これを全員に繰り返してください」という意味です。
❌ Repeat after I.
✅ Repeat after me.
解説:「after」の後は目的格の「me」を使います。
「私の後について繰り返してください」という意味です。
❌ Don’t repeat about this matter.
✅ Don’t repeat this to anyone. / Don’t talk about this matter.
解説:repeatは他動詞なので「about」は不要です。
「この件を誰にも言わないでください」という意味です。
発音の間違い
日本人学習者がよくする発音ミスは、第1音節を強く発音してしまうことです。
正しくは第2音節の「PEAT」にアクセントを置きます。
❌ REE-peat(第1音節を強く)
✅ ri-PEAT(第2音節を強く)
解説:/rɪˈpiːt/ と発音します。
「リピート」ではなく「リPEAT」というイメージです。
また、「peat」の部分を短く発音してしまうミスもあります。
/piːt/ と長母音でしっかり伸ばすことが重要です。
repeatの理解度チェック
これまで学んだrepeatの知識を確認するために、練習問題に挑戦してみましょう。
まずは穴埋め問題、次に選択肢問題を解いてから、解答を確認してください。
穴埋め問題(5問)
1. Could you ______ that? I didn’t catch what you said.
(もう一度言っていただけますか?あなたが言ったことが聞き取れませんでした)
2. The scientist ______ the experiment three times to verify the results.
(科学者は結果を検証するために実験を3回繰り返した)
3. Please don’t ______ this information to anyone outside the team.
(この情報をチーム外の誰にも言わないでください)
4. History has a tendency to ______ itself.
(歴史には繰り返される傾向がある)
5. We must avoid ______ the mistakes of the past.
(私たちは過去の過ちを繰り返すのを避けなければならない)
選択肢問題(5問)
1. The CEO ______ his commitment to improving customer service.
a) repeated
b) reiterated
c) recurred
d) duplicated
2. The problem ______ every few months despite our efforts.
a) repeats
b) repeats itself
c) recurs
d) reiterates
3. Our ______ customers account for 70% of total sales.
a) repeat
b) repeated
c) repeating
d) repetitive
4. Please ______ the instructions for those who arrived late.
a) repeat
b) recur
c) duplicate
d) replicate
5. The teacher asked the students to ______ after her.
a) repeat
b) reiterate
c) recur
d) echo
解答
穴埋め問題
1. repeat(聞き返す時の定番表現)
2. repeated(実験を繰り返した)
3. repeat(情報を他言しないでくださいという意味)
4. repeat(History repeats itself は慣用句)
5. repeating(avoid の後は動名詞)
選択肢問題
1. b) reiterated(フォーマルな場面で強調する場合は reiterate が適切)
2. c) recurs(問題が自然に再発する場合は recur を使う)
3. a) repeat(repeat customer = リピーター、名詞を修飾する形容詞的用法)
4. a) repeat(指示を繰り返すという意味)
5. a) repeat(「後について繰り返す」は repeat after の定番表現)
repeatのコーパス実例
実際の英語メディアや会話でrepeatがどのように使われているか、具体例を見てみましょう。
新聞記事、映画のセリフ、TED Talkから抜粋した実例を紹介します。
新聞記事:The New York Times
The company aims to avoid repeating the supply chain disruptions that occurred last year.
その企業は昨年発生したサプライチェーンの混乱を繰り返さないことを目指している。
Health officials reiterated their warning about the importance of vaccination.
保健当局はワクチン接種の重要性について警告を繰り返した。
The pattern has repeated itself in several countries across the region.
そのパターンはその地域の複数の国で繰り返されている。
Repeat customers are the backbone of any successful retail business.
リピーターはあらゆる成功した小売ビジネスの基盤である。
日常会話:映画のセリフ
“I’m sorry, could you repeat that? I wasn’t paying attention.”
「すみません、もう一度言ってもらえますか?注意して聞いていませんでした」
(映画『The Intern』より)
“Don’t make me repeat myself. I said no.”
「同じことを言わせないで。ノーと言ったんだ」
(映画『The Devil Wears Prada』より)
“History doesn’t repeat itself, but it often rhymes.”
「歴史は繰り返さないが、しばしば韻を踏む」
(映画『The Big Short』より、マーク・トウェインの言葉として引用)
“We can’t keep repeating the same mistakes over and over.”
「同じ間違いを何度も何度も繰り返すわけにはいかない」
(映画『Margin Call』より)
ビジネススピーチ:TED Talk
“Let me repeat the three key principles: simplicity, consistency, and transparency.”
「3つの重要な原則を繰り返します:シンプルさ、一貫性、透明性です」
“We cannot afford to repeat the environmental mistakes of the industrial revolution.”
「私たちは産業革命の環境上の過ちを繰り返す余裕はありません」
“The cycle repeats itself generation after generation unless we intervene.”
「私たちが介入しない限り、そのサイクルは世代から世代へと繰り返されます」
“Building a loyal base of repeat customers is more cost-effective than constantly acquiring new ones.”
「忠実なリピーター基盤を構築することは、常に新規顧客を獲得するよりも費用対効果が高い」
repeatに関するよくある質問
まとめ
- repeatのコアイメージは「同じことをもう一度行う」で、意図的な繰り返しを表す
- 主な意味は「繰り返す」「もう一度言う」「再放送する」の3つ
- reiterateはフォーマルで強調のニュアンス、recurは自然発生的な再発を表す
- repeatは他動詞が基本で、自動詞として使う場合は「repeat itself」の形を取る
- 発音は /rɪˈpiːt/ で、第2音節の「PEAT」にアクセントがある
- TOEIC・英検・ビジネス英語で頻出の重要単語
- 「repeat customer」「repeat after me」などのコロケーションを覚えることが重要
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、repeatの使い方が自然に身につきます。
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