英語学習者が「surround」を使う際、最も混乱しやすいのが前置詞の選び方です。
「be surrounded by」と「be surrounded with」は、どちらも「〜に囲まれている」と訳せますが、ニュアンスが異なります。
また、能動態と受動態での使い分けや、類義語との違いも正確に理解する必要があります。
この記事では、surroundのコアイメージから、前置詞の使い分け、TOEICや英検で頻出する表現パターン、ビジネス英語での実践的な使い方まで、例文を豊富に用いて詳しく解説します。
記事の後半には穴埋め問題や選択肢問題も用意していますので、理解度をチェックしながら学習を進められます。
surroundのコアイメージ
surroundの語源は、ラテン語の「super(上から)」+「undare(波のように流れる)」が組み合わさったものです。
古フランス語を経て英語に入り、「波のように何かを取り囲む」というイメージが生まれました。
コアイメージは「何かの周囲をぐるりと取り囲む」です。
物理的に取り囲む場合だけでなく、状況や雰囲気が人を包み込むような抽象的な意味でも使われます。
重要なのは、「四方・周囲全体を囲む」という完全性のニュアンスです。
surroundの基本情報
| 項目 | 内容 | 
|---|---|
| 単語 | surround | 
| 発音記号 | /səˈraʊnd/(サラウンド) | 
| 品詞 | 動詞 | 
| 語源 | ラテン語 super(上から)+ undare(波のように流れる) | 
| 活用形 | 形 | 発音記号(カナ) | 
|---|---|---|
| 原形 | surround | /səˈraʊnd/(サラウンド) | 
| 三人称単数現在形 | surrounds | /səˈraʊndz/(サラウンズ) | 
| 過去形 | surrounded | /səˈraʊndɪd/(サラウンディド) | 
| 過去分詞形 | surrounded | /səˈraʊndɪd/(サラウンディド) | 
| 現在分詞形 | surrounding | /səˈraʊndɪŋ/(サラウンディング) | 
※surroundは他動詞として使われるのが基本で、「〜を取り囲む」という意味を持ちます。名詞形「surroundings(環境、周囲)」もよく使われますが、この記事では動詞用法を中心に解説します。
発音・アクセントの注意
surroundの発音で注意すべき点は、第2音節の「raund」部分に強勢が置かれることです。
/səˈraʊnd/の「raʊnd」を強く発音し、第1音節の「sə」は弱く短く発音します。
日本人学習者がよく間違えるのは、「サ」の部分を強く発音してしまうことです。
正しくは「sə(スァ)」と軽く発音し、「RAUND(ラウンド)」を明確に強調します。
また、surrounding(形容詞・現在分詞)やsurroundings(名詞)も同じアクセント位置です。
/səˈraʊndɪŋ/、/səˈraʊndɪŋz/と、常に「raund」の部分を強く発音することを意識しましょう。
surroundの意味とニュアンス
〜を取り囲む・囲む
最も基本的な意味で、物理的に何かの周囲を囲むことを表します。
建物、壁、柵、自然物などが対象物をぐるりと取り囲む状況で使われます。
完全に囲む場合にも、部分的に囲む場合にも使えますが、「周囲全体」というニュアンスが強い単語です。
A high wall surrounds the castle.
高い壁が城を取り囲んでいる。
Mountains surround the small village.
山々が小さな村を囲んでいる。
The police surrounded the building.
警察が建物を包囲した。
〜を取り巻く・〜に付きまとう(まつわる)
抽象的な意味で、問題、謎、疑惑、論争、噂などが人や物事を取り巻いている状態を表します。
この用法では、主語は通常「mystery(謎)」「controversy(論争)」「doubt(疑念)」「rumors(噂)」など、ネガティブまたは不確定な要素です。
日本語では「〜に付きまとう」「〜を取り巻く」と訳すのが適切です。
Mystery surrounds the sudden disappearance of the scientist.
その科学者の突然の失踪には謎が付きまとっている。
Controversy surrounded the company after the release of the report.
その報告書の公表後、会社を巡って論争が巻き起こった。
Rumors have surrounded the actor since his unexpected retirement.
その俳優の突然の引退以来、さまざまな噂が彼を取り巻いている。
Doubt surrounded the results of the election.
選挙結果には疑念が付きまとっていた。
(人・物を)包み込む
人々や温かい雰囲気などが誰かを取り囲み、包み込むような状態を表します。
物理的な囲みではなく、環境や人間関係が対象を包んでいる状態を表現します。
この用法では、ポジティブな文脈で使われることも多くあります。
Warm smiles and laughter surrounded her as she entered the room.
彼女が部屋に入ると、温かい笑顔と笑い声が彼女を包み込んだ。
He was surrounded by friends who truly cared about him.
彼は本当に自分を思ってくれる友人たちに包まれていた。
A peaceful atmosphere surrounded the little café by the lake.
湖のほとりの小さなカフェは、穏やかな雰囲気に包まれていた。
(受動態)〜に囲まれている
受動態「be surrounded by/with」は非常に頻出の表現です。
「by」は囲んでいる主体(人、物、状況)を示し、「with」は囲んでいる具体的な物や要素を示します。
この使い分けはTOEICや英検でもよく問われるポイントです。
The city is surrounded by forests.
その都市は森に囲まれている。
He was surrounded with books and papers.
彼は本や書類に囲まれていた。
The hotel is surrounded by beautiful scenery.
そのホテルは美しい景色に囲まれている。
surroundの使い方
能動態:surround + 目的語(物理的に取り囲む)
基本的な他動詞の用法で、主語が目的語を物理的に取り囲む構造です。
主語には、物理的な物(壁、柵など)、人(警察、群衆など)が来ます。
Tall trees surround the house.
高い木々がその家を囲んでいる。
Fans surrounded the celebrity.
ファンがその有名人を取り囲んだ。
A stone wall surrounds the ancient temple.
石の壁が古代の寺院を囲んでいる。
Security guards surround the building 24/7.
警備員が24時間その建物を囲んでいる。
能動態:問題・謎などが取り巻く/付きまとう
抽象的な用法で、主語に「mystery」「controversy」「rumors」「doubt」「questions」などが来ます。
この構文は、ニュース記事や学術的な文章で非常に頻繁に使われます。
TOEICのPart 7やビジネス英語でも頻出のパターンです。
Mystery surrounds the cause of the accident.
その事故の原因には謎が付きまとっている。
Controversy surrounds the new education policy.
新しい教育政策には論争が付きまとっている。
Rumors surround the CEO’s resignation.
CEOの辞任には噂が飛び交っている。
Many questions surround the effectiveness of this treatment.
この治療法の有効性には多くの疑問が付きまとっている。
Uncertainty surrounds the future of the project.
そのプロジェクトの将来には不確実性が付きまとっている。
受動態:be surrounded by(〜に囲まれている)
「by」の後には、囲んでいる主体や要因が来ます。
人、自然、状況など、囲んでいるものの「動作主」を示すのが「by」です。
TOEICのPart 5でも頻出の文法ポイントです。
The hotel is surrounded by beautiful gardens.
そのホテルは美しい庭園に囲まれている。
She felt surrounded by enemies.
彼女は敵に囲まれているように感じた。
The island is surrounded by crystal-clear water.
その島は透き通った水に囲まれている。
Japan is surrounded by the sea on all sides.
日本は四方を海に囲まれている。
The village is surrounded by mountains.
その村は山々に囲まれている。
受動態:be surrounded with(〜で囲まれている)
「with」の後には、囲んでいる具体的な物や要素が来ます。
「道具・手段」を表す with のニュアンスで、何によって囲まれているかという「材料・内容」を示します。
「by」との使い分けが試験でよく問われます。
The garden is surrounded with a wooden fence.
その庭は木の柵で囲まれている。
He lived in a room surrounded with antique furniture.
彼は骨董家具に囲まれた部屋に住んでいた。
The stage was surrounded with colorful lights.
ステージはカラフルな照明で囲まれていた。
The property is surrounded with high walls for security.
その敷地は防犯のため高い壁で囲まれている。
surround oneself with(〜で自分を囲む)
再帰的用法で、自分自身を意図的に何かで囲む・何かに囲まれる状態にすることを表します。
ビジネス英語や自己啓発の文脈でよく使われる表現です。
TED Talkやリーダーシップに関する書籍で頻出のフレーズです。
Surround yourself with positive influences.
ポジティブな影響を与える人たちに囲まれなさい。
Successful people surround themselves with talented teams.
成功する人は有能なチームで自分を囲む。
She surrounds herself with art and music.
彼女は芸術と音楽で自分を囲んでいる。
You should surround yourself with people who inspire you.
あなたを刺激する人々に囲まれるべきだ。
Great leaders surround themselves with diverse perspectives.
偉大なリーダーは多様な視点で自分を囲む。
surroundの句動詞
surroundを使った典型的な句動詞は存在しませんが、前置詞 by と with との組み合わせが非常に重要です。
すでに「使い方」のセクションで詳しく解説した通り、「be surrounded by」と「be surrounded with」の使い分けが、surroundを使いこなす上での最重要ポイントとなります。
その他、surrounding(形容詞)として「周囲の」という意味で使われることも多く、「the surrounding area(周辺地域)」「surrounding circumstances(周囲の状況)」などの表現も覚えておくと便利です。
surroundのコロケーション
| コロケーション | 意味 | 例文 | 
|---|---|---|
| be surrounded by nature | 自然に囲まれている | I love living surrounded by nature. | 
| be surrounded by water | 水に囲まれている | Japan is surrounded by water on all sides. | 
| surround the enemy | 敵を包囲する | The troops surrounded the enemy camp. | 
| be surrounded by friends | 友人に囲まれている | She was surrounded by friends at the party. | 
| mystery surrounds | 謎に包まれている | Mystery still surrounds the ancient ruins. | 
| controversy surrounds | 論争に包まれている | Controversy surrounds the new policy. | 
| surround oneself with | 〜で自分を囲む | Surround yourself with supportive people. | 
| completely surround | 完全に囲む | Walls completely surround the old city. | 
surroundを使った例文(シーン別)
試験でよく出る例文
The castle is surrounded by a deep moat.
その城は深い堀に囲まれている。
Mountains surround the valley on three sides.
山々が三方から谷を囲んでいる。
The city is surrounded by agricultural land.
その都市は農地に囲まれている。
Mystery surrounds the disappearance of the ancient civilization.
その古代文明の消滅には謎が付きまとっている。
He wants to surround himself with creative people.
彼は創造的な人々に囲まれたいと思っている。
The building is surrounded with state-of-the-art security systems.
その建物は最新のセキュリティシステムで囲まれている。
日常会話で使う例文
Our house is surrounded by beautiful trees.
私たちの家は美しい木々に囲まれている。
I feel so lucky to be surrounded by such wonderful people.
こんなに素晴らしい人たちに囲まれて、とても幸運だと感じる。
The kids surrounded the ice cream truck.
子どもたちがアイスクリーム車を取り囲んだ。
We were surrounded by mosquitoes at the campsite.
キャンプ場で蚊に囲まれた。
Surround yourself with things that make you happy.
あなたを幸せにするもので自分を囲みなさい。
The park is surrounded by tall buildings.
その公園は高いビルに囲まれている。
ビジネス文書・メールで使う例文
Our office is surrounded by convenient facilities.
当社のオフィスは便利な施設に囲まれています。
The company is surrounded by fierce competition.
その企業は激しい競争に囲まれている。
We need to surround ourselves with talented professionals.
私たちは有能な専門家に囲まれる必要があります。
Uncertainty surrounds the future of this industry.
この業界の将来には不確実性が付きまとっている。
The project is surrounded by numerous challenges.
そのプロジェクトは数多くの課題に囲まれている。
Our factory is surrounded by residential areas.
当社の工場は住宅地に囲まれています。
surroundの類義語・関連語
| 単語 | 品詞 | ニュアンス・解説 | 
|---|---|---|
| encircle | 動詞 | 円状に囲む(より形式的) | 
| enclose | 動詞 | 閉じ込める・囲い込む | 
| encompass | 動詞 | 包含する・取り囲む(抽象的) | 
| encircle | 動詞 | 取り巻く・包囲する | 
| besiege | 動詞 | 包囲する(軍事的) | 
| ring | 動詞 | 輪になって囲む | 
「surround」と似た意味を持つencircleの意味と使い方や、囲い込むことを表すencloseの意味と使い方も合わせてチェックすると理解が深まります。
混同されやすい語との違い
surround vs encircle
特徴と違い
surroundは「取り囲む」という一般的な意味で、物理的・抽象的どちらの状況でも使える汎用性の高い動詞です。
一方、encircleは「円状に・環状に取り囲む」というより具体的な形状を示唆し、よりフォーマルな文脈で使われます。
surroundは日常会話からビジネス、学術的な文章まで幅広く使えますが、encircleは文学的・軍事的な文脈や、正確な円形の囲みを表現したい場合に好まれます。
例文で比較
Mountains surround the city.
山々がその都市を囲んでいる。(一般的な表現)
A stone wall encircles the ancient temple.
石の壁が古代の寺院を円状に取り囲んでいる。(円形を強調)
The army surrounded the fortress.
軍が要塞を包囲した。(一般的な包囲)
Enemy troops encircled our position.
敵軍が我々の陣地を包囲した。(環状の包囲を示唆)
使い分けのポイント
日常的な「囲む」はsurroundを使うのが自然です。
円形や環状の囲みを明示したい場合、または文学的・格式的な表現を求める場合にencircleを選びます。
迷ったらsurroundを使えば間違いありません。
surround vs enclose
特徴と違い
surroundは「周囲を取り囲む」ことに焦点があり、必ずしも完全に閉じ込める意味は含みません。
encloseは「囲い込む・閉じ込める」という意味で、境界内に完全に入れる・封じ込めるニュアンスが強い単語です。
また、encloseには「同封する」という意味もあり、手紙に書類を入れる場合などに使われます。
この用法はsurroundにはありません。
例文で比較
Trees surround the house.
木々がその家を囲んでいる。(周囲にある状態)
A fence encloses the garden.
柵が庭を囲い込んでいる。(完全に区切られている)
Water surrounds the island.
水がその島を取り囲んでいる。
The zoo encloses animals in habitats.
動物園は動物を生息地に囲い込んでいる。(閉じ込める)
Please find the documents enclosed.
書類を同封いたしましたのでご確認ください。(encloseの特殊用法)
使い分けのポイント
単に「周りにある」「取り囲んでいる」ならsurroundを使います。
「柵や壁で完全に囲い込む」「境界内に閉じ込める」ならencloseが適切です。
ビジネス文書で「同封する」と言いたい場合は必ずencloseを使います。
be surrounded by vs be surrounded with
特徴と違い
この2つの前置詞の使い分けは、TOEIC Part 5で最も頻出する文法ポイントの一つです。
「by」は囲んでいる主体・動作主を示し、「with」は囲んでいる具体的な物・材料・手段を示します。
簡単に言えば、「誰に・何に囲まれているか」はby、「どんな物で囲まれているか」はwithです。
ただし、実際には両方使える場合も多く、厳密な区別がない場合もあります。
例文で比較
The house is surrounded by trees.
その家は木々に囲まれている。(木が主体)
The house is surrounded with a high fence.
その家は高い柵で囲まれている。(柵という具体物)
She is surrounded by loving people.
彼女は愛情深い人々に囲まれている。(人が主体)
The room is surrounded with expensive furniture.
その部屋は高価な家具で囲まれている。(家具という具体物)
使い分けのポイント
人や自然物が囲んでいる場合は「by」を使うのが一般的です。
柵、壁、家具など具体的な物で囲まれている場合は「with」を使う傾向があります。
ただし、この区別は絶対的ではなく、文脈によってはどちらも可能な場合があります。
試験・ビジネス頻出度
TOEIC
頻出度:★★★★☆(多い)
surroundはTOEICで非常によく出題される単語です。特にPart 5の文法問題で「be surrounded by」と「be surrounded with」の使い分けが頻繁に問われます。
また、Part 7の読解問題では、ビジネス施設の立地説明や環境描写で頻出します。
TOEICで特に重要なポイント
受動態の前置詞選択問題(by vs with)が最頻出です。
「The office is surrounded ___ convenient facilities.」のような空所補充で、byとwithの使い分けを問う問題が定番です。
また、「surrounding area(周辺地域)」「surrounding environment(周辺環境)」といった形容詞用法も頻出します。
英検
頻出度:★★★☆☆(中程度)
英検では準2級以上で出題されます。2級、準1級のライティングやスピーキングで、環境や状況を説明する際に使える便利な表現です。
特に準1級以上では、抽象的な意味での使用(「mystery surrounds」「controversy surrounds」など)も求められます。
英検での出題傾向
リーディング問題では、歴史的建造物や自然環境の描写で登場します。
ライティングでは、「自分を取り巻く環境」について述べる際に「be surrounded by」が有効です。
面接では、地域や生活環境について説明する際に活用できます。
ビジネス英語
頻出度:★★★★★(非常に多い)
ビジネス英語では極めて重要な単語です。オフィスの立地説明、市場環境の分析、競合状況の説明など、多様な場面で使用されます。
「surround oneself with talented people(有能な人材に囲まれる)」は、リーダーシップやチーム構築の文脈で頻繁に使われる表現です。
ビジネスシーンでの典型的な使用例
プレゼンテーションでは、「Our new office is surrounded by major transport hubs(新オフィスは主要交通拠点に囲まれています)」のように立地の利便性をアピールします。
レポートでは、「The company is surrounded by intense competition(同社は激しい競争に囲まれている)」のように市場環境を分析します。
人事・組織論では、「Successful leaders surround themselves with diverse talent(成功するリーダーは多様な才能で自分を囲む)」といった表現が定番です。
ネイティブがよく使う自然な表現
日常会話でのフレーズ
I’m surrounded by idiots!
バカばっかりだ!(フラストレーションを表す口語表現)
Surround yourself with good vibes.
良い雰囲気に身を置きなさい。(自己啓発的表現)
We’re completely surrounded!
完全に包囲されている!(映画やゲームでよく聞くセリフ)
I love being surrounded by nature.
自然に囲まれるのが大好きです。(趣味や生活スタイルの説明)
ビジネス・フォーマルな場面
Surround yourself with people who challenge you.
あなたに挑戦を与える人々に囲まれなさい。(ビジネス助言でよく使われる)
The project is surrounded by uncertainty.
そのプロジェクトは不確実性に包まれている。(リスク分析の表現)
Our facility is surrounded by state-of-the-art infrastructure.
当施設は最先端のインフラに囲まれています。(プレゼンテーション)
Mystery surrounds the CEO’s sudden resignation.
CEOの突然の辞任には謎が付きまとっている。(ニュース報道風)
慣用的な表現
surround sound
サラウンドサウンド(音響技術の用語)
surrounding circumstances
周囲の状況・環境(法律・報告書で頻出)
in the surrounding area
周辺地域で(地理的説明)
be surrounded on all sides
四方を囲まれている(完全包囲の表現)
surroundのよくある間違い
前置詞の誤用(by vs with)
❌ The castle is surrounded with mountains.
✅ The castle is surrounded by mountains.
解説:山という自然物が囲んでいる場合は「by」を使います。
「with」は柵や壁など、具体的な構造物で囲む場合に使います。
❌ The garden is surrounded by a wooden fence.
△ The garden is surrounded with a wooden fence.
解説:柵のような具体的構造物の場合、「with」の方が自然ですが、「by」も間違いではありません。
どちらも使える場合も多いですが、試験では文脈に応じた最適な選択が求められます。
自動詞と他動詞の混同
❌ The house surrounds by trees.
✅ The house is surrounded by trees.
解説:surroundは他動詞なので、受動態にする必要があります。
「家が囲む」ではなく「家が囲まれる」という意味なので、必ず「be surrounded」とします。
❌ Mountains are surrounding the valley.
✅ Mountains surround the valley.
解説:継続的な状態を表す場合、進行形ではなく現在形を使います。
「囲んでいる」という状態は、進行形ではなく単純現在形で表現するのが一般的です。
意味の取り違え
❌ I want to surround the world.
✅ I want to travel around the world.
解説:「世界を旅する」は「surround」ではなく「travel around」です。
surroundは「取り囲む」であって「旅する・巡る」ではありません。
❌ Please surround the document.
✅ Please enclose the document.
解説:「書類を同封する」は「enclose」を使います。
surroundには「同封する」という意味はありません。
語順の間違い
❌ By trees is surrounded the house.
✅ The house is surrounded by trees.
解説:英語の基本語順(SVO)を守る必要があります。
詩的表現を除き、通常の文では主語を文頭に置きます。
surroundの理解度チェック
穴埋め問題(5問)
1. The ancient city is ______ by tall walls.
(その古代都市は高い壁に囲まれている)
2. Mystery ______ the sudden disappearance of the ship.
(その船の突然の消失には謎が付きまとっている)
3. She wants to ______ herself with positive people.
(彼女は前向きな人々に囲まれたいと思っている)
4. The garden is surrounded ______ a white picket fence.
(その庭は白いピケットフェンスで囲まれている)
5. Our office building is ______ by convenient shops and restaurants.
(当社のオフィスビルは便利な店やレストランに囲まれています)
選択肢問題(5問)
1. The police ______ the building where the suspect was hiding.
a) surrounded
b) was surrounded
c) surrounding
d) surround to
2. Japan is an island nation ______ by the Pacific Ocean.
a) surround
b) surrounded
c) surrounding
d) surrounds
3. The hotel room was ______ with luxurious furniture.
a) surround
b) surrounding
c) surrounded
d) surrounds
4. Successful entrepreneurs often ______ themselves with talented advisors.
a) surround
b) are surrounded
c) surrounding
d) surrounded
5. Controversy has ______ the project from the beginning.
a) surround
b) surrounded
c) been surrounding
d) surrounds
解答
【穴埋め問題】
1. surrounded(受動態「囲まれている」)
2. surrounds(主語が「mystery」で三人称単数なので現在形に-s)
3. surround(want to の後は動詞の原形)
4. with(柵という具体的構造物なので「with」が適切)
5. surrounded(受動態「囲まれている」、自然物や建物が主体なので「by」)
【選択肢問題】
1. a) surrounded(警察が囲んだという能動態の過去形)
2. b) surrounded(日本が囲まれているという受動態)
3. c) surrounded(部屋が家具で囲まれているという受動態)
4. a) surround(主語が企業家で能動態、現在形)
5. b) surrounded(現在完了形「has surrounded」で継続を表す)
surroundのコーパス実例
新聞記事:The New York Times
The historic mansion is surrounded by acres of beautifully landscaped gardens and offers stunning views of the countryside.
その歴史的邸宅は何エーカーもの美しく造園された庭園に囲まれており、田園地帯の素晴らしい景色を提供している。
Controversy continues to surround the government’s new environmental policy, with critics arguing it doesn’t go far enough.
政府の新しい環境政策には論争が続いており、批評家たちはそれが不十分だと主張している。
The tech startup has surrounded itself with experienced advisors from Silicon Valley’s most successful companies.
そのテックスタートアップは、シリコンバレーで最も成功した企業からの経験豊富なアドバイザーに囲まれている。
日常会話:映画のセリフ
“We’re surrounded! There’s no way out!”
「包囲されている!出口がない!」
(映画『Saving Private Ryan』より)
“I need to surround myself with people who believe in me.”
「私を信じてくれる人たちに囲まれる必要がある」
(映画『The Pursuit of Happyness』より)
“This place is surrounded by nothing but desert for miles.”
「この場所は何マイルも砂漠に囲まれている」
(映画『Mad Max: Fury Road』より)
ビジネススピーチ:TED Talk
“If you want to be successful, surround yourself with people who are smarter than you.”
「成功したいなら、自分より賢い人々に囲まれなさい」
(TED Talk – Leadership and Success)
“Innovation doesn’t happen in isolation. It happens when creative minds are surrounded by diverse perspectives.”
「イノベーションは孤立して起こるのではない。創造的な頭脳が多様な視点に囲まれたときに起こるのだ」
(TED Talk – Innovation in the Workplace)
“Our cities are surrounded by environmental challenges that require immediate action.”
「私たちの都市は、即座の行動を必要とする環境問題に囲まれている」
(TED Talk – Urban Sustainability)
surroundに関するよくある質問
まとめ
- コアイメージは「何かの周囲をぐるりと取り囲む」で、物理的にも抽象的にも使える
 - 主な意味は「取り囲む」「取り巻く・包み込む」「(受動態で)囲まれている」の3つ
 - 「be surrounded by」は囲んでいる主体を示し、「be surrounded with」は具体的な物・材料を示す
 - encircleは円状の囲み、encloseは完全な囲い込み、surroundは一般的な取り囲みを表す
 - TOEICでは前置詞の使い分けが頻出、ビジネス英語では立地説明や環境分析で必須
 - 「surround oneself with」は自己啓発やリーダーシップの文脈で頻繁に使われる重要表現
 - 受動態が非常に多く使われるため、「be surrounded by/with」の形を確実に覚える
 
この記事の例文や練習問題を繰り返し復習すると、surroundの使い方が自然に身につきます。
英単語を効率よく覚えられるおすすめ本
英語学習の基本は、まず語彙力をしっかり身につけること。
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